bright greenNo.5想いのブレスレット
――ティウという女性が医務室を出てしばらくした後、
医務室にフェンリルがやってきた。
というのも――
お茶を買いに行こうと思って、
医務室の扉を開けたら、
扉の前に居たフェンリルと眼が合った。
フェンリルは見るからに機嫌が悪そうで、
「あん? 何処に行くんだよ子犬」
と俺の肩を掴んで医務室の中へと俺を押し込んだ。
部屋に押し込まれた後、
一体どうしたのかと尋ねようとした瞬間、
フェンリルが口を開いた。
「襲撃があったあの日、
確かに腐った奴らが動いていたらしいが、
奴らの中にネコの仲間は居ないらしくてな、
もしかしたら――」
フェンリルの言葉に対して俺は間髪を要れずに口を開いて彼に問う。
「それは……何の冗談なん――ネコが居ないって言うのはどういう――」
――が。俺の話は途中で途切れた。
フェンリルの眼がとても鋭さを帯びて居たからだ。
――――
言葉が途切れた俺の眼を真っ直ぐに見てフェンリルは言う。
「ちっと落ち着いて椅子にでも座れ。
まだオレの話は終わってねえんだから」
そう言ったフェンリルは、
俺が椅子に座ったのを見て、ため息を付いた後、話を再開した。
「つまりな? ネコそのものは居なかったが、
ネコに変化できるスキル持ちの奴がいるかもしれねえし、
お前が見たネコのように転移の力や操りの力を持った奴が、
枯れ葉にいるかもしれねえってことだ」
テュールをボロボロにした相手を知る事が出来るのかと思うと、
体の中に強く強く力が入ってしまう。
「それで――
枯れ葉に所属してる人間のスキルは調べる事が出来たんだよね?」
フェンリルは何も言わずにいつの間にか持っていた一枚の紙を俺に手渡して――
「其処に書いてあんのは、
虹からぶんどった情報だが――
乗り込むか待機するかは其れを見てから考えろ」
フェンリルはしばらくジッと俺の顔を見て、
また、ため息をついて俺に言う。
「言っておくが、しようがねえから渡しただけだ。
今のお前の顔見りゃ、渡すしかねえだろ。
やっと動ける見たいなウズウズした顔しやがって……」
頭を掻いた後気にかけるようにフェンリルは話す。
「準備や対策は怠るなよ?
後、行く前は他の奴に声をかけとけな。
それと、後数日は此処に居てやれ。
其れがお前の今の仕事だ」
そう話した後、フェンリルは、
ポケットの中から銀色のブレスレットを差し出して俺の前に差し出した。
「このブレスレットは……
そこに寝てるバカが幹部に昇格した時に、
リーダーがバカに贈ったモノでな、バカにとって大事なモンだ。
バカの代わりにバカが回復するまでお前が大事に持っとけ。
きっとお前を守ってくれるさ。」
リーダーといつまでも寝てるソコのバカがな――
そう口に出すフェンリルの顔は、
何かを思い出しているような感じだった。
俺は銀色のブレスレットを腕に付けて、
自身の前に腕を突き出す。
大事な想いを確かめるように。
No.5 end




