carrot orangeNo.2仕事仲間と懐かしい声
なんだか物凄く眩しい。
眩しいなあ。
太陽の光が明るすぎて、
瞼を開けてしまったみたいだ。
二度寝も考えたけど……
ズルズルと目が冴えてしまう気がして――
結局、掛けていた布を腰の部分まで剥いでボーっとする事に決めた。
それにしても今日は随分と懐かしくて、
暖かい夢を見ていた気がする。
なんの夢だったかな……
うっすらとしか思い出せないなあ。
まあいっか。
欠伸をいくつか繰り返して、
今日の予定をどうするか考えてみる。
酒場に行ってシロガミから依頼書を見せてもらうべきか。
でもなー
朝から酒場に行くとしつこいおっさんがいるから嫌なんだよなあ。
……そうこうしている内に腹が減ってきた。
近くのハンバーガーショップにでも寄ろうかな。
ベッドから降りてボックスから、
衣服を取り出そうと手を伸ばした時、
せんせー!あさだよー!たすけてー!と
部屋の外から男の子の大きな声が聞こえてきた。
やれやれ、ふざけているのも、
いつものことかと思いながら部屋の扉を開ける。
――しっかりと開いた扉の先に居たのは、
【巨大でどす黒い上半身を持つ化け物だった】
「――ッ!」
思わず唾液を飲み込み、さらに喉が萎縮する。
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――ハッとして瞼を開くと、其処には……
猛スピードで動く二つの物体の姿があった。
歪な音があたりに響いている。
ぼやけている眼では、
動いているものが何なのかわからないなあ。
――――
「こんな気持ち悪いの相手にするのも骨が折れるのになー」
言葉を放つ人間の近くから金属音が響いている、
後、女の子みたいな声がする。
「おっとっとっうわわわわ!」
なんだか大変そうだけど、相変わらず眼のぼやけは直らない。
そんな中、空気が変わった。
「さてと。」
冷たい空気が周りに漂ってくるのがわかる。
「理想の体重は~りんご三つ分!」
何かを投げて手に取る音がした。
【メキメキ】と
地面の割れる音と共に、
足音が俺に近づいてくる。
「ねえねえりっくん大丈夫?
子ども達が慌てて酒場に来るんだもんびっくりしちゃった!」
あ、なんだ今まで近くに居たのはシロガミだったのか。
「うん、なんとかねー
身体が思うように動かないし眼がぼやける感じが取れないんだけど、
思考だけはしっかりしてるよー」
シロガミにそう言葉を返したら、
ふと身体が持ち上げられた気がした。
どうやらおんぶをされたようだった。
「何があったのかは、
部屋についてから話してね!
今は集中してるから無理!」
【コツコツ】と足音だけが辺りに反響している中、
不意にシロガミの足が止まった。
「お――まえコロ――す!」
【ガチャガチャ】と走ってくる音がする。
ふと、冷たい強風が吹いた気がした。
「シロガミ!逃げなくていいの?」
シロガミからの返事は無い。
もう死ぬかもしれない。
そう思った。
その時、
「ダメだよリクーこんなところで力尽きたらさ、
やっと逢えたと思ったら、シロは固まってて、
リクは眼を逸らしてるし、
ここはやっぱり、中立組織所属の私の出番でしょ!」
俺の耳に響いたその声は、俺の知っている声だった。
No.2end




