閑話 しあわせ日和
「あなた、この柄はどうかしら?」
「おぉ~、また新しい柄を描いてくれたのかい?
すっかりオリガミ職人だね!助かっているよ。」
「ふふっ、だって、これが売れるとなると、
私もうれしいんですもの!
あっ、あと娘たちも描いてくれてますよ。
大人が描くものと違って、のびのびとした感じがよくって、見てくださいな!」
「ほぉ、これもいいね~
御触れがあったんだけど、国営商店で新しいオリガミを募集しているんだって。
これらを持っていってみてもいいかなぁ?
柄を考えた料金がもらえるらしいんだよ。
それに、国営商店で扱ってもらってる柄となれば、売りやすいしね。」
「まぁ、すてき! ぜひ、持っていってください!
そういえば、次は西の隣国に行くのでしたっけ?」
「そうだな、箱の仕入れに行かないと。
西の箱は、正確で大きさも様々あって丈夫だから、みな欲しがるんだよ。
このオリガミも持っていくよ。新しい柄で作ってもらったら、また売れるしね。
向こうでも、新しい柄は欲しいって言ってくれてるからね。」
「そういえば、娘たちが砂丘を見たいっていってるんですよ。
馬車に空きがあるなら、家族で行きませんか?」
「あぁ、もちろん、いいよ。箱があるから、荷物も少なくてすむしね。」
「あっ、国営商店に行くなら、パウンドケーキを買ってきてくださらない?
子どもたちが気に入っているんです。
新しい味が出たとか・・・気になりますよね!」
オリガミを売るようになってから、妻と会話が増えた。
なにしろ、妻がオリガミを作ってくれているのだから、頭が上がらない。
あの、ダキマクラを買ってから、子どもたちが早く寝てくれるから、
妻もオリガミを作る時間が取れるのだと、よいものを買ったと、
いまだに褒めてもらえる。
子どもたちは、新しいオリガミの折り方をどこからともなく、集めてくれる。
・・・というか、集めて楽しんでいるんだろうなぁ~
おかげで、行商に行く先々で、新しいオリガミをねだられても困らない。
パウンドケーキも売れ行きがいいんだよなぁ~
田舎の方だと、なかなか手に入らない贅沢品ではあるけれど、よろこんで買ってくれる。
西の国は、砂しかなくて、昔は野菜を多く売りにいったものだが、
いまや、その砂地を活用して、様々な豆やネギなんかが名産になっている。
おいしいんだよなぁ~、ピナツ。
それに、お国柄なのか、まじめで誠実な人が多いから、正確にオリガミを作るから、
オリガミの箱は、西のものと言われるほどだ。
ほんとに、歪みがないし、蓋もきっちりはまるし抜けにくい。
まぁ、飾りとかはないシンプルなものばかりだが。
飾りといえば、東の隣国だ。
クスダマの種類も隣国一だし、規模も大きい。
貴族様が使う贈り物の箱は、東の国のものばかりだ。
あぁ、今度、クスダマを上げる時期に連れて行ったら
妻と子供たちがよろこぶだろうなぁ~
うまくタイミングが合えばいいが。
そうそう、国営商店でチコレのお菓子が販売されているらしい。
これも仕入れていかないとな。
そういえば、西の職人にロボットを持ってきてくれといわれていたな。
忘れないようにしないと。
作り方などは、魔術会議で共有されているらしいが、
やはり、見本が欲しくなるよなぁ~
魔術師達は、こっちに来た時に買って帰るが、
なかなか、職人にまでは渡らないのだろうな。
・・・・
「お父さん! 砂がいっぱい!!!」
「お父さん、ずっと砂~!」
道端に馬車を止めて休憩中、子どもたちは大はしゃぎだ。
なんど来ても、圧巻だ。
この後、豆を採らせてもらう予定だし、
砂に埋まって遊ぶ場所にも連れていく約束をしている。
今回は、仕事よりも家族サービスだなw
あぁ、砂の上を走るヒコウキにも乗るんだと言っていたな・・・
頑張って、働くか!
◇
この折り紙、おもしろいなぁ~
ぐぐ~って、線が描いてあって、丸につながって
子どもが描いた絵みたいな折り紙
なに折ろうかな~
こういう柄って、折るのに困る
折ったら、せっかくの柄が見えなくなっちゃうんだもん
なにか、柄が大きく出るものがいいなぁ~
なにがいいかなぁ~
なにかなぁ~
こっちの細かなお花の柄は、折りやすいなぁ~
なに折っても、かわいくなりそう
うん、いい感じの折り紙!
職人の手仕事って感じだなぁ~
この間のお出かけ、大成功!
また行きたいなぁ~
新しい折り紙増えてるかなぁ~
楽しみだなぁ~
あっ、折り紙買えるように
なんか、お仕事を増やしてもらおうっと!
あぁ、でも、こうやって
紙を並べて、眺めてるだけでしあわせだから
わたしの勝ち!




