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ラクラミキオアラと物語の宝石箱 41 意外と責任感が強い3世

「…で、これからどうする?カルキノスにも会えたし、みんなでいっしょに、どこか遊びに行きたいよね」

 ラクラミキオアラはそう言って、みんなの顔を見回しました。

「かかしさん達は、この道をさらに西に進んで散策してたんですよね?何か、良い発見はあったんですか?」

 ペイズリー3世がきくと、かかしは首を横に振りました。

「ぼくたちが歩いた範囲では、特になかったよ。でも、ずっと遠くまで歩いていくと、"ウシャ・マーレの泉"という、オグリンダの泉とは比較にならないくらい、巨大な泉があるらしいんだ。女王さまがそう、おっしゃっていた。"湧き水で出来た池だから泉って呼んでいるけど、巨大な湖くらいの大きさなのよ"って」

「行ってみたいけど、ずっと遠くなのかぁ…。ちゃんとお城に戻れるか心配だし、わたしたちの体力がもつかどうかも心配だよね。ライオンさんにずっと乗せてもらうわけにもいかないし」

 ドイナが困った顔でそう言うと、ライオンは、

「おれは百獣の王だよ!?全然、大丈夫だよ!ほら!」

 と言って、ラクラミキオアラとドイナを乗せたまま、いきなり、すごい速さで走り出しました。ラクラミキオアラはライオンの首にしがみつき、ドイナはラクラミキオアラにしがみつきました。

「きゃ〜〜〜!!落ちるぅ〜!ラクラミキオアラ、ライオンさんにちゃんと、しがみついててよ〜!」

「キャハハ!りょうか〜い!」

 二人を乗せたライオンが戻ってきたとき、ペイズリー3世は、

「ライオンさん、空を飛んでみたいと思ったことはありますか?」

 と、ライオンにききました。ライオンはきょとんとした顔をして、

「えっ!?いや…考えてみたこともないけど…。飛べるわけないし…」

 と答えました。ペイズリー3世はにやりと笑って、

「ラクラミキオアラ、ドイナ。もうちょっと、前の方に座って。ライオンさんの首に近いあたりに。ライオンさん、ちょっとだけ我慢して下さいね。すぐ、楽になりますから」

 と言いました。

「ペイズリー!あなた、ライオンさんを殺すつもり!?"楽にする"って…!」

 ラクラミキオアラがそう言うと、

「そんなわけないでしょ!!!」

 と3世は突っ込みを入れました。そして、人差し指と中指の指先を揃えてこめかみに当て、目を閉じ、魔法をかけるための精神の集中を始めました。三十秒ほど経ったときペイズリー3世は、

「フィー・ウン・レウ・イナリパート!!」

 と言って、指先をひょいと、ライオンに向けました。ライオンはまばゆい光につつまれ、見えなくなりました。徐々に光が弱まっていき、光が完全に消えたとき、みんなは一斉に、

「わ〜〜!!!」

 と、驚きの声をあげました。

 ライオンの身体は三倍くらいの大きさになって、巨大な翼が生えていたのです。身体が大きくなったことに加え、翼は胴体の真ん中あたりから生えていたので、ラクラミキオアラとドイナは、身体の前の方に楽々、またがることが出来ていました。首も太くなったのでしがみつきにくくなりましたが、ペイズリーが、

「絶対落ちないように魔法をかけたから、軽くつかまっているだけで大丈夫だよ」

 と言って二人を安心させました。二人はライオンの背中ではしゃいでいましたが、3世はまだ、いまいち納得していない様子でした。(あご)に指を当てて、黙ったまま何かを考え始めました。しばらくすると、3世の頭の中に、良い案が浮かびました。

「ライオンさんを大きくするだけじゃなくて、きみたち二人を思い切り小さくしよう。親指くらいの大きさに!」

 と言いました。「え〜っ!!」と声をあげて驚く二人に3世は、

「ドロシーさんたちも全員小さくして、みんなでライオンさんの背中に乗って飛ぶんだよ。それが一番楽しいと思うよ。絶対落ちないようにライオンさんの背中に魔法をかけるから、大丈夫!」

 と言いました。それから3世はみんなを乗せるために一度ライオンを元の大きさに戻し、自分以外の全員を親指くらいの大きさにしました。そして左右の手のひらをくっつけて皿のようにして全員を乗せ、そのまま慎重にライオンの背中まで両手を移動させました。そして全員が乗り移ったのを確認したところで、再び3世はライオンを三倍の大きさにしました。みんなが走り回れるくらい、ライオンの背中が広くなりました。

「ペイズリー!!あなたは、どうするの?あなたも小さくなるの〜!?」

 ライオンの背中の上から、小さくなったラクラミキオアラが叫びました。

「いや、おれはこのまま、懐中時計を大きくして、それに乗って飛ぶよ!」

「え〜!?なんで?いっしょにライオンさんに乗ろうよ〜!」

「おれは魔法使いとしてみんなを守って、みんなを無事、家に帰す責任があるからね。じいちゃんとも、そう約束したし。だからライオンさんの後ろからついていく形で飛んで、万が一危険なことが起きたら、おれが魔法で助けるよ」

 3世の言葉をきいたラクラミキオアラは、驚いた顔で「ちょっと〜!!ペイズリー!!」と言いました。

「な、なんだよ!?」

「かっこいいじゃん!!!」

 ラクラミキオアラに褒められた3世は顔を赤くして、こう答えました。

「だっ、だからおれは最初から、かっこいいんだって!!」

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