↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マンション型ダンジョンの101号室で特大のガバをかましたら、次の部屋が133号室だった  作者: 葦原エイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/10

10話目 閉じた世界

 ワープまでは時間があったため、僕らはカジノで宝石を賭けずに遊んでいた。


 ――主に、スゥが。


「もう一回!」


 ぽーい。


「こ、今度はいける!」


 ぽーい。――パタンッ。


「やったー!」

「おー、ついに」


 空箱に当てた直後、視界がぐにゃりとゆがむ。


「おっと、時間か」

「みんな~、じゃあね~!」


 ぶんぶんとみんなに手を振るスゥ。精霊たちも振り返してくれる。


 慌ただしくお別れした次の地は、鬱蒼と生い茂る森の中だった。風はずっと一方向から来るのか、微妙に木々が傾いている。


「ポン吉~、看板あったよー」

「おー。スゥも発見がうまくなってきたねえ」



――――――――――――――――――――


 157 絶海の孤島





――――――――――――――――――――



「よし、157だった……けど、サバイバルとかじゃないよね?」

「ねえねえ、ポン吉? なんかあたし、変わったトコなーい?」

「え」


 スゥがイメチェン? しきりに指で差してるけど……あっ!


「左手が骸骨じゃない!」

「せいか~い! フフーン、なんかあたし、この部屋に来てから調子いいんだー」

「それは……ドリンクを飲んだからかもねえ」


 さっきのカジノで、ルミノがお勧めしてくれたのが精霊ドリンクだった。鉱山に戻るとエネルギーがみなぎると言ってたから、「部屋を移動すると効果発揮」と予想していたけれど、どうやら正解だったらしい。



L:ああああああああ!

L:す……スゥ!



「お、Lも気付いたみたいだね」



L:いや、スゥ、お前そんな顔だったのか……!

L:そうか……

L:そうだったのか……(泣



「うん? Lのテンションが、またおかしいなあ」



L:え……?

L:もしかしてポン吉、お前はスゥをずっと、この少女の姿で見てたのか?



「そうだよ。左手だけ骨だったけど、今はそれも肉体がある」



L:そうか……

L:えっとなぁ、俺たちからは、「スケルトン」だった

L:マジに骸骨の姿だったんだよ、見えてたのが



「え」


 つまり僕は、子供の骸骨とお喋りしてた構図か。



L:骨を肩車したり骨を抱えたり、よくそんな絡みができるなあと感心してた



「おい」


 そんなこと思ってたのかい。



L:だが……、こんな可愛いレディの姿として見えてるなら納得だ

L:ポン吉、お前の旅に必要な精霊だ、大事にするんだぞ



「う、うん」


 ――あれ、もっと皮肉を言うかと思ったけど、わりにあっさりだった。Lは骸骨姿を長く見てたって言うから、生前の姿みたいに映ってるのかな?


「グワッハハハハー!」


 突然の野太い声に、慌てて辺りを見回す。


「ポン吉! 上!」


 スゥの指差した空を見上げると、全身真っ赤な悪魔がタクローを握っていた。


「バカめ! このイフリート様がいるのに、偵察が出来るわけなかろう!」


 シュボッ!


 握ったタクローが炎に包まれる。


「きゃあ!」

「タクロー!」


 燃え盛るタクローがこっちに投げられた。慌てて軍手をはめ、Tシールドの中に回収する。


「自己、スキャン……シバラク、安静ニシテイレバ、大丈夫、デス……」

「そ、それは……良かった」


 見た目は真っ赤に熱せられてるから、とてもヤバそうだけど。――うわ、タクローの落とされた場所の草が燃えてる。火が点きやすいのか。足でダンダン踏んで消火する。


「コラー! なんでタクローを焼くのよー!」

「グワッハハハー! なんだ、お前も精霊か!? 好き勝手に生きるのが精霊だろうが!」

「ううぅ~っ……。あんたなんか、《透明》になって後ろから刺してやるもんね!」

「グワッハハハー! 身を隠すしか使いようのない、チンケな特技だな! 無力さを思い知るがいい!」


 真っ赤な精霊は飛び去っていった。



L:イフリートか。本来、火に限ったわけじゃないそうだが



「あー。でも、この島なら燃やしてくるよね」

「何のんきなコト言ってるの、ポン吉!? なら、めっちゃヤバイじゃん!」


 スゥがイフリートの飛び去った風上を指差すと、そこから火の手が上がった。


「ほらー! 絶体絶命じゃーん!」


 タクローが、上空から撮った島をホログラムで見せてくれていた。島は円形に近く、僕らはほぼ真ん中にいるらしい。


「オヨソ、一時間ホドデ……島ノ木ハ、全テ燃エマス……」

「んー、それを避けようとしても、周りは断崖絶壁かあ」

「もうダメじゃ~ん!」


 仮に海に飛び込んで九死に一生を得ても、向こうは飛べる。波間に漂う僕らを焼くぐらい、朝飯前だろう。


「でも、希望の火はあるよ」


 僕はジッポライターを取り出すと、シュボッと点けた。


「スゥ、君のおかげで出来る作戦だ」

「ほえ?」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

楽しんでいただけましたら、評価とブックマーク登録をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。