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紅蓮の絆 —果てなき戦記—  作者: 縷禾
プロローグ 灰の空と、紅蓮の咆哮
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プロローグ

世界は、牙を剥いた。


空を塗りつぶすのは太陽ではなく、異形の黒雲だ。かつて人間が支配していた大地は、今や「核」を貪り、人を蹂躙する異形たちの巣窟と成り果てた。

響くのは赤子の泣き声ではない。地を這う獣の咆哮。文明の残滓ざんしが焼け焦げる悪臭の中で、人々はただ、終わりの時を待つだけの家畜へと成り下がった……はずだった。


――だが、この国には「抗う者たち」がいる。


ドォォォォォンッ!!


重厚な地鳴りと共に、炎と風が荒れ狂う。

崩落したビルの影で死を覚悟した少年は、その光景を目撃した。


炎を纏った巨大な大剣が、常軌を逸した速度で宙を舞う。

それは一振りで大気を裂き、複数の頭を持つ怪物の肉塊を塵に変えた。

火花が散り、熱風が巻き起こる。圧倒的な破壊と、その中心で獣のように笑う女の姿。


「命を捨てるな! それは、てめぇだけのものじゃねぇ!」


その大音声だいおんじょうが、少年の凍りついた心に熱を灯した。

戦場に咲く紅蓮のほむら

死を恐れず、鬼神の如く化け物を屠り、民の未来をその背に担う狂おしいまでの集団。

人々は畏怖と希望を込めて、彼らをこう呼んだ。


かつて歴史に名を刻んだ名に倣い、――「新選組」と。


これは、最強の女局長という「太陽」に惹かれ、死の淵で己の「眼」を開いた一人の少年が、やがて来る絶望の連鎖を断ち切るまでの物語。


己の命と引き換えに、何を掴むのか。

傷だらけの手で、何を守るのか。


戦火の煙が晴れたその先には、血と硝煙に彩られた、果てなき戦記が幕を開ける。


さあ、宴(戦い)の始まりだ。

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