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第86話 意外な冒険者

 楽しい店でお楽しみな時間を過ごしたライリーは清々しいような気分で道を歩いていた。しばらく歩き、宿への近道である裏路地に入ると後ろから気配がするとともに声がした。


「ねえ、ライリーさん。随分とお楽しみのようでしたね」


 誰かと思えばエリンであった。隠密行動の才能があるとされた彼女は訓練でも優れた隠密のセンスを見せていたのだという。

 その言葉通り、ライリーが楽しんでいる時も姿を隠して部屋に居たようである。


「誰かいるとは思ったがエリンだったのか。森の中で出会った色情霊かと思ったが?」

「ライリーさんも彼女も気が付いていなかったので上手く行ったようですね。どうです? 私の隠密スキルは?」


「ああ。凄いな。だが、俺たちは夢中になっていたので常に気を張っている敵の兵士相手にどれほど通用するかが問題だな」

「ねえ、ライリーさん。どうして私とはしてくれないのにあんなお店に行ったの? 私とすればいいじゃない? それにソフィアさんもいるじゃない? ねえ、どうして?」


「それはそうだ。だが、それはそうだと思うのも居れば、それは別の話だというのもいる。俺は前の世界ではそれはそうだと思う事もあった。

 何故ならその知り合いの男は年齢が一回りも離れた初めてな彼女が居たのにそういう店に入り浸っていたからだ」

「じゃあ、私ともしてくれるんですよね?」


「……その知り合いの友人に本来は聖人でないといけないような職業の人間もいた。だが、彼は周囲のありとあらゆる異性を喰いつくしていた。結婚して妻がいたが、妻も見て見ぬふりをしていた」

「話を逸らさないで!!」


「まあ、もう少しだ。その妻も怪しいもんだったがこの二人の行動を考えてみるといい。そこに愛はあると思うか? 無いよな? エリン」

「え? う……うん。ないですね」


「だろう? 俺はさっきは失われた青春時代を思い出して楽しかったが、彼女は俺の相手をしていただけで愛してくれていたわけではない」

「じゃあ、私はライリーさんの事が好きなのでこれから一緒に出来ますよね?」


「そりゃ君のように魅力的な子から誘われたら毎日だって相手したいな。でもなあ、それをするには歳があまりに離れすぎていると思うんだよな」

「え! え? じゃ、じゃあいいんですよね? ね!」


「もう少し大きくなったらな」

「え~……今日がいい~」


「あ、そうだ。じゃあ、これから宿の近くに確か飲み屋があったと思うのでそこに入ろう。予行演習になりそうだな」


◇◇◇


 そう言うとライリーとエリンは大衆酒場のような店に入り、ライリーはビール、エリンはビールみたいな見た目のジュースを頼んだ。


「さて、君の魅力に乾杯……と、言いたいところだがカセムの方も見てきたんだろう?」

「あ、やっぱり分かっちゃいました?」


「多分、そんなところじゃないかと思ってな。彼女の言う事からして今度の作戦で同行する冒険者の一人じゃないのか?」

「正解です。それに前にこの街にカセムさんが来た時も一緒に楽しんでいた人です。その時はまさか冒険者もしているとは思っていなかったようでしたけど」


「だよな。俺も前にバーで聞いた時はそんな感じだったと思う。他に分かった事は?」

「そうですねえ。背が小さいのと体力がかなりあるからなのか元気なので若く見えるみたいです。あと、二人ともすごく楽しそうでした」


「まあ、そんなところか。君は他人がしているのを見てもソフィアみたいに動揺したりはしないみたいだな」

「だって、みんなしている事じゃないですか。いいなと思う事はありますし、さっきも思いましたけどね」


 思ったよりも大人な事を言うエリンと酒を飲みながら周囲を見ていると怪訝な顔をしている客が数人いる事に気が付いた。敵の手の者だとまずいのでそろそろ帰る事にした。


「エリン。視線に気が付いているか?」

「はい。私たちの様子を見ている客だけじゃない感じですね」


「勘付かれるとまずい。店を出るぞ」


 そう言うとライリーらは店を後にし、宿屋に戻った。


◇◇◇


 宿に戻ったライリーらはカセムが戻っていないのかと魔法士に尋ねるとまだ帰っていないと言っていた。

 多分、作戦までの間は楽しい店に行っては飲んだくれるつもりなのだろうがあの爆弾魔と称される冒険者と楽しい時間を過ごすのだろうか?


 そう思うとカセムという男はいつも何かしら満たされていない想いが常にある感じがしてならない。優秀な指揮官なのにどうして恋人が居ないのかが謎だが今までの行動からすると縁の無さがおかしいとしか言いようがない。

 その縁の無さのおかしさというのが運命であるなら改善のしようが無いかあっても難しすぎる手段なのかもしれない。


 ならああいう遊びも定期的にしていないとストレスが溜まってしょうがないだろうと思うがライリーは前の世界では絶望的な縁の無さなのにそういった遊びはしていなかったので余計に疲れ果ててしまっていた。

 そんな事を考えながらシャワーを浴びた後に寝床についたライリーは明日はソフィアとどこに行こうかと考えていると眠気が来たのでそのまま眠る事にした。

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