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Mist(停止中  作者: RYUITI
30/35

cream yellowNo.4目覚めたダレかと迫る刃

――教会の地下に佇む一人の女性の眼には、

リンゴを潰したその瞬間から――


何も映っては居なかった。


だらんと力の抜けた身体が地下に一人佇んで。



【ボタボタ】と潰れたリンゴから冷たい石造りの床に向けて汁が滴り落ちる。

顔は下を向いている。


その瞳に宿る心はダレのモノか――。


---------------------------------


雪が強く降っていたあの日、

オレは――。


【ビリビリとしたドットのようなノイズが感覚を覆う】


ノイズと共に感覚を覆うのは、


あの日の映像。


雪が強く降っていたあの日の――。

オレは叫んだ。


――オレ達がオマエを倒せなくとも、

いつか必ずオマエを倒す奴が現われる!!

オマエが倒されるその日までオレ達はオマエを忘れない。


「だから……覚えてろよ!!!クソ神イィ!!!」


映像が止まる。


力の抜けた身体に熱が戻り。


一人の意識が。


【ハッとして眼を見開いた】


そして眼を見開いたまま、

――――壁の下から湧き上がる黒いモノを鋭く睨む。


その表情は元気な女の子のモノでは無く、

獲物を狩るモノの眼をしていた。


次々に湧き上がる黒いモノに対して鋭い言葉を吐き出す。


舌打ちも加えて。


「チッ……オレを起こしたこと後悔するんだな。

ゲスなゴミ共のくせに――」


その吐き出した言葉も元気な女の子のモノではない。


不機嫌な男のモノのようだ。




【グシャリ】という音が連続的に響きながら重く濃い力によって、

黒いモノが跡形も無く潰れ消えていく。

幾度と無く繰り返し行われていく其れは――

何処からか急に発生する重力によるもの。



重力を発生させているであろうクリーム色の眼をした人間は、

潰れて逝くモノを何度見ても、

無関心な表情を繰り返す。



そしてしばらくした後、

辺りに黒いモノの姿が無くなった事を確認して、

眠っている男の子の方へ駆けようと足を強めに踏み出そうとしていると――――。


【シュンッ】という音と共に、

ナニかがこの地下に出現したようだった。


眼線の先に現れたモノは、

先程の黒い化け物とは明らかに違い、

人型を完璧に保っていた。


通常の人間と違うのは、

顔が黒い仮面の様なモノに覆われて居て顔が見えないという点、

先程から出現していた黒い化け物と違う部分は、

化け物には無かった剣が、

二本、腰元に携えてある事。


現われたモノを観察している最中でさえ、

当の得体の知れないモノは、襲ってくる様子も無く、

棒立ちしたままだ。


何もしないなら好都合だと思って、

こっちから責めようと重力を発生させようとしたとき、


今まで棒立ちだったモノは、

ゆっくりと腰元にある剣の持ち手に手を掛けた。


その瞬間、

身構える間も無く、

なんとも粘っこい感覚が身体を包んだ。

【スッ】という音と共に顔に空気が伝わる。


嫌な予感がして顔を上げると、

眼前には、

青白い刃が迫っていた。


No.4 end









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