抽選会!
律己館の鷲山君と話したあと、俺は会場に来ている参加校の中に、女子だけの学校があることに気づいた。
「あの学校、女子校みたいだね?なんていう学校だろ?」
俺がそう言うと、冬真が「あの制服は、確か紫電学院小学校だよ。日本にある私立小学校の中で偏差値65以上の学校は八校しか無いんだけど、その中のひとつだね。女子校なんだよ」と教えてくれた。おいおい、ちょっと待てよ。早稲山実業初等部も参加するって言うし、とんでもない猛者の集まりじゃんか!この大会!俺がそんなことを思っていると、今度はその紫電学院小学校の女の子の中の一人がこっちに向かって歩いてきた。
「はじめまして!紫電学院小学校の秋山日菜子です!今日はフェアプレーで戦いたいと思っています。よろしくお願いします!」
秋山日菜子は、そう言って手を差し出してきた。見た目は眼鏡をかけていて物静かな優等生タイプに見えるが、声を出すと意外とハキハキしていて元気な感じだ。俺はさっきと同じように挨拶をして、握手した。
他にも色々な小学校の生徒が来ていたが、全ての学校と挨拶を交わす時間的余裕は無く、すぐに第一試合の組み合わせ抽選会が始まった。
参加校が十二校で、ひとつの学校が二組のペアを出場させる形なので、第一試合は二十四のペアが参加し、十二試合行われる。同じ学校同士が当たらないように、AブロックとBブロックに分けられる。なので、抽選のために用意された二十四枚の紙には、学校名だけでなくペアとなる二人の氏名も記載されていた。それらはAブロック用の赤い紙のものと、Bブロック用の青い紙のものがあり、未希と双葉の名前は赤い紙に、俺と冬真の名前は青い紙に書かれていた。つまり俺はBブロックで戦うことになり、未希と双葉のペアと戦う可能性があるのは、どちらも決勝まで進んだ場合だけだ。
赤い紙と青い紙は、それそれ別の箱に入れられ、各校の国語の先生が一枚ずつ引いて、ホワイトボードに書かれたトーナメント表の下に、右から順に貼り付けられていった。
まずAブロックの抽選が始まった。最初に貼られたのは、紫電学院の紙だった。次に引かれた学校は、紫電学院と対戦することになる。俺は「未希・双葉ペアの紙が引かれませんように…!」と心の中で祈った。引かれたのは、他の小学校の紙だった。未希・双葉ペアの紙は五番目に引かれ、六番目に引かれた求是学舎初等部と対戦することに決まった。冬真によると、偏差値はうちの小学校と同じくらいだが、油断できない相手だという。
抽選会は進み、Bブロックの抽選に入った。俺と冬真の名前が書かれた紙は二番目に引かれ、最初に引かれた早稲山実業初等部と対戦することになった。
「うわ…いきなり早稲山かよ…嘘だろ…!」
俺が絶望的な顔でそう言うと、冬真が「部長、負けると思って戦ったら負けるよ。気持ちが大事だよ」と真剣な表情でたしなめてくれた。俺は「確かにその通りだ。すまん!必ず勝とうな!」と謝った。




