自己紹介!2
「次はわたくしが自己紹介をさせて頂きますわッ!!わたくしは六年五組の小山双葉ですわよッ!!アイ・ラヴ・タコヤキ!!オーッホッホッ!!!わたくしの愛する作品を挙げるとしたら…まずは七海まち先生の『サキヨミ!』ですわ!特殊な能力を持った女の子が主人公の、素晴らしい作品ですわよ!他には…」
双葉が他の作品を挙げようとしたとき、未希が発言した。
「あっ、『サキヨミ!』は私も読みました!瀧島君、格好いいですよね!」
双葉は一瞬、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたが、すぐに我に返り、こう返答した。
「そう!!そうなのですわよッ!!!瀧島君こそ、わたくしの理想の男性と言っても過言ではないのですわッッ!!!『一緒にたこ焼きを食べたい男子』、『一緒にたこ焼き専用ホットプレートを選びに家電販売店に行きたい男子』、『一緒にたこ焼きの中に入って焼かれたい男子』…全てにおいて、ナンバーワンなのですわッ!!!オーッホッホッ!!!」
「えー、次はボクでいいかな?ボクは六年三組の阿川冬真。たこ焼きは特に好きじゃないかな。アハハ。お父さんは大学の文学部で教授をやっているんだ。英米文学科で、専門は『クリスマス・キャロル』で有名なディケンズだよ…ムフフ。ボクも『世界一クラブ』や『サキヨミ!』、宗田理先生の『ぼくら』シリーズなんかは大好きだよ。もちろんパパが研究しているディケンズも好きだし、読書の幅が広いんだ。日本人の作家なら、やっぱり夏目漱石かな。彼は日本の文明開化は外発的に引き起こされたものだと考えていてね…」
冬真がそこまで語ったところで、俺は「はいっ!!ストップ!!ストーップ!!!」と言って制止した。たこ焼きのゴリ押しに続いてこいつの小難しい演説を聞かせたら、せっかく入ってくれた貴重な新入部員が、逃げ出してしまう。
「えー、みんな自己紹介、ありがとう。今日から我が『国語クラブ』の部員は、四人になった。どっちにしろ六年生しかいないわけだから、俺達が卒業したら消滅してしまうと思うけど、それまでこの四人で、毎日楽しく活動して、最高の思い出を作ろうな!工藤さん、このクラブに入ってくれて、本当にありがとう。何か困ったことがあったら、遠慮なく俺に相談してね。この二人も、はっきり言って変人だけど根はいい奴らだから、俺と同じように親切にしてくれるはずだよ。な、そうだろ?冬真、双葉」
俺がそう言うと、冬真は「それは当然さ。ボク達は仲間なんだからね」と、少し格好つけて答えた。双葉は「オーッホッホッ!!当然過ぎることでございますわッッ!!!わたくし達は、家族のようなものでございますわよッッ!!!」と、自分より背が低い未希をぎゅっと抱きしめて言った。未希は少し戸惑っているような、でも嬉しそうな…そんな顔をしていた。




