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異世界折り紙物語  作者: Chieko


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第四十八話 ・・・パウンドケーキがおいしい

第二回魔術会議が始まった。


一つ目の議題は、使用済み術式紙の扱いについて。

これは、南の隣国からの緊急要請が各国に届いたことによるものだ。

南の魔術師の家で、子どもが使用済み術式紙を使ってオリガミをしたところ、

さまざまな魔術が発動してしまったのだ。


それを受けて、各国では至急、使用済み術式紙を回収。

魔術師が実験で使用したものも含めて回収し、

種類別に仕分けを行い、管理保管することになった。


気づく機会は何度もあったはずだ。

ユリの時、ヤッコ様の時・・・

それが特別なのだと思い込んでいたために見えていなかった。


今回のオリガミはコップだった。

別邸の折り紙会から流した作品だ。


水・・・水をためることができる

空間・・・箱と同様に、容量が増える

風・・・浮かぶ

火・・・コップの中だけで火が燃える


風については、南の隣国で実験を重ね

10個のコップを籠につけると、人が一人乗ることができ

一つずつ外して回収することで、少しずつ降りることができるそうだ。

高いところから風景を見ることができると魔術師たちがこぞって乗っているそうで、

今後、南の国の観光にしていくらしい。


火・水・空間は、すべて旅に適しており

火がともったコップは、水をかけると火が消えて、乾かすとまた使用できる。

火事の心配もなく、安全に使用できる。


発見としては素晴らしいのだ。

それが、子どもの手によるものというところが、問題なだけであって。


今回、事故がなくて本当に良かった。


・・・・


次の議題は、ヒコウキだ。


北の隣国からは、ヒコウキを逆さにして板をのせると

雪の上をいままでよりも楽に、荷が引けるようになるとの報告があった。

凸凹しているところも、ひっくり返らずに済むそうだ。


人が乗っても楽しいらしく、新しい遊びになると期待されているらしい。


・・・


「すみません、それに似た絵をチョコ様の書物で見たような気がします。」とトト。

トトは、週に一度くらい、チョコ様から書物を見せてもらっているそうだ。

なので、オリガミに関する知識は我々の中で一番になっている。


なぜ、私には貸していただけないのか・・・

いやいや、それはおいておいて、


「では、チョコ様に確認をお願いします。」


「わかりました。今日の会議の後にでも、確認してみます。」


・・・


南の隣国の水実験は、かなり進んでいた

速さのヒコウキは、競技になったそうだ。

もう一つのヒコウキは、荷運びに使えるとわかったそうだ。

そのどちらにも、折り筋をきちんとつけて作ることの重要性が確認されたらしい。

人によって、どのように進むかが変わるのがおもしろいらしいし、

その違いを利用して、荷運びの方向を調整できるようになっているという。


「あの・・・たびたび申し訳ないのですが、

 それ、たぶんフネというオリガミではないかと思います。

 いくつか種類があるのですが、どれも、荷や人が乗れる構造になっています。

 大きな術式紙は必要になるかもしれませんが・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?!


「わかった、それも確認を頼む。」


「わかりました。」


・・・・


東の隣国では、クスダマの研究をしたそうだ。

花の折り方を少しずつ変えたり、重ねたりと、

前回の会議の後の会食で、ルルが話していたことを実験したらしい。


その結果、様々な花が降り注ぐことがわかっただけでなく、

その花の種類によっては、広がり方も違うそうだ。

また、様々な花をまとめることで、

様々な花が様々な方向に広がり降り注ぐこともわかったらしい。


また、クスダマに特化したヒコウキの開発にも成功したそうだ。


・・・・


今回も、予定という言葉は意味をなさず、

皆、話したいことだけを話し続けている。


今日の議題はまだあるんだが・・・

きっと今日は、ここまでしか進まないのだろうな。


パウンドケーキでも食べながら、一段落つくのを待っていよう。


◇


「チョコ様~、ホンを見せてほしいです!

 今日は、フネと雪の上を走る乗り物・・・前に見たことがあるんですけど」


「あっ、ソリ? いいよ~

 でも、どっちもいくつかあるかも・・・

 どうしよう?簡単なの?

 フネだったら、フネだけの本もあるんだけど。」


ん~、チョコ様のホンって、どれだけあるんだ?

まずは、簡単なのを会議用に見せてもらって、そのあと、専用のホンを見せてもらおう。


「最初に、簡単なので、あとでフネだけのホンをお願いします」


コクン


ちょっとの間、チョコ様が消えて、コトンとホンを持って現れた。


「はい」


「ありがとうございます!」


まずは、二双舟を折っておく。

これは、念のための確認だけ、もうホンがなくても折れる。


「チョコ様、折り紙百科も見せていただけますか?」


コクン、パッ・・・コトン。


「はい」


「ありがとうございます。」


ヨットとソリを折る。

難しくはないが、ホンがないとまだ折れない・・・

ひとまず、どちらも10個折ってみた。

これなら、大丈夫だ!構造は頭に入った。


あとは・・・

「フネだけのホンをお願いします。」


コクン、パッ・・・コトン。


「はい」


・・・? 薄い


「あ、ありがとうございます。」


ひらいてみた、これは・・・無理だ。

じっくり取り組みたい!

リリに写しておいてもらって、見本も折ってもらおう。


「リリ・・・、頼みたいんだけど。」


「写しと見本だね~

 いいよ~、サナと作っておくね。」


「うん、ありがと!頼んだ!」



トトとリリが仲良しでうれしいから、

わたしの勝ち!

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