cream yellowNo.1麦酒の匂いと黒い雲
――あら、今日も綺麗なりんごやお花が書けてるわねえ
……しろちゃんはお絵かきが好きなの?
そっかそっか、大きくなったら絵描きさんになりたいの?
――
――――。
「あらら、もうこんな時間だわ……おやすみなさいしろちゃん」
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――遠くの方からピピピピピと音が聞こえて来た。
――うるさいなあ。
今日は久しぶりに夢を見たのに、
良い夢を見たのかどうかはよく思い出せないけど、
鳴り響く音で台無しになった気分がする。
むかむかとする気持ちを抑えて、
そのまま二度寝をしようと決めたとき、
暗い室内の扉が【コンコン】とノックされる。
今は何時なのかと思って端末を確認しようとも、
思ったけれど、面倒くさくて手に取ることすらやめてしまった。
――綿で出来た布は変わらずに暖かい。
【コンコン】というノックが四度目になった頃、
扉が【ガチャリ】と音を立てて開くのがわかった。
扉が開くと同時に部屋に充満したのはアルコールの匂い。
しかも、この匂いは【ココで一番安い麦酒の匂い】だ。
「いい加減起きろシロガミ。
もうすぐ開店時間だぞー」と、酒臭い男が口を出してきた。
「やだやだ、まだ起きたくない起きたくない。
それにウチはココの従業員じゃありませんー」
少し拗ねたような声で反論をすると、
ふうっというため息の後、
依頼だけはちゃんと受けろよ。という言葉を残して、
扉を出た後、下へと降りていった。
部屋の中から匂いの原因が居なくなったのにも関わらず、
しっかりと留まる匂いに飽きを感じて、
かけている毛布を剥いで起き上がる。
遮る物が無くなった目に入ってくるのは、
カーテンの隙間から差し込む太陽の光。
どうやら今日もイイ天気みたい!
立ち上がって背伸びをした後……
端末機に何度目かの通信音が入り、
少し陽気になりながら部屋を後にする。
――空の端にある黒い雲に気付かないままに。
【To Be Continued】




