第六十一話 あと・・・ちょっと
ん~
ベットの上でゴロゴロしながら考えてるんだけど
ん~~~
もう少しなんだよね~
もう少し・・・
のどまで出かかってる感じ?
あとちょっとで見えてくる感じ・・・
みんなの笑顔とか
みんなのおしゃべりとか
ロボットの行進とか
くす玉の花火とか
美味しいごはんとか
きれいな折り紙とか
ポップコーンとか
おそろいの洋服とか
セドのネクタイとか
紙飛行機がグルグルしてるとか
たくさんの野菜がいっぺんに実ったりとか
アルとあった日のこととか
ルルからもらったハートとか
・・・
いろんなことが頭をグルグルしてて
グルグルしてる真ん中になんかがあって
もうちょっとで手が届きそう
見えてきそう
・・・
ん~
目を閉じて、グッと頭を後ろに倒して
降り注ぐ光を感じる
頭の中にいっぱいあったいろんなことが
いったん、スッとなくなった
心地いい光だけ
食堂が見えてきた
あそこ、あそこの壁にあったらいい感じ
そう、そこになにがあるの?
みんなの笑顔みたいな、ほころんだ花と花と花
いろんな花が笑ってる
細い花も豪華な花も、小さな花も、大きな花も・・・
あっ、これだ! 見えた!
よし、あとは折るだけ
◇
ゴロゴロしてたチョコ様が猛然となにかを作り始めた・・・
手伝いましょうか?って声かけたけど、聞こえてないっぽい。
これって、いつもと違うこと?
いつもと同じっぽいけど、なんか違うかんじがする・・・
静かにたちあがったけど、気が付いてないみたい。
うん、いつもと違うことだから、報告しなくちゃ!
◇
細めの花は、青と白しべは黄色で
大きな赤いバラは中心に置こう
黄色とピンクの小さな花を散らして
様々な葉っぱも散らして
他にも色々な花を入れよう
それぞれ違ってるけど、みんな一緒に笑ってるように置いてく
中心の花から放射状に広がるように・・・
うん、見えてるものが形になってきた
ん~
細かいところが・・・見えない
どうなってるんだろう
光の中にあって、見えにくくなってるんだよね・・・
でも、いいや
ここには白いバラを入れよう!
小さなカスミソウも
うん、いいかも・・・
こんな感じ・・・かな
額を壁に立てかけて
離れて見る
うん、完全に・・・じゃないけど
だいぶいい感じにできたかも
あぁ~~~~~~~~~~~~~つかれた!
頑張ったから
わたしの勝ち!
寝ようっと!
◇
やっぱり、いつもとは違ってた。
誰が話しかけても聞こえてないチョコ様。
果物とかパンとか、飲み物をチョコ様のそばに置いておくと、
時々、口に運んでくれるけど、
自分が、食べてることに気が付いてる?って不安になる感じで・・・
時々、その場で寝ちゃって、でも少しするとむくっと起きて作り始めて
サナ様とかセドリック様も来てくださったけど、
結局、見守りましょうってことになって、
寝たら毛布を掛ける
起きたら、飲み物とつまめるものをそばに置く
紙はたくさん、周りに置いておく、そんな係をしていて、
ちょっと、どうなるのかわからなくて怖かった・・・
もともとチョコ様は、あまり話さないけど、
いつも周りのことは気にかけてくれているのに、
ヤッコ様もぬぅ様も、アルもミド様もお手上げなんて初めてだもの。
この3日、ほんとに気が気じゃなかった~
でも、きっと終わったんだと思う。
だって、チョコ様、ベットに行って寝たから!
それにしても、これ・・・すごい
お花がいっぱい咲いてる!
なんか見てるとあったかくなる・・・
あっ!
チョコ様が寝ましたって報告しなくちゃ!
◇
ん~~~~~~~~~~~、よく寝た!
スッキリ!
お腹すいたかも・・・
「ヤッコ、ぬぅ、チコ、おはよう~」
『おはよう、じゃねえよ。もう、夕方だからな』
ペコリ
「夕方?いつの?」
『それは、人間に聞いてくれよw
でも、元に戻ったな!』
ん?元に戻ったってなに?
あっ、そういえば作品できたんだっけ・・・
確認しなくちゃ!
ん~
ここが歪んでるから、ちょっと直して・・
この花は、もう少しこっち向いてほしいなぁ~
・
・
・
うん、こんな感じ!
できた!
えっ、みんないるんだけど・・・
セドもおばあちゃんも、アルも?
えっと・・・心配かけた感じ?
なにした、私?
折ってただけ・・・だよね?
「・・・おはよう?
あっ、これ食堂に飾っていい?」
・・・・
あの後、大丈夫ですか攻撃がすごかったw
あと、お風呂にも入れられて、
ロイまで出てきて、消化にいいごはんを用意してくれた
ちょっと・・・集中しすぎたかも・・・
頭の中で見えたものがあると
外に出すまで、ちょっと変になっちゃうことって
前からあったんだよね~
なんか、見えてるものが逃げちゃう気がして
気がせいちゃうというか
なんか「外に出さなきゃ」っていう感覚でいっぱいになっちゃうっていうか・・・
申し訳ないことをしてしまったよね~
でも、みんなへのお礼が作れたから
わたしの勝ち!




