第五十六話 ・・・・ないしょね
『なんだよ、ここ?!』
あれ?ぬぅ、ついてきちゃった?
なんで?
本の部屋に来ただけなんだけど
「ごめん、なんか連れてきちゃったみたい」
『え~、なんだよ!
本の部屋っていうのは、ここかぁ…
寝るとこもないじゃん!戻してよ』
「ごめんって、どうしたら、ぬぅ戻れるのかな・・・」
『えっ、戻せないとかいうなよ~』
たぶん、抱っこしてるか、どこかくっついていればいいんだよね
ギュッ、パッ、トン!
『たすかったぁ~、寝よ、寝よ』
「ごめんってばぁ~
あっ、でも、本の部屋に行ってくるね!」
『早く帰って来いよ~、もう寝てる時間なんだから!』
「は~い!」
◇
研究棟の実験を3日お休みすることにした。
リリに写しをお願いしたけど、待ってられないんだ。
あのロボットという人形、かっこよかった!
早く作りたい!
でも、チョコ様も午前中は畑仕事とかがあるからって
朝の運動とマナーの勉強は休めなかった・・・
ずっと、オリガミしたいのになぁ~
・・・・
「チョコ様!ロボットの本、見せてください。
3日お休みもらったんです!」
コクン
ギュッ、パッ、トン!
「はい、わかんなかったら言って」
「ありがとう!」
最初は、時々わからなくて、チョコ様に教えてもらってた。
でも、だんだんパターンがわかってきた。
他の本もそうだけど、ちゃんと最初から折ると、
パターンが見えてくるんだ。
特に、このロボットの本は途中まで前のと同じところがある。
そうなると、僕は得意だ!
字は読めなかったけど、最近は少しわかってきたんだ。
線の少ない字は音だけを表してるみたいなんだ・・・
「チョコ様、これロボットの本だけど、
どうしてオリロボって書いてあるの?」
・・・・?
「トトってカタカナ読めるの?」
・・・・?
「カタカナ?」
「オリロボって書いてあるって」
「あぁ、チョコ様が本を読んでくださるときに、
ちょっとずつわかってきて・・・
あっ、でも、まだ全部じゃないです。」
「すごい!さすがトトだね!
それ、ロボットの名前だよ。」
名前・・・ロボットじゃなかったんだ・・・
「ロボットは?」
「ロボットも名前」
・・・・・?
えぇ~~~~~~~
あっ、ダメだ。
きっと、チョコ様、これ以上説明する気なさそう。
とりあえず、オリロボを作ろう。まずは、そこからだ!
・・・・
「じゃあ、今日は帰ります。
ありがとうございました!」
「これ、あげる」
?
カタカナ?が書かれた紙をくれた。
表になってる。
わかるのもいくつかあるぞ!
きっと、これでカタカナ全部なんだ。
「ありがとうございます!」
「トト、欲しいかなって思って」
「はい!」
◇
トトってすごいなぁ~
カタカナ読めるようになったんだぁ~
でも、ロボット・・・なんて説明するの?
ムリ、ムリ・・・
ここは、黙っておこう
でも、フチモト ムネジ先生のオリロボは
ロボットがないであろう世界の男の子の心もわしづかみ~
かっこいいもんね~
ふふっ、
ビューン、シュワ、バーンとかって
男の子たちみんなで、手でもって戦いごっことかしてるのかな
かわいいなぁ~
それは、新しいロボット欲しくなるよね~
トトがうれしそうだから
わたしの勝ち!
◇
今日は、3日目!
あと、4つだから、絶対に今日で全部作れるぞ。
作ったものは、家でいろいろ確認したんだ。
どうしたら魔力がいきわたりやすいかとかも、
それにしても、四角い紙がこの人型になるのがおもしろい!
紙が重なったところは、少し魔力が通りにくそう。
これ、術式紙で折ったらどうなるんだろうなぁ~
風の術式紙は、飛んで行って見つからなくなると困るから、
水の術式紙からかなぁ・・・
ロボット、水の中潜ったり、進んだりするのかな・・・
アルとロンに相談しなくちゃ!
・・・全部できた!
本一冊、集中してできた。
しあわせな時間だったなぁ~
「そういえば、チョコ様
チョコ様って、本をいくつ持ってるんですか?」
・・・
えっ、なんで手をつないでるんだ?
ギュッ、パッ、トン!
「これだけ」
えぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あ・・・えっ・・・ええぇ~~~~~~~~~~~~
「チョコ様・・・・本が・・・本が・・・」
「数えたくないんだよね
セドには、ないしょね、数えたいっていうから」
いや、数えたいとか、そういう問題じゃなくて
オリガミって、こんなに書物があるのか!
えぇ~~~~~、チョコ様の頭の中には、どの本に何が載ってるのか入ってるってこと?
「トト、好きでしょ?」
「好きです!!!!」
「なら、よかった」
いや、好きとか、好きじゃないとかじゃなくて・・・
えぇ~~~~~~~~~
言葉がでてこない、どうしたらいいんだこれ?
セドリック様に、ないしょとか、ムリだ
えぇ~~~~~~~~~
「見てていいよ~、本読んでるから~」
・・・って、ここにもクッション机持ってきてるし
字が読めたらいいのに
でも、チョコ様が許してくれてるあいだに、できるだけ確認しよう
内容は、あとにして、表紙とできあがり図だけをパッと見ておこう
これは、花だ
ん?こっちも違う花・・・この辺は花なんだ
これは、ユニットだな
・・・・・こんなに種類あったんだ・・・・・
◇
ん~、トトよろこんでるなぁ~
そうだよね~、しあわせだよね~
トトなら、このしあわせわかってくれると思ったんだぁ~
トトがしあわせだから
わたしの勝ち!
※作中に登場する「オリロボ」は、フジモト・ムネジ先生の著書『切らずに1枚で折るオリガミロボット オリロボ オリガミソルジャー』を参考にしています。




