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姫君の構想 2

「冬真はトウマンモスでもトウマカロンでも、何でもいいよ!何なら、苗字の方から取ってアガワンコソバ、アガワシントンDCでもいい!それより、敵の方も、どんな敵なのか考えないとね」

「何でもいいって…鶴川君、阿川君の扱いが雑過ぎ…。敵かぁ…敵って、すごく大事だよね」

「もちろんだよ。名作って、敵がめちゃくちゃ魅力的だからね。漫画の話になるけどドラゴンボールのフリーザとか、セーラームーンのネヘレニアとか。あ、そういえば冬真って、しゃべり方がめちゃくちゃフリーザっぽいよな。アハハハ!セーラームーンとかプリキュアは小説版もあるよね」

「敵だったのに途中から味方になるキャラとか、敵なのに実は優しいキャラっているよね」

「いる!それが一番泣けるんだよ。セーラームーンのネフライトとか、プリキュアのキリヤとかね。この二人は敵なのに、主人公側の登場人物に恋をしてしまう。そして、悲しくも美しい悲劇が生まれるんだ。途中から仲間になるキャラは俺、大好き。特に好きなのがドラゴンボールのベジータとイナズマイレブンの鬼道有人。この二人は本当に好き。ちょっと似てるんだよ。プライドがめちゃくちゃ高くて、自分にめちゃくちゃ厳しい。そして悲しい過去を背負っている」

「なるほど…じゃあ、阿川君も最初は敵っていう設定にしちゃおうか?」

「アハハ!それ、いいね!ピッコロ大魔王みたいに、封印されてたことにしようよ、永久凍土に!」

「凍土ってことは、封印したのは氷の女王だね。エルサみたいな」

「間違いないね!」

「その女王、フタバーニャと生き別れた双子の姉、フタバテリーナってことにしよう」

「…なんかアナ雪みたいになってきたけど、大丈夫?それ、ディズニーに訴えられたりしない?」

「大丈夫!だってアナとエルサは双子じゃないし、生き別れじゃないもん。エルサはアナを傷つけるのが怖くて部屋にこもってただけだよ」

「…はい…。」

「でね、フタバテリーナはかつて、アリエンデール王国の女王だったんだけど、かき氷の上にたこ焼きを乗せてしまったせいで裁判にかけられ、王国から永久追放されてしまうの。『とんでもない食べ物を発明するな!』って怒られて」

「ギャハハハ!めちゃくちゃ双葉っぽい!いいね、それ!」

「それで、怒ったフタバテリーナは、氷を自在に操れる能力を使って、永久凍土の中から伝説の魔物、トウマンモスを復活させて、王国に戦いを挑むの!」

「…工藤さん…天才!で、トウマンモスは強いの?」

「ううん。強くないの。ずっと氷の中にいたから、かなり足腰なまってる」

「アハハハ!まず、マッサージのお店に行かないとダメだな、それは!あいつのことだから、フラフラしながら『人間は考える葦ではなく、なまっている足腰です』とか言いそう」

「決して強くはないんだけど、フタバテリーナの気持ちを理解して、彼女のために必死に戦う素敵なキャラにしたいな。トウマンモス君」

「倒したら可哀想だな、トウマンモス。途中で味方になることにしようよ」

「うん。フタバテリーナとも和解して、最後はみんなで仲良くたこ焼きパーティー」

「何その、ほのぼのした話!」

 未希はその日のお昼休みにも一組に来てくれて、研究発表の構想は順調に固まっていった。

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