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姫君の物語 1

 フタバテリーナとアリエンデースの勇者たち

                  くどう みき

 

 アリエンデース王国は白壁と赤褐色の屋根から成る美しい家々が石畳の道の左右に並ぶ、平和な国だった。しかし、かき氷の上にたこ焼きを乗せた罪で国外追放処分となったコヤマカロン家の娘フタバテリーナが、氷をつかさどる神、ヒエグラヒエキエスから特別な力を与えられ復讐のために戻ってきたとき、その平和な王国は恐怖に包まれた。

「かき氷の上にたこ焼き乗せるくらい、別にいいじゃん!私、怒ったからねっ!」

 そのとき、フタバテリーナの双子の妹、フタバーニャが家から出て来て叫んだ。

「やめて!お姉様!国王は反省しているのよ!『国外追放処分は、確かにちょっとやり過ぎだった。ごめんね』って、さっき言ってたわよ!」

「何よ!その軽い反省の言葉は!許さない!絶対に許さない!」

 フタバテリーナは両腕を空に向けて真っすぐ伸ばし、叫んだ。

「氷の風よ、吹け!この王国の全てを凍らせてしまえ!」

 次の瞬間、真っ白い吹雪が王国を覆い、夜の水星のような極寒の世界に変えてしまった。

更にフタバテリーナは永久凍土の中から伝説の怪物、トウマンモスを復活させた。

「トウマンモスよ!進め!建ち並ぶ家々をなぎ倒しながら進むのだ!」

 フタバテリーナは命じたが、トウマンモスは長い間、永久凍土に閉じ込められていたせいで、足腰が極度になまっており、フラフラして進めない。

「フタバテリーナ様、ちょっと無理だマンモス。かなり足腰なまってるマンモス」

「…あなた、しゃべるとき語尾にマンモス付けるキャラだったの?トウマンモス」

「そうでマンモス」

「…もういい!私が自ら、この王国を破壊する!」

 トウマンモスが役に立ちそうにないので、フタバテリーナは自らの力で全て破壊することにした。

「ああ…もう、ダメ。この王国はもう、終わりだわ」

 悲嘆に暮れるフタバーニャ。

「待て!諦めるのは、まだ早い!」

 目の前に現れたのは伝説の勇者、マサキトゥスの血を引く剣士、マサキリウスだった。

「俺があんな奴、ぶっ倒してやる!」

 勇ましく宣言したマサキリウスだったが、彼の横で腕を組み不敵な笑みを浮かべていた女剣士、ミキテリーナは「まあ、そう焦るなよ。マサキリウス」と静かに言った。

「フタバテリーナは怒りで我を忘れていたところにヒエグラヒエキエスに洗脳されて、おかしくなっているだけだ。本当はいい奴なんだから、倒したりしたら可哀想だよ。本当はたこ焼きが大好きな、気のいいお姉さんだよ。倒すべきはヒエグラヒエキエスだ」

 ミキテリーナがそう言うと、近くに寄ってきたトウマンモスも同意した。

「おいらも、そう思うでマンモス。フタバテリーナさんは、おいらを永久凍土から救い出してくれた恩人なんだマンモス。洗脳を解いて、助けてあげたいマンモス」

「…お前、なかなかいい奴じゃねえか。よし、仕方ねえ、やってやろうぜ、ミキテリーナ」

 マサキリウスはニヤリと笑って言った。

「望むところだ!ヒエグラだかヒエピタだか知らねえが、このミキテリーナ様が一撃で倒してやるぜ」

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