bright greenNo.6荷造りからの遭遇
――フェンリルからブレスレットを渡された後、
さっそく乗り込みのために身支度をしようと医務室を出て、
雑務室に戻り、俺の私物の中から、
必要なものだけを選んで中くらいのバッグに詰める。
霧そのものを力を吸収して防御物質に転換させる簡易的なものから、
俺のスキルを高める事が出来るテニスのラケットや手袋とか必要なものを詰めていく。
負担にならない程度の簡易食料も持っていく。
いつまで潜入していつまでに戻れるかわからないから。
というのも各組織の本部の場所は一般的に公開されている事は無く、
今回貰った情報とやらもスモーク支部を襲撃した人間が居るとされる各支部の情報だけだった。
渡したフェンリルが言うには――
「紙媒体で多くの情報を残した場合、
色々と危ない事が起こるきっかけになりかねない」ということらしい。
そういうことで最初の俺の目的地は、
スモークの支部を抜けた先にある岩山の近くにあるみたいで……
それにしても――
枯れ葉と呼ばれる組織が岩山の近くに支部を構えてるなんて少し笑えてしまう。
――――
――。
ドレくらいの時間が経ったのか。
そうこうしている内に、
いつの間にか必要なものは詰め終わっていた。
「さて! 此処の鍵もしばらくはフェンリルに預けておいとくか」
俺以外誰も居ない雑務室に声を飛ばして、
雑務室の扉を鍵を使って閉める。
【カチャリ】という音が小さく響いた後、
辺りは静かになった。
静かになったその時に、通路を歩いて、
そのまま出口へ向かおう。
そう心に決めたはずだった。
それなのに――やっぱり心細くて。
俺は医務室の前に来てしまった。
最後に行ってきます。と
それだけ言おうと思い直して、
俺は医務室の扉を開ける。
その瞬間頭が真っ白に染まった気がした。
開かれた扉から医務室に響くのは――
【ピーーという一定の音】
何を――してるの。
眼に映るのは――
テュールを抱えて、
窓からおりようとしている黒い影
あ。
ああ。
ああああ。
ナニかがブチリと何かが切れる音がした。
No.6 end




