↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日出づる処の覇王 〜聖徳太子が歴史を変えたなら〜』  作者: 明太パスタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/10

十七条の憲法・真説

冠位十二階の制定により、優秀な人材が身分を問わず見出されるようになった飛鳥京。

次なる改革として、西暦六〇四年、厩戸皇子は国としての根本規範となる『十七条の憲法』を発布した。


「一に曰く、和を以て貴しとなし、忤(さか)ふること無きを宗とせよ」


表向きは、役人や豪族たちの道徳的規範を定めた条文。

しかし、発布の夜、飛鳥の主要豪族の長たちだけが集められた密室において、厩戸はもう一枚の羊皮紙を取り出した。


そこに記されていたのは、史実には存在しない「真の決意」――極秘裏の条文であった。


『十八に曰く。国の富と技術を私すべからず。私兵を蓄え、権力を誇らんとする者は、皇法と天眼の裁きを受けん』


息をのむ豪族たちを見渡し、厩戸は静かに、しかし断固とした口調で語りかけた。


「皆々、胸に手を当てて考えられよ。地方の豪族が勝手に土地を囲い、私兵を養い、互いに争う世が続けば、この国はいつまで経ってもひとつにはなれぬ。いずれ西の大国・隋が海を渡ってきたとき、破滅するのは我が国全土でございます」


豪族たちの間に動揺が走る。

だが、かつて争いかけた物部と蘇我の両巨頭――物部穴太部と蘇我馬子が、真っ先に厩戸の前で膝をついた。


「我が物部の製鉄と兵員は、すべて大王(天皇)と国のために捧げましょう」

「我が蘇我の財と渡来人の港もまた、国の公財といたします」


二大豪族が私有権を放棄し、国家への一元化(公地公民の萌芽)を受け入れたのだ。

これによって、他地方の豪族たちも異論を唱える術を失った。


大化の改新を待たずして達成された、強固な中央集権国家の土台。

「和」の思想の裏に秘められた太子の絶対なる主導権により、日本は海外の脅威に対抗し得る「不沈の国家」へと覚醒しつつあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。