↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/54

退却

 僕は黒ずくめたちに向かって構える。熱探知によると、マリアさんたちは他の侍女たちに会ったようだ。そこに侵入者が向かっている。セバスは兵士と戦っているのか?


「考え事とは余裕だな魔族よ」


 僕が熱探知で確認しているとリーダーっぽい男がナイフを投げてくる。僕はレーヴァテインで弾く。そこに他の黒ずくめが突っ込んでくる。僕はレーヴァテインに魔力を通し、そして黒ずくめに向かって横薙ぎをする。

 黒ずくめは剣で防ごうとするが、僕は剣ごと斬り裂く。


「ちっ、魔剣か」


 そんな甘いものではないんだけどね。黒ずくめは剣で防げないとわかったため、突っ込んでくるような真似はしなくなった。


 しかし、こっちはそんなのを待っている暇はない。僕は一歩踏み出し移動する。この体になってからは、一歩でも10メートルほどの距離なら縮められる。そしてレーヴァテインを振り下ろす。


「え?」


 黒ずくめは斬られたこともわからないまま崩れ落ちる。残り3人。僕は駆け抜け、斬る。3人目は縦に斬り左右に分かれてしまった。4人目は魔法を撃とうとしたので、両手を斬り落として左下からの振り上げで斬り裂く。


 残るはリーダーっぽい男のみ。


「どうしたんだい? 僕たちを殺すんじゃなかったのかい?」


 と僕は鼻で笑う。


「……こうなったら道連れに」


「させるわけないだろ」


 僕は直様男の下に駆け寄り、首を斬り落とす。遅過ぎるね。


「……終わったのかレイ?」


「はい、みんな元へ向かいましょう」


 僕たちは部屋を出る。他の侵入者を殺さないと。僕は熱探知で現在の侵入者の場所を探し出す。マリアさんたちのところは……倒してるみたいだ。兵士たちのところは、これはセバスか? まだ戦っている。残るは3人ほどだ。残る5人は屋敷の外にいる。


「父上。2階にいるマリアさん達の元へ向かって下さい。そこは安全なので。僕はまだ戦っているところへ行きます」


 そして僕は光の道(テレポーション)を使う。熱探知により距離や場所がわかるようになったからより移動できる場所を正確に指定できるようになった。僕がセバスの元へ移動した時、セバスが黒ずくめに斬りかかられるところだった。


「セバス!」


 僕は直様駆け寄り黒ずくめの腕を斬り落とす。そして黒ずくめを蹴り飛ばす。黒ずくめは壁にめり込んだ。その音に他の2人も僕に気付いたのか、向かってくるが遅い。


「影の針(シャドウ・ニードル)」


 影魔法を床から出現させ串刺しにする。敵がいないのを確認すると、僕はセバスの元へ駆け寄る。……他の兵士たちは既に事切れているようだ。


 僕はセバスを抱え上げる。


「セバス、大丈夫かっ?」


 っ! セバスはうつ伏せに倒れていた為気付かなかったが、深く斬られている。


「……お、おお、これは、エル様。はぁ、はぁ、よくぞご無事で……ぐふっ」


「これ以上喋るな! 今すぐマリアさんのところへ!」


 僕が光の道(テレポーション)を使おうとしたらセバスに腕を掴まれる。


「セバス?」


「エル様。自分の体は自分がわかっております。もうダメな事くらい。げほっ! はぁ、はぁ、エル様、2年ぶりにお会いでき、このセバス感激致しました。2年前のまだ少年だったエル様が1人の男として帰ってきてくださいまして。その姿を見られただけで、もう思い残す事はございません」


「何を馬鹿のことを言っているんだ! ほら行くぞ、今すぐ治さないと!」


「エル様、これからのご活躍を天から見ておりますので……」


「セバス! セバスっ!」


 僕が何度声を掛けようともセバスは目を開ける事は無かった……。


「エル、大丈夫か!」


 そこに父上たちがやって来た。マリアさんたちもいる。みんなと合流出来たようだ。


「エル、セバスは……」


「……亡くなりました」


 僕はセバスを床に寝かせて立つ。そして光の道(テレポーション)を使い残りの奴らの元へ向かう。


「な! 貴様は!」


「うるさい」


 そして1番近くにいた奴から斬る。1人目は首が飛び、2人目は左上からの振り下ろしで斬り落とす。3人目はレーヴァテインを突き刺し燃やし、4人目は影魔法で串刺しにする。


「ひ、ひっ!」


 ん? こいつは女か? まあいい。元々最後の1人には色々と話してもらう為に確保するつもりだったし。


「君にはこの事件を企んだ人を話してもらう為に痛い目にあってもらうから覚悟しておいてね」


 僕は女の腹を殴り気絶させ、みんなの元へと戻る。


「エル、この人は?」


 マリアさんがさっき捕まえた人について聞いてくる。


「さっきの黒ずくめの仲間さ。尋問して主謀者を吐かせないと」


「そうね。それでこれからどうするの?」


 そうだ。これからどうしようか。まずは陛下に会うか。このことを話しておかないといけないし。そんなことを考えていると、熱探知に反応がある。誰だ? それから数秒後玄関のドアノックを叩く音が聞こえる。みんなで玄関へ向かい開けると


「シュバルツ公爵、みんな! 大丈夫ですか!」


 とカグヤとリュウジが切迫詰まった表情で入ってきた。何かあったのか?


「これはカグヤ殿。何かあったのですか?」


「それはこっちのセリフですよ。私たちが用があって向かっていると戦闘の音が聞こえたので、って無事なら良いのです。それより大変です! マコトが陛下の意思を無視して、魔族をかばっているシュバルツ家を討伐という名目で兵を率いてきます! 数は1000人ほどになります!」


 ……あの勇者め。いらないことをしやがって。


「早くここを離れなきゃいけねえ。アルやビルの家も討伐命令が出ていて、今他の奴らがこっちに連れてきているはずだ。マコトのやつ暴走しやがった」


 リュウジが苦々しそうに呟く。確かに熱反応を王宮の方へ伸ばすとかなりの数が集まっている。そして屋敷に向かってくる反応も。


「話し合おうとは思わないでください公爵。マコトは反対する者をみんな斬っています。さっきも反対したオーブル伯爵が斬られました」


「な! オーブル伯爵が! あれ程私たちを助けてくれた者が。いや私たちを助けたからこそか」


 父上が悔しそうに呟く。ちっ、兵士たちも王宮を出たみたいだ。王宮から歩きなら30分ほど。兵を率いるならもう少しかかるだろう。


「父上、マコトが兵を率いて王宮を出ました。逃げる準備をしてください。マリアさんたちも準備して」


 みんな部屋に戻り着替える。僕も鎧をつけてもう一度玄関へと集まる。


「どうするのエル?」


「このまま逃げても、向こうは馬を使っているだろう。王都の外へ出ればすぐに追いつかれる。こっちはみんなの分の馬は無いしね。だから僕が引き止める。その間に森へと逃げてほしい。ローナさんの話だと森にゲートを置いてくれているはずだ」


「……大丈夫なの?」


 マリアさんが心配そうに見てくる。ミルさんもクラリスさんも。僕はマリアさんを抱き寄せ


「えっ? っん!」


 キスをする。そしてミルさん、クラリスさんの順に抱き寄せてキス。ちょうどそこに


「シュバルツ公爵、エル! 大丈夫……って何してんだよ」


 とアルビルがやってくる。2人の家族も一緒だ。


「みんなを頼むよ、マリアさん、ミルさん、クラリスさん。すぐに戻るから」


 僕が笑顔で言うと顔を真っ赤にして頷いている。


「何拗ねてんだよ、カグヤ」


「うるさい、リュウジ! 別に拗ねてなんか無いわよ!」


 なんか騒いでいるけど気にしない。さああいつらを止めに行くか。


 ◇◇◇


「さあ、シュバルツ家に向けて進軍だ!」


 あの野郎。俺に恥をかかせたことを後悔させてやる!


「マコト。本当にやるの? 別にここまでしなくても」


「今さら何を言っているんだユフィー! あいつらは俺に恥をかかせたんだぞ! もしかしてお前、昔の男に再開したからそんなことを言うのか!」


「違うわよ! あなたの事が心配なだけよ!」


「ふん、どうだか」


「な、なによ。あなただって侍女たちに手を出しているくせに」


「なんだと!」


「……マコト様。シュバルツ家の屋敷が見えてきました」


 俺とユフィーが言い争っていると兵士が話しかけてくる。


「わかった。このまま進め。ユフィー、話は後だ」


 そしてそのまま進むと


「マコト様! シュバルツ家の前に何者かが立っています!」


 なんだ? みんなその方を見ると、突然火柱が俺たちを囲むように立ち上る。なんて魔力量だ! そして立っていたのは


「君たちをこの先には通さないよ。僕たちを狙った事を後悔させてやる」


 と燃え盛る剣を俺たちへと向ける魔族が立っていた。

評価等よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
雑魚1000人相手になぜ逃げてるのだろう?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。