第111話 十五歳の春がやってきた!?
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第111話 十五歳の春がやってきた!?
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春がやってきた。俺が十五歳になる春だ。
冬の間にメンバーに渡した肌ケアと化粧品類は、女性陣に大変喜ばれたそうだ。おかげで、夫婦仲は非常によいものになっている。
元々好いて結婚したのだから、ちょっとの行き違いで夫婦仲が悪くなることは、避けたいからな。
あとはラブラブで子供をたくさん産んでくれ。それが俺たちとこの土地の未来を繋ぐんだから。
「さて、いってくるよ」
「はい。いってらっしゃいませ」
「気をつけてねー」
我が愛妻たち―――スライミン姫とクラリッサに見送られながら、俺は城へと向かう。今日は初登城の日だ。
雪深いこの地では、春になってから初登城がある。今日はジール州の各地から、騎士や代官たちがこのジャバス城に集まってくる。
登城したら、奥へと向かい、まずはこの城の主であるトルク様……ではなく、我が姉であるシュラーマ姉さんに挨拶をする。こういう時に、俺の中での格付けが顔を出すのだ。
「姉さん、だいぶ暖かくなったね」
「あんたはもう少し気の利いた挨拶はできないの?」
「え……」
いきなりご挨拶ですね。
「できない、かな?」
「あんたはソルバーン家の筆頭家臣なのよ。今までは未成年ということで、カイン様が後見として重きをなしていたけど、今年からは貴方がシュラード家の家督を継ぐのよ。大人としてもう少し口が上手くならないと、重臣たちに莫迦にされるわよ」
「そ、そうかな……」
そんなことは今まで気にしたことはなかったな。
話術というものを身につける時期にきたのかもしれないけど、俺にできるか?
体を動かすことなら、他の誰にも負けるつもりはないけど、さすがに口はなー。
「お母様、ノイス兄さんに少し優しくしてあげてください」
おおお! ネイルン君、君は俺の天使だ! なんと優しい言葉か。心に染みるよ。
「ネイルン。私は何もノイスが憎くて言っているわけじゃないのよ。これはノイスのためなの、分かってちょうだい」
我がお姉様は厳しすぎると思います! 鬼ー、悪魔ー、魔王ー! もっとノイス君に優しくしろー!
「ひひゃい(痛い)……ねえひゃんひょひょほひゅまみゅびょひゃひゃへへ(姉さん、頬を摘まむのは止めて)」
「あんた、失礼なこと考えていたでしょ」
「ひょにゅひゃひょほふぁひみゃへん(そんなことありません)」
あー、酷い目に遭ったぜ。我が姉ながら乱暴だ。誰に似たんだか、と母さんの顔を思いだす。(←こいつと同じ血筋です)
次はトルク様に挨拶する。
「どうも、トルク様。お久しぶりです」
「ちょっと見ないうちに大きくなったね、ノイス」
「そうですか?」
まだ成長をし続けているけど、熊じゃないんだから冬眠中に巨大になることはありませんよ?
トルク様への挨拶が終わると、自分の執務室へ向かう。その途中で、立ち話をしているゴドランさんとサムラートさん、詭道のグラードンの三人がいた。
「お三方、お久しぶりです」
「ノイス、デカくなったな」
「ノイス殿、久しぶりだな。ゴドラン殿の言うように、大きくなった」
「ノイス殿は若いのぅ。どこまで成長するのか、楽しみだ」
三人にから背が伸びた系の挨拶を受ける。そんなに背が伸びたか? 俺自身では分からないのだが? 自分の部屋に入ったら、身長を計ってみるか。
「ボス、お疲れ様です」
「よう、コンタ。俺って、この冬でデカくなったか?」
「え? ああ、背がかなり高くなりましたね」
「自分では冬の前とあまり変わらない感じなんだけどな」
「うーん、俺はいつもボスの近くにいましたので、言われなければ気づきませんでしたけど、大きくなってますね」
「メジャーを持ってきてくれるか」
「分かりました」
コンタが持ってきてくれたメジャーで身長を計ってみたら、なんと一・八五メートルあった。
十五歳で一・八五メートルとは、なかなかのガタイだ。そういえば、最近関節に違和感を感じたんだよな。あれが成長期にある成長痛というものなのか? 前世でも体は大きかったが、あまり成長痛を感じた記憶がないから分からん。
まだ二、三年は成長してくれるだろうから、一・九メートルは超えてくれることだろう。轟雷のゲキハみたいに人間は辞めないでいいので、二メートルまでに収まってくれ。あまり大きくなりすぎると、着るものに困るんだよな。
そういえば、前世ではリンゴを握りつぶせたけど、今の俺はどうなのかな? なんか身体強化魔法なしでも拳大の岩を粉々にできそうな気はするけど……。まあ、さすがに気のせいだろう。(あとでやってみるか)
【悲報】やってみたらできました。
そんな莫迦なことから、今年の春も始まっていくのでした。




