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姫君の構想 3

 未希のあまりの可愛さに卒倒しそうになったが、俺はギリギリのところでなんとか意識を保つことが出来た。そして、未希の前後の席の生徒が着席したまま休み時間を過ごしているのを確認した。二人で座って話したいと思った俺は、「ラウンジ行こうか?」と提案した。未希は「うん!」と元気よく答えた。はぁ〜…ただ返事しただけなのに、めちゃくちゃ可愛い…。

 ラウンジも満席で座れないということはしばしばあるが、その日は空いていて、俺達は座ることが出来た。

「研究発表の準備はどう?順調に進んでる?」

 俺は横に座った未希ではなく、正面の離れたところにある掲示板を見ながら言った。未希との距離はかなり近い。ちょっと心の準備をしてからじゃないと、可愛過ぎて、眩し過ぎて、直視出来ない。

「うん!あのね、キャラクター設定だけを発表するんじゃなくて、短めのお話を書いて、みんなに読んでもらおうかなって考えてるんだけど、どうかな?」

「もちろん、めちゃくちゃいいと思うよ!キャラクター設定の説明を聞いたら、みんな話も読みたくなるだろうし」

「良かった!王国の名前をアリエンデールとアリエンデースのどっちにするか悩んでて、昨日もなかなか寝付けなかったの」

「え?そ、そこ?」

「大事なポイントだよ?アリエンデールだと、少ししか変えてないから、ディズニーから訴えられる可能性があるもん。でもアリエンデースだと、二箇所変えてるから、訴訟リスクは下がるよ」

「…その訴訟自体が、あり得んデースだよ」

「キャハハハ!鶴川君、上手い!…あと、トウマンモス君が私達と闘うときの台詞を考えたの」

「おおっ!何、何?」

「私の戦闘力は五十三万です」

「…えっと、ひとつ訊いていいかな?工藤さんて、パクリ専門なの?」

「キャハハハ!冗談だよ、冗談!やだなあ〜、鶴川君。本気にしちゃダメだよ!」

「…はい…。フタバテリーナにも何か、名ゼリフみたいなやつ、欲しいよね」

「そうだなぁ…。こんなのどう?『わたくしは、氷を自在に操れる!オーッホッホッ!かき氷だって作れるし、コーラを冷たくすることも出来るのです!キャンプに行くときにも便利なのですわッ!』」

「…それ、別に氷の女王じゃなくても出来るし、生活感強すぎるよ…。テレビの通販番組かと思った」

「…今なら、コーラのペットボトルが十本入るクーラーボックスもお付けします!このセットでなんと!一万九千八百円!」

「…工藤さん、もしかして双葉から悪い影響受けてない?」

「キャハハハハ!キャラが被ってきてるかな?大丈夫だよ〜、私は私だもん!」

 俺は楽しそうに笑う未希の顔を眺めながら、この笑顔を守りたい、守り続けたいと心から思った。

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