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【書籍化】魔法が使いたくて肉が食いたくて努力してみたら最強になっていた  作者: 大野半兵衛


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112/114

第110話 嫁を喜ばせろ!

 <書籍1巻>

 来月発売!

 Amazonなどで予約できます!


【魔法が使いたくて肉が食いたくて努力してみたら最強になっていた】をよろしくお願いいたします!

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 第110話 嫁を喜ばせろ!

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 冬の間は魔力干渉の訓練を重点的に行う。もちろん、体を鍛えることも怠らない。

 おかげで、魔力干渉の範囲は二十メートルほどになった。

 今年の冬は、飛躍的に魔力干渉の精度が上がったと思う。

 そんなわけで、魔力干渉で少しだけ悪戯をしてみる。クラリッサの後方から魔力を伸ばして……スカートをペロリンチョ。おおお! 白色! これはいい! いいぞ、魔力干渉!


「旦那様、何をなさっているのですか?」

「あ……えーっと……何もしてません」

「クラリッサさんのスカートが不自然に捲れたように見えましたが?」

「えーっと、気のせいでは?」


 ゴクリッ。ぎゃーっ!?


「ごめんなさい。もうしません」


 顔を腫らした俺は、クラリッサとスライミン姫に頭を下げて謝っている。


「わたくしたちは夫婦なのですから、見たければ堂々と見せろと仰ってください」

「いや、そういうのではなく……」


 こっそり見るからいいんじゃないか。


「何か?」

「いえ、何も」


 そんなこんなことがあった冬も終わりを告げる。

 昨年毘沙門党に加わった子供たちを、年長者たちが狩に連れ出す時期だ。

 冬の間は一日に何度も魔力を使い切っており、新人たちの魔力量は軒並み伸びている。

 その毘沙門党員の数は千二百人になっており、かなりの大所帯になってきた。

 それでも皆が真面目に毘沙門天様を信奉し、菩薩様を敬うのだから問題はない。この心さえ忘れなければ、彼らは何かしらの役に立つ人材になる。将来はソルバーン家の重臣になってくれる子も現れることだろう。




 さて、もうすぐ冬も終わろうという頃、俺は毘沙門党のメンバーを集めた。メンバーはロッガ、エグル、バルナン、リット、クママ、レンドル、グルダ、ライダン、ジラルディン、ヘック(シュバルクアッド家当主)などだ。


「皆に集まってもらったのは、他でもない」


 俺は机に両肘をつき、口の前で両手の指を交互に組んで、彼らに語りかけた。


「何恰好つけてるんだ、ボスは?」

「「「さぁー?」」」


 おい、お前ら! シリアスにいこうとしていただけだろ! そんな目で見るんじゃありません!


「で、ボスは何が言いたいんだ?」

「よくぞ聞いてくれた、ロッガ! 我が毘沙門党にも、俺やお前たちのように結婚して妻を持っているヤツが多くなってきたよな」

「ここにいるヤツらは……全員結婚しているな」


 この冬の間に三組もゴールインしちゃってるし、どんどん社内結婚が進んでいますよ!


「ある日、スライミン姫が言ったんだ。手が荒れるってさ」

「まあ、水仕事とかすれば、手は普通に荒れるからな」

「バカ野郎! この俺がスライミン姫やクラリッサに水仕事なんてさせるわけないだろ!」


 全部俺がやるに決まっているだろーが!


 冗談はさておき、うちにはちゃんとお手伝いさん(毘沙門党員)がいるから、そこまで水仕事や手が荒れることはしてないはずなんだ。


「あー、俺んとこも手が荒れたり、肌がかさつくっていってましたよ、ボス」

「ヘックのところも使用人がいるから、水仕事は滅多にしないだろ。それでも手が荒れるんだ、特にこのジール州は寒いからな」

「で、それがどうしたんだ?」

「ロッガ、お前んところは嫁が大雑把で豪快だから、まったくそんなことを気にしてないと思うが、世の中の女性の多くは気にしていることだぞ」

「タタニアが大雑把なのも豪快なのも認めるが、面と向かって言われるとムカつくんだが?」

「そんなことはどーでもいいんだ。つまり一般的な女性は肌荒れに敏感ってことだ」

「そんなことって……」

「ボスが言いたいことは分かった。だからなんだ?」

「よくぞ聞いてくれた、レンドル! これをお前たちにやろう」


 俺は無限収納魔法から、小さなケースを数種類取り出した。


「「「なんだ、そりゃ?」」」

「これは手荒れケア用のクリーム。こっちはクレンジング、こっちは保湿液、こっちは―――」


 肌のケアと化粧品類を一つ一つ紹介していく。


「えーっと……それを嫁に渡せ、ということか?」

「ただ渡すんじゃないぞ。君のことを想っていると伝えるのだ」

「「「………」」」

「お前らは政略結婚したわけじゃない。全員恋愛結婚だ。結婚したからといって、それで満足していいのか? 否! そんなことでは嫁に逃げられるぞ、ロッガ!」

「お、俺かよ!?」

「まあ、ロッガの場合はタタニアのほうが惚れ込んでいる感じだから、逃げられはしないと思うがな」

「そ、そうだよな、タタニアに限って―――」

「が、ロッガが浮気でもしようものなら、血の雨が降るぞ。物理的に。相手の女は間違いなく肉塊になるし、ロッガはどうなるかな?」

「お、おい、怖いこと言うなよ!?」

「まあ、ロッガの特殊性癖はどーでもいいのだが」

「誰が特殊性癖だ!? そんな性癖は持ってない!」

「お前ら、嫁さんは放置するなよ。釣った魚は餌を与えなければ死ぬのだ」

「意味不明なことを言うなよ」

「うるさい、特殊性癖!」

「だから違うって言ってるだろ!」

「お前たち、嫁は大事にするものだ。正妻だろうと側室だろうと、嫁にしたからには一生愛してやれ。これらはそのための道具である!」

「「「おーーーっ!?」」」


 よく分かってないような表情だが、なんか感動している、そんな感じか。

 まあいい。俺はな、お前らが離婚するような事態にならないようにしたんだよ。基本的に毘沙門党員同士が結婚することが多いため、後が気まずいんだよ、俺の。


「さあ、持っていけ! この紙に使い方が書いてある!」

「「「アッザースッ!」」」



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