襲撃
「……本当にあの魔族はシュバルツ家に向かったのだな?」
「はい。偵察部隊が確認しましたので」
「あの魔族め。もう少しであのバカな勇者を王に据える事ができたというのに邪魔をしおって」
「王都内ではまだ広まってませんが、兵士の中や王宮内の中では、勇者の悪行が少しずつですが広まっております」
「ちっ! あの勇者も上手い事やれば良いものを。まあいい。奴らを消せば問題は無いだろう。手配は出来ているのか?」
「はい、精鋭の暗殺者を集めました。元々王を殺す為に集めた奴らです。十分事足りるでしょう」
「よし。今すぐ仕向けろ」
「了解しました」
「ふん、儂に楯突きおってシュバルツ公爵もろとも消してやる」
◇◇◇
応接室を出て僕たちは食堂で待つ事30分程。
「ごめんなさいね。待たせてしまって」
と母上がやって来た。後ろにはニヤニヤしたマリアさんたちが付いている。……どんな話をしたんだ?
「さあ、ご飯にしよう。今日はシェフにお願いして豪華にしてもらったから堪能してくれ」
そして次々と夕食が運ばれる。うん、美味しい。マリアさんたちも美味しそうに食べてくれる。さっきの話をマリアさんたちに聞いても教えてくれなかったけど本当に何を話したのだろう?
そんな事もありながら夕食も終わりみんなお風呂に入り、各部屋を案内される。みんなバラバラだ。あとアルとビルは家に帰った。近いからね。
僕は2年ぶりの自分の部屋だ。はは、全く変わって無いや。僕は部屋を少し見てからベッドへと寝転ぶ。そして左手を見る。先週魔王になってから一気にいろいろな事があった。ザガンと出会い、勇者たちやユフィーと再会し、王都へ戻ってき、そして両親にも会えた。
次は国を作る場所を探す事かな? どこかいいところは無いだろうか。そんな事を思いながら僕は眠りに落ちていった。
◇◇◇
『契約者起きてください』
なんだ? 声が聞こえる。
『早く起きないと燃やします』
「おいっ! それはダメだろ! ってどうしたんだレーヴァテイン?」
真夜中にレーヴァテインに起こされてしまった。今までこんな事はなかったのになんだろう?
『屋敷に侵入者です。屋敷を囲うように20名ほど。兵士たちが殺されています』
屋敷に侵入者だと。僕は直様レーヴァテインを持ち部屋を出る。廊下には誰もいない。僕の部屋は2階にあり、マリアさんたち来客用の部屋も2階だ。ただ、父上と母上の部屋が1階にいる。
「というかレーヴァテイン。なんで侵入者なんてわかったの?」
僕がレーヴァテインに聞くと
『私の熱探知に反応しました』
と答えた。多分姿が見えたら自信満々に言っているであろう声色だ。僕は完璧油断していた。影魔法も使ってなかったし。久し振りに家に帰ってきて油断していたか。
レーヴァテインに魔力を通すと、熱探知の結果が僕にも伝わってくる。四方を5人ずつぐらいに分かれて行動しているようだ。そんな事を考えていると
「エル」
とミルさんが部屋から出てくる。
「ミルさん。もしかして」
「うん、気付いた。血生臭い匂いが四方からする。あと足音も」
さすがミルさんだ。
「それじゃあミルさんはマリアさんたちを起こしてきて。僕は1階にいる両親を起こしてくるから」
「わかった。任せて」
と他の部屋に突撃するミルさん。そんな勢いよく開けなくても。取り敢えず僕は1階に降りる。すると近くから剣戟の音が聞こえる。中に入ってきたか! 僕は、直様父上たちの部屋へと向かう。そしてドアを叩くと
「誰だ?」
と父の声がする。
「父上、エルです」
僕がそう言うとドアから父上が覗いてくる。そして僕だと確信するとようやくドアを開けてくれた。中には母上が座っている。
「エル、外の状況は分かっているか?」
「はい、人数は20人ほどで四方から入ってきています。すでに進入されているでしょう。父上は母上を助けてあげて下さい。僕が戦闘をしますから」
僕がそう言うと父上は頷いて母上を支えるように歩いてくれる。探知をすると3人とも降りて来てくれる。すると父上の部屋の窓が割れ、そして黒ずくめの奴らが入ってくる。
「見つけたぞ。クリウス・シュバルツとメアリー・シュバルツだな。お前たちを殺すよう命令が出ている。それに魔族。貴様もだ」
と剣を抜く男。周りの奴らも抜き出す。
「そんな事をさせるわけ無いだろ。人の親に剣を向けた事を後悔させてやる」
僕もレーヴァテインを抜き構える。燃やし尽くすよレーヴァテイン。
短いですが投稿します。
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