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第7話 妖魔

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主人公が作り出した守護団や団長達には

LvがLv0~Lv100まで存在します

コンコン・・・軽いノックの後に声がする


「陛下・・私です、ラグルスです。少々お話を宜しいでしょうか?」


・・・ん?ラグルス?俺に何の用事だろう


『あぁ、いいぞ』


小さな俺の声を聞き逃す事無く、ラグルスは、執務室へと入ってくる

その動きには余分な動作など一つもなく美しい

いやいや、たかが入室だろうと思うだろうが

たかが、その程度の動作だからこそ此処まで精錬されているのは

凄いと感じてしまう、俺だったらたかが入室に此処まで気を付けないな


『で、一体話とは何だ?』


俺は椅子に腰掛けたまま入り口に立つラグルスを見据えていった。

ラグルスはそんな俺の目をじっと見詰め返してくる


「はい、陛下・・実は少々気になったことがありまして」


重々しく話し出すラグルスの言葉に

俺が握る自分の手にも自然と力が篭る


『何だ?言ってみよ』


やり辛い事この上ないけれど

成るべく偉そうな言葉遣いを心がける俺


「はい、実はふと気が付いたのですが

 どうやら私の“妖魔”の能力だけでなく

 普段のこの“人”としての姿をしている時の

 力などが格段に上がっているように感じるのです。」


ラグルスのその真面目な表情と言葉に

俺は思い出す・・“あぁ、そんな設定だったな”と

彼らが全員が“人”の姿であったため忘れていたのだが

元々、このゲームで制作出来るキャラクターは人間だけではない

RPGでよく言う魔物、この世界では“妖魔”と呼ばれる存在を作り出す事ができる


このラグルスは、普段は何とも爽やかな青年であるのだが

この“人”としての姿を解き“妖魔”の姿になると

“鬼人”と呼ばれる額に角を生やした鬼の姿へと変貌するのだ

実を言うと俺の国であるセルドリア王国には人間は存在していない

簡単に人間より妖魔の方がカッコ良くないかな?なんて理由で

このセルドリア王国は妖魔の王国と化してしまっていたのだ。


しかし、プレイヤー達が作る国の中では妖魔だけの国など差ほど珍しくない

俺よりもマニアックな国を挙げるならば

ネコの耳に尾を生やした猫人という妖魔のみを国民にしている“猫カフェ王国”

竜などの鱗が生えた爬虫類系の妖魔のみを国民とした“竜隣(りゅうりん)帝国”など

己の趣味のみに特化させた国などは無数に存在する。


だが、反対に人間のみで構成された国も存在する

しかし、人間のみで構成された国は容易な事では巨大な国になる事はできない

何故ならこのゲームでは戦争において活躍する国民や兵士たちの種族も

戦争の勝敗を大きく分けるきっかけとなるからだ


妖魔たちは、防御に優れるもの攻撃に優れるものと様々であり

多くの戦略を楽しむ幅が広がるものであった、だが反面

人間のみを国民にしたプレイヤーの国はそういかない

国民にする種族を選択する時に運営に先に知らされるのだが

“人間”この種族は、異常に弱い・・・そう弱いのだ

特に防御に秀でるわけではなく攻撃に秀でるわけでもない

また他の種族よりも体力が多い・・という訳でもない。


それならば“人間”という種族が他の種族に一体で勝るのか

それは、圧倒的な繁殖力である

俺が、少し前に言ったと思うが国民を数人増やすのに

俺の国の場合では一週間以上掛かる事も可笑しくはないとい言葉

しかし、“人間”のみの国の場合は十人増やすのにたった一日しか掛からない

これは、強い“妖魔”達に対抗する為に弱い“人間”という種族が

生存競争において生き残る為の手段である


これにより“人間”の国を治めるプレイヤーが戦争において

取る戦略はとても限られてしまうがとても効率的な方法が

“敵の軍を圧倒的な物量で押して押し通す事である”

勿論、より生き残って貰うために様々な戦略を考えなければならないが

攻撃も防御も体力も劣るならば此方はその大差ある数で戦うそれが

“人間”においてどの国よりも秀でる利点である。


・・・かなり話が反れてしまったが

俺は、考え事を止めて彼、目の前に居るラグルスを見た


『・・・ソレは、本当か?』


俺の一言に彼は頷いて自分の手のひらの中心を

複雑な思いがあるとでも言うように見つめた。


「はい、この件に関しては私の力だけでなく

 第2守護団の者達にも力の増加は確認できております」


・・・・これは、一体如何いうことだ?

俺の主要なキャラクター達はこのゲームで

LV1~Lv100まで成長する中でLv100まで

完璧に成長させていた筈だ、だからコレ以上能力は成長しない筈

守護団員ならまだしもラグルスの能力上昇は在り得ない


此処で会話と思考は一旦中断させられる

何故ならリヴァンがソコまで考えたところで

先ほど呼んだケオルガが扉を突き破って飛び込んで来たからであった。


また、彼はすでに認めつつあった

このLv100であるラグルスの普通はもう成長する筈がない

能力の上昇があることが、すでにゲームの設定から外れていること

今までの不可思議なゲームでは起きる筈がない現象から

この世界がゲームなどでは決してない事を

しかし、彼はやはり完璧に認める事など出来なかった

彼の中の何処かで認めてはいけないと恐怖心が叫んでいたから


だが、この瞬間の彼はまだ知らない

既に彼の国には、不穏な影が近づいている事を・・・




“微妙にいらない補足”

今回の話では妖魔の事が出てきました

主人公が作り出すキャラクターには

人間と妖魔の二択を選択して作り出すことが出来ますが

主人公のキャラクターが何故、妖魔でありながら

人間の姿をとっているかと言うと主人公からしたら

ただ人間の姿の方が落ち着く程度の思いなのですが

妖魔たち側には、大きな誤解を生んでいるため後に出てきます。

また、今回は人間の国の説明を多く入れたのは

後の物語にこの説明がどうしても入れなければならなかったので

今の内にいれておきました

また何時か人間の国の王をしているプレイヤーの話を

番外編でやってみたい・・・・・という希望ですw

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