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八年後 12

「よし、俺は今、決意した。今ここに、『国語クラブ・Version 2.0 PWFM』の設立を宣言するっ!…俺は小学校を卒業したあともずっと、『国語クラブは消滅してなんかいない。俺達四人は、ずっと国語クラブの仲間だ』と思い続けてきた。そして今日、双葉と久しぶりに会って、話して、それが正しかったことを確信した。ずっと存続していたならあらためて設立する必要は無いわけだが、気合を入れ直す意味で、あと…単純に『宣言したら、格好良さそう』という理由で、宣言するっ!」

 鶴川の突然の設立宣言に、阿川と双葉は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。

「『格好良さそう』って…あまりにも、正直過ぎる宣言理由ですわ…」

「その前にまず訊きたいんだけど、PWFMって何?ラジオ局か、プロレスの団体?」

 阿川が怪訝な顔をして訊いた。

「『People Waiting For Miki』の略だ!『未希を待つ人々』ってこと」

「……。Version 2.0もそうだけど、清々(すがすが)しいまでの中二病だね」

「何とでも言いなさいっ!俺は『未希がいつでも安心して帰ってこられる場所』を作りたい。それが、『国語クラブ Version 2.0 PWFM』なのだっ!」

 阿川と双葉は、鶴川の相変わらずの一直線バカっぷりに大笑いしていた。

「オーッホッホッホッ!鶴川部長、あなたって人は本当に、相変わらずとってもお馬鹿さんで…最高ですわッ!センスの欠片(かけら)も無いような酷いネーミングではございますけれども、工藤さんがいつでも帰ってこられる場所を作っておくという考え自体には、おおいに賛同致しますわっ!オーッホッホッ!」

 双葉は笑顔で賛同の意向を表明した。

「ボクも全く異存は無いよ。今のボクらはあの頃よりも少しだけ大人になったけど、本当に大切な部分は何も変わっていないよね」

 阿川の言葉に鶴川は頷き、

「その通り!あとね、俺ちょっと今、迷っていることがあって。冬真と双葉の意見を聞きたいんだ」

 鶴川の正面に座っていた阿川は横にいる双葉とともに、強い興味を示した。「え、何?」「わたくし、大変気になりますわッ!一体、何なのです?」

「俺この前、大学生の飲み会に参加したんだけど、その中に高山隼人っていう男がいてね。トム・クランシーのファンだって言ってたから、きっと本は好きだと思うんだ。礼儀正しくていい奴そうだし、友達が少ないって寂しそうに言ってたから、彼も国語クラブ Version 2.0 PWFMに誘ってみようかなって思ったんだ」

「…そ、その名称、やっぱり変えるべきだと…わたくし思いますわッ。あまりにも長くて、これから先、わたくしもいちいちその名称を言わなければならないのかと思うと、とても気が滅入ってしまいますわ…!」

 双葉は眉間に皺を寄せて言った。阿川は、

「いや、ボクらは普通に『国語クラブ』って呼べばいいんじゃないの?」と言って笑った。

「それはどっちでもいいよ。それより高山君を勧誘すべきかどうか、どう思う?工藤さんが戻ってきたときに『国語クラブ』に知らない人がいて、俺達と仲良くなっていたら、寂しく感じるかな?工藤さんが少しでも寂しく感じるなら、このプランは誰が何と言おうと、叩き潰して白紙にしますっ!!工藤さんの幸せが何よりも大事だもんっ!」

 鶴川のあまりにも『工藤さん至上主義』過ぎる発言に、阿川と双葉は『た、叩き潰すって…そもそもアンタが言い出したプランでしょーが』と呆れつつ、未希が寂しく感じるかどうか真剣な表情で考え始めた。

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