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厳冬籠もり春を待つ  作者: 猫面人
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五話 天然迷宮

 どこだここは。車を止め、外へ出る。ひんやりとした風が通っていった。近くで水の流れる音がする。川があるのだろうか。暗くてよく見えない。車のライト以外明かりがない。来た道を真っ直ぐ走ったつもりだったのだが、どこかで道を間違えたのか。いや、そんなはずはない。一本道だったではないか。そういや村へ向かうときも迷ったな。考えてみりゃ、帰りが一本道なら行きも一本道のはず。大きなところへ出てしまえば道は大抵知っているから、いくら興奮していたとはいえ道に迷うはずがない。いったい私はどこにいるんだ。落ち着いて耳をすます。風の音。激しく流れる水の音。そして何かが動く音がした。カサカサ…そういえば何かに見られているような気がする。ようやく目が慣れてきた。やはりまだ山の中にいる。もうとっくに抜けたと思っていたのだが。ヘッドライトの先を見つめる。何もない。ただ真っ暗闇が延々と続いているだけだった。一歩前へ踏み出すと、足が地に着くことは無かった。崖か。危ういところだった。もう少し進んでいれば死んでいただろう。


 少し引き返すと、そこに別の道があった。さっきは無かった気がするのだが、まあ興奮していたし、見逃したのだろう。そう思い納得する事にした。今度は大きな街に出た。私のよく知る街だった。あと一時間もあれば帰れるだろう。私はそっと胸をなで下ろした。

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