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Mist(停止中  作者: RYUITI
6/35

red No.2訪問と伝言


――かちゃり。

私とあの子のいる部屋のドアがゆっくりと開いていく。


相手の顔は未だ見えない。

念のため【スキル】を使ってドアを開いている人間の心内落ち着かせつつ、

相手の出方を探る。

用心深いと思われるかもしれないけど、

いくら此処が拠点とは言え、

何があるか分からないから常に集中しておくのだ。



甘い香りが辺りに漂う中、相手が行動を起こした。


「おはようございまーす」

「まだ寝てるのかな?」


「今日のスケジュールと連絡事項をお渡しに来ましたー」



聞こえてきた声の主は事務員さんだった。


「あーごめんね、ちょっと寝ぼけちゃってたみたい」と

 私は急いで彼女へと声を返す。


事務員さんは、

「モネさんがお寝坊さんで、寝起きに弱いのはいつものことですから」

大丈夫でーすわかってますよ。

とけらけらと笑いながら書類をこっちへ持ってきた。


事務員さんの周りからコーヒーの匂いがする。


書類を受け取り何枚かぺらぺらとめくっていると、

【スタールーム改造中のため立ち入り禁止】と書かれた紙を見つけた。


【スタールーム】というのは、ある組織が運営する建物の名前で、

【スキルの発現】や【霧の実験】という難しい物から、

子どもの学習・保護等をやっているところだ。

私はそこで働いている。



ちなみに私は心理・精神・悩み解消といった部分を担当している。


要するに学校の相談室の先生や、保健室の先生という感じかな。


担当と言っても、それ以外のことも請け負ったりするので中々、やる事は多くて大変。

……なんだけど、心理や精神、悩み解消の担当をあわせて行っているのは、

今のところ私しか存在していない。


要するに人手不足という感じらしい。

そもそも、精神系のスキル保持者というものは、

圧倒的に発現数も覚醒者の数も少ないらしく、

人員を確保するという事自体が難しいんだと言っていた。


という事で――

しばらくはスタールームに行く予定がなくなったからその期間中、

何をしようかなーと考えて居たんだけど……


何故か苦笑いの事務員さんから通信用の端末機の画面を見せられた。

文字が書いてある。



【モネへ】

【今日と明日は暇だろうか。

暇というのは直球過ぎたな、まあいい。

私はしばらく、クラウドとホープへ情報収集に行くので、

手が空いているのなら……

レインと共に外に出て散歩でも楽しんでみるのはどうだろうか。


追伸:アイス屋の土産はモナカサンドのクリームソーダ味で頼む。】



ふざけているのかな。

あのリーダー……めんどくさいなー。


レインを連れて行くことには何の問題も無いけど、

自分へのお土産までオーダーするなんてちょっとなー。



まあいっか。

そう思って、文面に返信をした。


【了解しました。

モナカサンドはキャロットにしときますね。】と


ココだけの話、リーダーは野菜系のアイスが大の苦手だったりする。

それを理解した事務員さんはまた苦笑いをして。


ミネラルウォーターのボトルを二本、

私と未だにぐっすりと寝ている女の子、

レインの机に一本ずつ置いて部屋を出て行った。


「今日も一日楽しく過ごせそうだねーっ」


私はそう声を出して、

閉めていたカーテンを勢い良く開けていく。

遮断から開放された窓からは、

陽の光が降り注いでいた。


レインは眩しそうにベッドから顔を出している。



天気予報は外れたみたい。


№2end


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