bright greenNo.3医務室と銀の短髪
――しばらくの沈黙が続いた後、
端末機から聞こえてきた言葉を聞いて、
――――俺は無我夢中で走った。
――
「テュール様は、針のような物で複数の個所を貫かれているようだ。
発見した時、既にテュール様の意識は無く、
貫かれた箇所は心臓や腕、腿など身体機能を働かせる重要な部分であることから、
スキル持ちで有ることは確実だろう。
医務室でテュール様の処置をする。君も来たまえ」
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医務室へ着いたとき、俺の眼に飛び込んできたのは、
……テュールが沢山の管に繋がれている様子だった。
「テュール!!お前なんで……ッ!」
未だ意識の醒める気配がないテュールに近づこうとした時、
俺の腹部に衝撃が走り、
医務室の端へと吹き飛ばされた。
「冷静で居られないのは良く分かるが、
お前は仮にも【コレ】の部下だろう。
少しは静かにしろ、噛み千切るぞ。」
俺を吹き飛ばし、
氷のように冷えた言葉を投げ掛けたのは――
「来てたのか速いな――フェンリル」
銀の短髪、銀の眼を持つ長身の男。
この男もまた――本部所属の幹部の一人だ。
ハッと小さく笑ったフェンリルは、
俺の胸倉を掴んでテュールの元へと引きずっていく。
「ちなみに、今回の犯人はどっちだと思うよ子犬。」
フェンリルが俺に問いをかけてきた。
その問いに対して、
「今のこの世界にはまだまだ把握できていないスキルが沢山有る、
だけど……なんらかの組織が今回のことを企てたとするなら――
きっと、【枯れ葉】の奴なんじゃないかと思う。」
と答えると、
フェンリルは――
クシャクシャと頭を掻いた後、
握りこぶしを作って、俺に声をかけた。
「あの雑草共ならやりかねんな。
なんせ――休戦の協定中にリーダーを殺しに来たくらいだしな。
オレは明日、虹に掛け合って雑草共の情報を聞きに行って来るわ。
お前は【コレ】が完全に回復するまで仕事はしなくて良い。
その代わり、まめに容態の報告は入れろ。
それが今からのお前が全力投球する仕事だ。」
――んじゃな。と俺が言葉を入れる間も無く、
フェンリルは医務室を去っていった。
医務室に残ったのは俺とテュール。
いつもならはしゃいでいる空気が、
今日はとても冷たくて重い。
テュールが寝ているベッドの近くで、
俺はゆっくりとテュールを見る。
ただ……助かってほしいと思いながら。
№3 end




