第六十話 では、こちらにご署名を
「サナ様、こちらが、宴会の装飾費用の書類です。」
「サナ様、こちらが研究棟で使用した費用の書類です。」
「贈り物の経費がはいっていないようですが?」
「贈り物は、皆がそれぞれ自分で用意したので、経費には入っていません」
「研究棟も同じです。」
「そうですか、ありがとう。」
これは、皆の気持ちとはいえ、負担になっていますね。
皆、よく働いてくれましたし、チョコ様の日の特別手当を用意しておきましょう。
一律で、ある程度・・・、セドリック様に一度ご相談しなくては。
・・・・
「サナ、これが料理にかかった費用の書類だ。」
・・・
「ロイ、少し待ってください。聞きたいことがあります。」
「ん?」
「今回出した、ロールになっている食べ物の名前は?」
「あぁ、適当に作ったから、まだつけてないぞ。
チョコ様は、『クレープ』と呼んでらした気がするが。」
「たしかに、『クレープちょうだい』っておっしゃってましたね。」
「それでいいんじゃないか?」
「わかりました。
あと、そのクレープですが、できたてを提供することは難しいのですか?」
「いや、そんなことないぞ。慣れれば薄く焼くのも問題ないし、
苦戦してたら、チョコ様が生地を冷やしておいておけばいいって、
教えてくれたしな。」
「他に、種類は?」
「ん~、甘いのもいいらしいなぁ。
チコレを入れたの食べたいってチョコ様がつぶやいてたから。」
「いろいろ工夫ができるということですね!」
「まぁ、そうだな・・・」
「ロイ、近く一日時間を空けてください。
クレープとポタージュの実習をします。
喫茶の場所と建物は確保できているので、そこで売りましょう!
それまでにいくつか案を考えておいてください。」
「店・・・出すのか?」
「えぇ、天才シェフ ロイの店です。ふふっ。
もちろんパウンドケーキ、ホットケーキ、カラアゲもだしますよ。」
「はぁ? 俺の店かよw」
「いつか、チョコ様が訪れるかもしれませんから、
手は抜けませんからね!」
「はいよ!」
・・・・
「セドリック様、サナです。」
「なんだ?」
「チョコ様の日のご報告と、
承認いただきたいことが、数件あります。」
抱えてきた書類をセドリック様の机に置く。
「まず、報告ですが、詳細は、こちらの書類をご覧ください。
予算内に収まっております。
子どもたちのおそろいの服は大変好評でしたので、
来年も引き続き、行う予定です。」
・・・
「ただ、皆がチョコ様にした贈り物については経費として請求がなく、
また、負担も多かったことから、その分も含めて、特別手当として
一律に支給したいと考えています。
なので、こちらにご署名を。」
「あ・・・あぁ、そうか、わかった。予算に問題なければ構わない。」
「それから、こちらの書類になりますが、
今度、国営商店の隣に喫茶を開店いたします。
現在、建物の改装は手配をかけたところで、こちらがその予算になっております。
こちらが、売り上げの予測。概ね、半年で改装費用などは賄えるかと。
こちらも、別邸の予算内で運営が可能ですし、
半年後は、かなりの利益が見込まれております。
もちろん、店内でお土産などの販売も予定しております。
なので、こちらに承認のご署名を。」
「喫茶?店? 聞いていないが?
改装手配・・・承認していないぞ。」
「はい、言っておりません。
そして、いま、承認いただいているところです。」
「そ、そうか・・・」
「はい。現在、ロイは天才料理人と噂になっておりまして、
もちろん、チョコ様のご要望にお応えした結果ではあるのですが、
この辺りで、その料理を広めてしまうのがよいかと考えております。
もちろん、ロイには、別邸での仕事がございますので、
別に雇った料理人にロイが教え、それを提供する形になります。
目玉商品は、チョコ様の日に出したクレープという花束のような食べ物。
甘いものもよいとのことで、いま試作してもらっています。
他にも、ポタージュやからあげ、パウンドケーキ、ホットケーキなどを予定しております。
問題ございませんよね?」
「・・・問題は、ないのだろうな、君がいうなら。」
「では、ご署名を」
「わかった。
くれぐれも、チョコ様に直接つながらないように。」
「もちろんでございます。」
「それから、研究棟から、火の術式紙に色をつけたものを作りたいと申請が出ております。
なにやら、ロボットを火の術式紙で折り、火にくべる実験をしてみたいのだとか。
火の中で、動けるようなら、火事の時などに役立つのではとのことでした。
色をつけるのは、たぶん楽しいからというところが強い気はしますが、
いかがでしょうか?」
「・・・危険や怪我のないように、小さな子は除いて実験をと伝えてくれ。」
「わかりました。」
「他は?」
「いえ、今日のところは以上です。」
「わかった。」
すべて、承認いただけたので、あとは動くだけですね!
次の魔術会議までに、間に合わせたいところです。
すこし、頑張りますか!
◇
うれしかったなぁ~ お誕生日!
お誕生日に、おいしいものいっぱい
みんなが集まってくれて
プレゼントももらえちゃった!
みんないっぱい笑ってたし
いっぱいおしゃべりしてた
ん~~~~~~~~ たのしかったぁ~
なんか、お礼できたらいいなぁ~
こうして、ここで生活できてるのって
みんなのおかげだもんね~
異世界転生の特典が
ことばがわかることと本の部屋だもんね~
餓死しててもおかしくないw
ん~
なんかできることないかなぁ~
ないかなぁ~~~~~~
『チョコ、寝ちゃったぞ、ヤッコ』
ペコリ
『しょうがない、毛布かけとくか?
お前、そっち持てよ。俺、こっち咥えるから』
ん~、あったかいから
わたしの勝ち!




