↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/39

小鳥遊幽玄

短いですが21話です。

今日もブックマークが増えていました!( ´艸`)

感謝感激!

21話 - 小鳥遊幽玄


小鳥遊幽玄という男がいる。

俺のじーちゃんだ。


小鳥遊流刀術という刀に特化した流派を30くらいのときに立ち上げ、以後、70になる今まで親父を育てながら刀の技術を鍛えていた。


日本(あっち)でも居合いの達人とか半人間国宝的な扱いをされているが、異世界(こっち)でも実は有名だった。


リタちゃんと食事がてら、じーちゃんについての情報を仕入れてみると、じーちゃんもこの町を拠点にしてたようだ。


曰く。Sランク最短到達者

曰く。Sランク最高年齢冒険者

曰く。刀神

曰く。竜神殺し

曰く。貴族の天敵

曰く。素敵なおじいさま


最後のはまぁごく一部の奥様からの感想だがじーちゃんの事を知らない人はほとんどいなかった。

ここ10年は見ないというのもみんな言っていた。


5年前からは俺と瞬がじーちゃん家で季節ごとに稽古を受けていたからこっちに来てないのは知ってる。

15年くらい前に2~3年ほど修行に出るといって家をあけていた時実はこっちに来ていたのかね。


2~3年の間に、急に現れ、Sランクを取り、あっという間に消えた。

当時、ギルドでは大騒ぎだったようだ。


魔王が光臨して、負けた。とか竜神を倒された腹いせに竜族の仕返しをうけた。とか。

そりゃSランクにもなった人が急に音沙汰なくなったら混乱もするだろうよ。


ちなみにこの世界、魔王はいたけど、とっくに成敗されていて、『魔族』といわれる種族とも和解し、関係は良好だそうだ。

さすがに魔王と戦ったのはじーちゃんではないという話だけど、きっとじーちゃんなら楽々狩って来るんだろうな。


こっちの世界で刀を普及させようとしたみたいなんだけど、やはり『斬る』といった行為がこっちでは受け入れられないみたいで、全然普及しなかったらしい。



それで、じーちゃんとガンドルフさんとの『約束』の件だけど、どうやらじーちゃん、こっちからの去り際に、「弟子も来るからそのときはよろしくな」と言ってたらしい。

じーちゃんから刀を一本貰い、研ぎ方や分解の仕方、刀の特性や扱い方を習ったらしい。

この辺の話はガンドルフさんがリタちゃんに酔うたびに話をしていたそうで、よく覚えているそうだ。


しっかし。


『弟子も来るから』っていうのを10年前に予言してるとかどういうことなのよ、じーちゃん。

帰ったら小一時間問い詰めないとダメかな。


----


という話を宿屋に帰ってきた瞬に伝える。

返ってきた言葉は「リア充もげろ」とか言った言葉だが、別にリタちゃんとはやましいことはなにもしてないぞ?

体重をあと10kg増やさないとストライクゾーンには入らない。

一緒にいった食事では「もうおなかいっぱい」と言っていたが、そこからが俺の食育。

おなかいっぱいになってからがスタート地点です。

リタちゃんは涙目になりながら追加された品を食べていたが諦めてもらおう。


世の中がぽっちゃり女性ばっかりになればいいのに。


っと、話がそれた。


瞬もじーちゃんの事についてはもうあきらめているらしく、いまさらなにが発覚しようとも驚かない事を徹している。


だがこれは驚かざるを得まい。


じーちゃんにはこっちにも嫁がいるということを。

向こうでは俺が生まれる前にばーちゃんは病気で死んだということは聞いている。


こっちに来て1年程度の時期に、助けた馬車に乗っていた地方領主を助けたら、領主に惚れられて半ば強引に娘さんと結婚させられたらしい。

その娘さんというのも世間的どころか日本でも嫁き遅れといわれる40代。じーさんも当時60手前だから、ちょっとの年の差婚という奴だね。おかしくはないのかな。


この話を聞いた時は正直驚いた。

瞬に伝えても驚いていたが、「恋愛は個人の自由だし」ということで気にしないことにしたようだ。


俺からしたら二人目のばあちゃんになるのか。

近いうちに会いに行くのもありかな。

アルファミラの街から、ばーちゃんが領主をしているダンゴールという街まで馬車で5日程度かかるらしいから出るならすぐ出ないといけないんだが、どうしたもんか。


瞬に一緒に行くか?と聞くともちろんと返事が返ってくる。

こういうところは決断が早くて好印象だよな。


こっちに来てから今日で約一週間。

あと2週間ちょっと。

ばーちゃんに会いに行った後は魔王城とか見に行ってみたいよな。

他にもいろいろあるけど時間が足りないな。


とりあえず明日、ダンゴールの街に向かう馬車があるかどうかを調べようかね。



----


「ユーゲンか。。。」

酒場で蒸留酒を口に含み、味を確認した後、一気に喉に流し込む。

水の安らぎ亭の主人、名前をジグルドという。

つまみのカイの姿焼きをつまみながら昔、一緒にパーティを組んでいたじーさんの事を思い出す。


昼間にユーゲンの事を聞いて回っている奴がいて、ふと思い出した。

あの坊主はたしかうちに泊まりに来てるやつだよな。

そうそう。ボナンとやりあったとかいう初心者(ノービス)だったはずだ。

最近は坊主どもはバタバタしてて飯を食ったらすぐに宿を出て行っちまうが、冒険者として精力的に動き回っているんだろう。いいことだ。


なんであいつがユーゲンの事を聞きまわっているのかまでは知らないが、まぁなんかがあるんだろう。

ユーゲンが使っていたのと同じような武器を持ってたしな。


思い起こせばじーさんがいなくなってからもう10年か。

最後のパーティでの依頼はクラーケン討伐だったっけか。

いや、違うな。オークキング討伐だ。


あのじーさんがパーティに入ってからというもの、依頼の難易度が跳ね上がった。

最初はふらっとギルドに来て簡単な討伐依頼をしていたはずだった。

それがいつの間にか、ゴブリンの巣の駆除、飛竜(ワイバーン)の群れの駆除、海底神殿の調査などと高ランクが必要なクエストをするようになっていた。

俺が知っているだけでそれだけやっているんだ。指名依頼とかはもっと高難易度のものもあっただろう。


貴族は嫌いみたいで態度がおざなりだったりしたせいで問題を起こしたこともあったが、ほとんどの依頼は涼しげな顔をして、その時点での最高の結果を出し、依頼を完了させる。

後にも先にもあんな化け物みたいなじーさんはいなかった。


10年前、突然パーティを抜けると言い出したじーさんはもううちのパーティの主力だった。

じーさんのおかげでランクもAに上がり、依頼報酬なんかでだいぶいい目を見させてもらった。

だからこそ。

じーさんがいなくなった後のパーティ依頼が俺達だけではクリアできないこともわかっていた。

だからこそ。

俺達はパーティを解散して、稼いだ金で別の仕事をし始めたんだ。

主力だった俺達のうち、俺は宿屋。斥侯だったトランは装備職人、水魔術師だったサラは医療院へ。

それぞれ冒険者をサポートする職についた。

ボナンみたいに冒険者を続けている奴も当然のことながらまだいる。


じーさんはその後どこかの地方へ移動して、領主の娘と結婚したとは風の噂で聞いた。

貴族が嫌いな嫌いなじーさんが珍しいことだ。とか笑いながら酒の肴にしたっけな。


だがその直後からパタッとじーさんの噂は聞かなくなった。


冒険者をやっていた俺達は察して、逝ったか。と一時期は思っていた。

だが、あのじーさんを倒せる存在というものがすぐに頭には出てこなかった。


じーさんがダンゴールの街にいたというのがわかった直後、俺達はその領主のところにすぐに行ったが、やはり急に行方不明になったということだけがわかった。


今なら思う。

あのじーさんは簡単にはくたばらないな。

いまでもどこかであのカタナとかいう武器を振るってるんだろう。


そんでいつかフラっと街に寄って「元気か?」とか涼しい顔で言いいやがるんだろうな。


あぁ憎たらしい。


ということでじーさん回でした。


もう人物の名前考えるのが苦痛です(;´Д`)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。