↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/39

お約束的展開

15話書き上がりました。

どうぞー

15話 - お約束的展開(テンプレ)


南西の門に向かっていく神威の背中を見て、僕は混んでいる大通りを抜けて北東側にある門へ向かう。

門のところには街に入る際に話をしたあのヒゲの兵士がいた。


「こんにちわ。」

「おう。嬢ちゃんか。今日は彼氏は一緒じゃねぇのか?」

「彼氏じゃねぇよ。。。今は別行動中なんです」

「なんだ、違うのか。で、今日はどうした?外に出るのか?」

「はい。ゴブリンの依頼受けたので見てこようかとー。何か情報ってあります?」

「ほう。ギルド登録したんだな。ゴブリンか。この門から北東に伸びている街道が王都につながっているんだがな?その途中、街道が森沿いになっているところがある。そこが一番襲撃された回数が多い所だな。」

「森ですか。。。ってことは森の中域もしくは浅域に巣があるのかなぁ」

「狙われるのは大体商人が引いてる馬車だな。人間だけだったり冒険者がある程度以上いたりするとまったく近寄ってこない。」

「え、ということは襲われているのは護衛をつれていない商人ってことですか。それは自業自得のような。」

「そうだな。まぁ商人の中には護衛を雇う金をケチってでも儲けを出そうとする奴がいるんだよ。それで襲撃されて荷物根こそぎ持っていかれても意味ないとおもうんだがなぁ」

「同感です」

「現れるときは最低30匹だっていうから行くんなら気をつけるんだな。まぁお嬢ちゃんには余計なお世話かもしれんがな」


といってガハハと笑うヒゲ兵士。


それにしても森か。

北東の森って僕らがついたところだよね。

ここに着くまでゴブリンなんか見なかったんだけどなぁ。

まぁとりあえずは調べるのが依頼だから行くだけ行ってみますかね。


「兵士さん、とりあえず行ってみてきますよ」

「おう、そうか。気をつけてな。出る前にギルドカード確認するぞ」

「はいー」


そういってギルドカードをヒゲの兵士に手渡す。

兵士(ヒゲ)はギルドカードに書いてあるランクを見て、再度僕を見て、またカードに目を落とす。


「おまえさん、Cランクだったのか。」

「あー、いや。暫定的に。らしいですよ」

「なんだその暫定ってのは。。。まぁいい。Cランクなら問題ないだろう。」


そういって兵士(ヒゲ)はギルドカードを返却してきたので受け取り鞄に仕舞い、門を抜ける。

門を抜けると街の中の『人の匂い』から一気に『草原の匂い』に変わる。


あっちじゃこういう風景とか雰囲気とかって味わえないから新鮮だな。と内心


王都に向かう街道は草原を着きぬけ小高くなっている丘の向こうに続いている。


たしか来る時、森を抜けてから2時間くらいだったよなぁ。

同じようにゆっくり行きますかね。


----


心地よい風が流れている草原を街道に沿って歩いていく。

途中、角の生えた野うさぎや丸々と太っているが妙に素早い鶏らしき鳥がいたりするがどれも僕を見かけると即座に逃げていく。


ちょっと傷つく。


歩きながら鞄から刀を取り出し腰に下げる。

左腰に取り付けられた刀からはカチャカチャと小気味いい音が聞こえ始めた。


うん。しっくりくる。

やっぱこうじゃなきゃね。


左手で柄を弄りながら街道をすすむ。

街道は王都からだろうか、護衛をつれた馬車と何台もすれ違う。

その際、護衛をしている冒険者達からはゴブリンのことを忠告を受けたり、お嬢ちゃんとからかわれたりした。

当然後者には口撃(こうげき)しておいた。


丘を越え、視界に森がうっすらと見え始める頃には馬車を連れた商人も護衛の冒険者もほとんど見受けられない。

街道を逸れて迂回しているんだろうか。


とりあえず今日は森のそばまで行って野営かな?


----


森まであと一息というところで耳になにやら戦闘の音が聞こえてきた。

これこれ!こういうの待ってた!

襲われているのを助ける→馬車の中には有名人→うまー

ちょっと考え的には不謹慎だけどもしょうがないよね。


小走りで戦闘がある所までいくと、馬車を囲んで冒険者と商人とがゴブリンに囲まれている。

ゴブリンはすでに荷馬車に取り付いており、天井を破って荷物を漁ろうとしている。

冒険者は飛びついてくるゴブリンに二本の剣を突き立て、切り払い、一匹ずつだが確実に処理をしているが、いかんせん数が多く、徐々に傷が増えていく。

商人もレイピアみたいな細剣を振り回しているが剣術とは到底いえるものではなく、全然ゴブリンを仕留め切れていない。


「手助けいりますかー?」


声が届くギリギリの距離から大きな声で援助を申し出ると、ゴブリン達は一斉にこちらを向き、ギャギャギャと鳴きながら森の中に一斉に撤退を開始した。

ずいぶんあっけない。

いや、組織だっているのか?

自分達が確実に勝てる戦闘以外は即座に撤退。

戦略としては正しい。僕でもそうする。

なんかきな臭いな。。。


ゴブリンたちがいなくなったので馬車のそばまでゆっくりと歩いて近寄る。

馬車のそばでは剣を地面に突き立て肩で息をしている商人といまだ回りを警戒しているが顔色の悪い冒険者が僕に気づいた。

商人さんはまだまだ話が出来る状態じゃないだろうから冒険者に話しかける。


「こんにちわ。大丈夫ですか?」

「あぁ、すまない。助かった。声をかけてくれたのは君かな?」

「はい。余計なことかと思いましたが劣勢に見えたので。」

「はは、たしかに。君が来てくれてなかったらもう少しで体力も尽きていたところだった。」

「いえいえ。実際は何もしてませんからねー。無事でよかったです」


冒険者と商人はさすがに疲れたのだろうか、地面に座り込もうとするが

「さすがにここじゃ座り込むのは危険ですよ。少し街道から離れないと」

と注意する。

商人は残った力をがんばって振り絞り御者席に移動し、馬車の移動を開始する。

その後を僕と冒険者の二人が続いて街道から少し外れたところへ移動する。


「お嬢さんはなんで一人でこんなところにいたんだ?」

「お嬢さんはやめてください。これでも冒険者です。そしてこんな格好しているけど男です。」

「おいおい、冗談はやめてくれ。世の女性を敵に回したくない」

「ほんとなんですけどね。。。もういいよ。。。」

「あはは、すまない。冒険者ってことは何か依頼の途中なのか?」

「はい。森に巣くっているゴブリンの巣を見つけて報告。という依頼を受けています」

「なるほど。」

「今日は一晩ここらで野営して明日森へ入ろうかと思っていた所にあなた達を見つけたので声をかけた次第です。」


商人さんが荷物の確認をしている間、馬車の近くで冒険者と話をしていると、確認が終わった商人さんがこっちへ近寄ってきた。


「いやー、助かったよ。」

「いえいえ、ご無事ならなによりです。」

「助けてくれたお礼がしたいのだがいかんせん今手持ちがなくてな。貴金属類はさっきのゴブリンたちに持っていかれてしまったようだ。」

「まー、実際なにもしてないわけだしそんな気を使わなくてもいいですよ」

「さっきちらっと話が聞こえたが、ここで野営をするんだって?もしよければ私達もここで一緒に野営しようか?」

「え、いや、あと2時間で街に着くんだから行ってしまってください。僕なら一人で大丈夫ですから」

「いや、そうもいかないだろう。こんなところで一人残して街になんかいけるわけもない」


と有名な某竜のゲームに出てくる商人にそっくりな商人さんと言い合いをしていると僕らのやりとりを見ていた冒険者が


「オルネスさん、それなら俺がここに残る。後は草原を通る街道だけだし、奇襲も心配ないだろう。」

「おお、それはいい!ダン、頼んだぞ!」

「護衛は途中になってしまうので報酬は半分でいい。ギルドにそう言っておいてくれ」

「いや、そうはいかない。これは礼なんだからな。」


オルネスと言われた商人とダンと言われた冒険者が言い合いをしているのでどうしたもんかと考えているとすぐに決着がついたらしい。


「よしわかった。依頼は途中終了ということで3/4に。だがアルファミラに戻ってきたらクミル商会まで来なさい。小さい商会だがそこで改めて礼をしよう。」

「はー、オルネスさんも頑固だな。それでいいわ。」

「商談じゃ負けない。伊達に商会主してるわけじゃないぞ」

「はいはい。んじゃ街まで残りの道気をつけてな」

「んむ。ダンも頼んだぞ」


いつのまにかダンが残って僕のそばにいるという風に決着がついてしまっていた。


「僕を蚊帳の外にしてなんで勝手に話が進んでるんですか。。。まぁしょうがない。僕は瞬といいます。武器はこれを使います。前衛です。」

「ダンという。獲物はこのロングソード。双剣士というやつだな。それはもしかしたらカタナという奴か?」

「そうです。とりあえずその辺の話をする前に野営の準備しちゃいませんか?暗くなったらできないですし。」

「それもそうだな。」


枯れ枝を一晩持つくらい集め、焚き火の種を作り、ダンが魔道具で火をつける。

暗くなる前に油をしみ込ませた布を巻きつけたたいまつを数本作る。

これを設置したテントを中心に半径10m程度の距離の地面に刺していく。

数にして約20本。


日が落ちたらこれに火を着けて明かりにするらしい。

臆病な魔物や動物はこうしておくだけで近寄ってこないし、ゴブリンなんかの魔物が近づいてきても光点が隠れるからすぐわかるらしい。


あらかた準備も終わったところでちょうど日も落ち、焚き火の明かりと周囲のたいまつの明かりだけになりその回りは真っ暗な状態。

時たま火がはじける音がするくらいでそれ以外はまったくしない。

生物の気配もなにもかもがなくなって世界はここしかないんじゃないか、といった錯覚を起こすほどだった。


「野営は初めてか?」

「いや、したことはあるんだけどここまで静かで気配も何も感じないのは初めて。」

「そうか。まあ見張りは俺がやるから眠くなるまで話し相手にでもなってくれ」

「うー、なんか悪いなー。。。」

「危なかったところを助けてもらったんだ、これくらいさせてくれ。心配しなくても敵が出たら起きて仕事してもらうさ」


はっはっはと笑いながら頭に手を乗せなでてくる。


「子供扱いしないでよ!」

「おっと、すまんすまん。で、さっきの話の続きだが、その武器ってカタナってやつだよな」

「そうです。知ってるんですか?」

「あぁ。5年前までカタナを使ってる奴とパーティを組んでいた。あいつは強かった。」

「へー!パーティ組んでたんですか!その人の事教えてください!」

「お、食いついたな?よしよし。そいつはヒフミ・サクラザカって言う男でカタナを双剣で使うやつだった。シュンが持ってるのより少し短いけどな。俺はヒフミに双剣術を教わったんだ。」

「へー、二刀流ですか。」

「そうそう。ニトウリュウとかって言ってたな。よく知ってるな。2年ほどかな。一緒に行動をした。年齢は当時25くらいだったがここ5年ほど見てない。」

「え?」

「どこかのギルドに現れたといった情報もない。突然消えたようにいなくなってしまったので奴と組んでいた数人ともパーティを解散し、それぞれソロで動いている。」

「突然ですか。。。」

「そうだ。突然だ。奴が拠点にしていた家が世界中いたるところにあるんだがそのどこにも結界が張ってあって入れなくなっている。」

「結界ですかぁ。」

「一番近い拠点がそこの森の中にある木の家だ。あそこは良く使っていたんだがここ数年誰も使った形跡も見えない。ほんとにどこにいったんだ、あいつは。。。」


森の中の木の家。。。

僕らがこっちに来たときのあの家かなぁ

というか、ヒフミ・サクラザカって完全に僕らの世界の人だよね。

刀使いって所も。

会ってみたかったなぁ。


。。。そして僕にこんな服を着せている恨みを。


「そいつも強かったぞ。なんせギルドSランクだ。ここ10年で新たにSランクになった奴は二人しかいない。どれだけ難しいことかわかるだろう?」

「そうですね。Sランクなんて想像もつきませんよ」

「ははは、そうだろうな。雲の上の人。とでも思っておけばいい。」

「そのSランクの人と一緒に行動をしてたってことはダンさんのランクも高いんですよね、きっと」

「おう。俺は現在Aランク。王都所属だ。」

「ふへー、やっぱりすごかった。」

「褒めていいぞ?とはいえ、ランク評価のほとんどがヒフミと一緒にいたときに巻き込まれた事件の功績なんだよな」

「なんかすみません。」

「なんでおまえが謝るんだ?謝罪が欲しいならヒフミにさせるから気にするな」


ダンはそういって笑う。


「じゃあそろそろ夕飯を作ろう。食材は持ってきているか?」

「はい。出てくる前に市場で買ってきてあります。」

「おし、んじゃ料理はまかせていいか?俺は周りを警戒しておく」

「はい。大丈夫ですよ。肉料理でいいですよね?」

「まかせた」


ダンは周りに意識をやり、集中している。


鞄の中から鍋を取り出し、火に当たるように枝を使って固定する。

市場で買ってきた鶏肉っぽい肉とたまねぎっぽい野菜とレタスっぽい葉っぱを取り出し、その周りに調味料を出していく。


たまねぎをナイフで刻んで中火で熱した鍋の底で飴色になるまで炒める。

その後塩胡椒を振った鶏肉に軽く切れ目をいれて調味料を揉みこんでいく。

広げた鶏肉を飴色になったたまねぎの上に広げ、その上から赤ワインを少量注ぎ込み、ふたを閉める。

火から少し鍋を離し、弱火くらいになるように調節をしたらレタスを手巻きできるサイズにちぎっていく。

鞄から白パンを出し、かごの上に並べる。


鍋の中のワインが蒸発しきったのを確認して、皿に取り出し鶏肉を1cm厚程度に薄く刻んでいく。

一切れ味見。

うん、おいしい。


使った調味料を片付けて鍋を火から降ろす。


「よし、完成っと。ダンさんできたよー」

「やっとできたか。うまそうな匂いがしてて我慢ができなかった。」

「こっちの肉はこの葉っぱに包んで食べると美味しいですよ。白パンは数があるのでお好きにどうぞ。白パンにはさんで食べても美味しいですよ」

「白パンとは贅沢だな。肉もうまそうだ。店開けるんじゃないか?」

「あはは、お店までは無理だとおもいますよー」

「では命を分け与えてくれた食材と調理をしてくれたシュンに感謝をこめて。」

「「いただきます」」


いただきますの声がはもった所で二人で目を見合わせ、そして二人ともレタスに巻いた肉にかぶりつき、そのまま勢いよく白パンを口に放り込む。

ダンは自分に割り当てられた料理がなくなるまで止まることなく口へ放り込む。ものすごい勢いだ。

それを見ながらゆっくりと食べているが元々小食なため、ダンに出した料理の1/3程度でお腹が膨れる。


「ふはー、食った食った。ごちそうさま!」

「はい、おそまつさまー。その挨拶ってやっぱりヒフミさんからですか?」

「おう、そうだ。ヒフミの故郷での食前食後の挨拶だそうだ。よく言ってたぞ。シュンも知ってたって事は行った事あるのか?」

「いえ、たぶん同郷です。地方は違うと思いますが。」

「おお、そうなのか。カタナを使っているところからもしや、とは思っていたが。でもシュンが知らないんならどこに行ったんだろうなぁ、あいつは。」

「ほんとどこにいったんでしょうねぇ」


たぶんそのヒフミって人もチケットでこっちに来て期限が切れたかなんかで向こうに戻っちゃったんだろうな。

一言くらい挨拶してから行けばいいのに。


「美味しい料理も作ってもらって腹もいっぱいになった。シュンは明日から森の探索だろう?早く寝て体調整えておくといいぞ?」

「はい、ありがとうございます。ダンさんも眠くなったら遠慮なく起こしてくださいね。替わりますから。」

「子供に見張りをやらせるほど耄碌してねぇよ。黙って寝とけ」


笑いながら焚き火のそばに移動をし見張りをする態勢になるダンを見て、「この人も大概頑固だよね」とか思いつつテントへ移動した。

テントの中で寝袋に入り、目を閉じるとしばらくして眠気が来たのでそのまま身を任せる。


明日はがんばろう。。。

いつも読んでいただいてありがとうございます。

明日明後日はちょっと仕事が忙しいので次回更新は金曜日になるかも?

ちょっとずつ書きためておきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。