aqua blueNo.6出会ったのは一匹の狼
――――誰かの声が聞こえる。
――「おい!」
声の主は…………
――――「おい!起きろ!」
誰…………?
「オレの――で――じゃねえ――!!」
嗚呼……前にもこんなことが――――。
確か……私にはまだやらねばならない事が――っ!
------------------------------------
眼を覚ますと、
私の視界の中に映ったのは、不機嫌な顔をしている銀色短髪の男性だった。
その銀短髪の男性は、眼を覚ました私を見て声を飛ばした。
「いつまでオレの昼寝場所で寝てんだよ!
こっちは数週間前に建てた新しい支部の掃除やら、
備品の整理やらで疲れた身体を休めようとしてたっつうのによ!
いざ寝ようと思って原っぱに来て見たらてめえがグースカ寝てるしよ!
っていうかてめえは誰だコノヤロー!」
言葉が飛んでくる口の中から、
犬歯が見える。
それにしても言葉が多い。
なんで起きて直ぐこんなに言われないといけないのか。
しかも声がデカイからうるさくて仕方が無い。
まあいいや、
とりあえず……
一呼吸おいて――――
「どもどもーこんにちはキャンディーです。
ピチピチの少女ですぅ
好きな食べ物はみかん、
大好きな食べ物もみかん。
嫌いな食べ物は苦いのと甘すぎるものね!
将来の夢はありませんッ!よろしくおねげーしますですう。」と
とりあえず挨拶と自己紹介をしてみた。
すると、銀短髪の少年は、
気恥ずかしそうに頭を掻いて、ぶつぶつと何かを呟いている。
というかピチピチにも触れてくれない。
好きな食べ物や将来の夢まで聞いちまったんだから、
こっちも名乗らないわけにゃいけねえよなあ……
なんて言っていた。
そして、
「オレはある組織の構成員をやってる。
名前はフェンリルっていうんだ。
好きな食べ物は肉と果物で、
使ってる武器は拳が主だな。
これから色々と宜しく。」
そう言い終わったフェンリルとやらの言葉を聞いて疑問が浮かぶ。
彼は、これからよろしくと言ったけど、
それはいったいどういう――
私のその表情を見て何か察したのか、
彼は私にこう言ってきた。
「宜しくっていったのはな?
今日からオレが仲間に内緒にして、
お前に色々教えてやるために、
開いてる部屋を貸してやろうと思ってさ。
どうせ、お前はここ最近のこともしらねえみたいだからな。」
まさか彼もさっきみた太っちょみたいな――。
「安心しろ、オレは女にゃ興味無い。
オレは色々おっ始める前にお前に詰め込めるだけの知識やなんかを教えるだけさ。」
間髪居れずに言葉を紡いだ彼の眼は――なんだか闘志に満ちているようだった。
どうやら、私はこれから色々な事をスパルタで教えられそうな予感がする。
まあみかんが食べられるならそれでいいか。
そうして私は、先を歩く銀短髪に追いつくためにゆっくりと歩くのを開始する。
その時、ポケットに入れていた丸い物がちょっとだけ熱を帯びた気がした。
No.6 end




