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この記憶の片隅に  作者: さんしあ
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2-1

「ここ… どこだ… 」


僕は目を覚ました。周りを見渡すと、見知らぬ部屋にいた。頭がぼんやりしているのは、

目が覚めたばかりだからだろうか。僕は状況を把握しようと立ち上がり、部屋を見回した。

そこは古びた倉庫のような場所だった。壁には経年による汚れが目立ち、床はコンクリー

トで硬かった。天井は高く、窓は小さく、光がほとんど差し込まなかった。僕はこの場所

がどこなのか、そして何故ここにいるのか全くわからなかった。


それより、頭が痛い… 。


眠らされた影響だろうか、頭がガンガンする。


その頭痛に耐えていると、部屋の片隅から声が聞こえてきた。


「う… うう… 」


女性の声だった。彼女もまた、僕と同じく目が覚めたばかりのようで、頭を抱えながらよ

ろよろと起き上がった。


「あの… 」


彼女は僕の姿を確認したあと、僕を震えた目で見つめていた。彼女は女子高生くらいの年

齢だろうか。シンプルな白いティーシャツに、膝丈のスカートを合わせた清楚な服装をし

ていた。彼女は、白いスニーカーを履いていた。


彼女の端正な顔立ちと大きな瞳は、暗闇の薄暗い光の中でも輝いて見えた。彼女の肩まで

の黒髪は、柔らかそうな手触りが伝わってくるかのようだった。


「えっと… あなたは… 」

「私は美咲彩音、あなたは… ?」

「あの… えっと… 僕は光創一」


美咲彩音と名乗る女性は、怯えたような、困惑した表情をしていた。そしてそれはきっと

僕も同じだ。


「えっと… ここは… ?」


彩音の声は震えていた。


「僕も起きたばっかりで、よくわかってないんです… 家にいたら、突然誰かに襲われて…

気が付いたら… 」

「え… あなたも?」

「あなたも、ということは… もしかして」


僕達が会話していると、突然大音量で二人のポケットから何かブザーのような音が鳴り響

いた。


「なんだ!?」

ビックリして飛び跳ねる。今がどういう状況かわからないまま、僕たちはポケットに手を

伸ばしてスマホを取り出した。

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