↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日出づる処の覇王 〜聖徳太子が歴史を変えたなら〜』  作者: 明太パスタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/10

蘇我馬子の最期と誓い

聖徳太子(厩戸皇子)が「死の運命」を乗り越えた西暦六二二年より、四年。

飛鳥京の発展を陰で支え続けてきた巨星が、その静かな生涯を閉じようとしていた。


西暦六二六年、蘇我馬子。病床に伏すその老将のもとへ、太子は自ら脚を運んだ。


「馬子殿……」


枕元に腰を下ろし、太子は馬子の枯れ枝のような手を優しく握りしめた。

かつて「丁未の乱」の直前、一触即発の戦場で交わした言葉が、昨日のことのように思い出される。


「太子様……」

馬子はかすれた声で微笑み、込み上げる涙を隠そうとはしなかった。


「感謝……いたします。あの丁未の年、わしの暴走を止め……蘇我と物部を共に活かす道を示してくださった。もしあの時、わしが物部を滅ぼしていたら……わが一族は増長し、いずれ惨烈な報いを受けて滅んでいたことでしょう」


史実において権力を独占し、やがて乙巳の変で滅び去るはずだった蘇我氏。

しかしこの世界での馬子は、己の財と渡来人の知恵をすべて「国を強くするための公財」として捧げ、偉大なる国家の功臣としてその名を刻んでいた。


「わが息子・蝦夷(えみし)にも、すでに固く言い含めております。蘇我の血は、永久に皇室の臣として、太子の創る『和の国』を支えよ、と……」


「馬子殿の遺志、しかと受け取りました。あなたと作り上げたこの飛鳥の礎は、千年の後まで潰えることはありません」


太子の温かい言葉に満足したように、馬子はそっと目を閉じ、安らかな眠りについた。


最大の大豪族が「絶対の忠臣」として生涯を全うしたことで、飛鳥の政権基盤は盤石のものとなった。歴史の暗雲は完全に払い去られ、日本は次なる新時代――「大王(天皇)即位」への扉を開こうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。