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異世界折り紙物語  作者: Chieko
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5/11

第五話 お話は、おばあちゃんとどうぞ

話は、おばあちゃんの家ですることになった。


よかった

私はおばあちゃんの隣

反対側にはアル


うん、完璧!


さっき怒鳴った偉そうな人は遠いし

その人と私の間に、魔術師が座った。


偶然かな?

まっ、いいや



わかんないけど、私の勝ち!



「先ほどは、すまなかった」


偉そうな人が言った。


・・・・


ぺこ


頭だけ下げる


「驚かせるつもりはなかった」


こく


「ただ、あの紙は魔術に使用するもので、昨日のこともあり――」


こく


「……分かってもらえただろうか」


こく


なんか困ってる

泣く子は強いからね~ ふふっ


大人ですから、知ってますよ

勝手に持っていったらダメ!


「チョコ」


おばあちゃんが言った。


「紙を勝手に持っていったのは、よくなかったね?」


こく


「ごめんなさいは?」


「……ごめんなさい」 言った

小さい私、偉い!


本日の会話終了でいいよねw



「では、私から」魔術師が話し始めた。


こっちを見る


「質問には、頷くか首を振るだけでも… 構いません」


・・・・


お、おぬし、わかっておるな!

いい人


こく


「昨日の百合を、もう一度折れるということで間違いないですか?」


こく


「同じ形にですね?」


こく


「魔術紙でなくても折れるのでしょうか?」


こく


「どんな紙でも?」


・・・・


首を傾げる


「折れない紙もありますか?」


こく


「厚さや大きさなどによってでしょうか?」


こくこく


魔術師が記録する。


この人、話が早い


「昨日の紙が、術式紙だと知っていましたか?」


ふるふる


「折ることで魔術が発動すると知っていましたか?」


ふるふる


「村全体の作物が育つと・・・思っていましたか?」


ぶんぶん


「本当に、ゆりを折っただけ?」


こく。


「なぜ、ゆりを折ったのですか?」


・・・・


おばあちゃんを見る


「私にくれたんですよ。ご飯のお礼に」


こくこく


完璧!


ぜ~んぶ、おばあちゃんが答えてくれたらいいのに



話は、今年の作物のことになった。

雨が少ない。

この村以外にも、作物が育っていないところがたくさんある。

このままだと、確実に飢饉が訪れる。


・・・・


それは・・・大変ですね・・・

でも、この村は、大丈夫そう

半径30mの人がしあわせなら、それでいいんだけどな…


「そこで」


偉そうな人が言った。

「おまえに協力してもらいたい」


・・・・


「我々が用意した紙で、昨日と同じ百合を折るのだ」


あぁ~ めんどうなやつっぽい


でも、折るのはいいよ

紙、くれるみたいだし!


「この村の反対側に実ってない畑があった。

 ます、そこで再現できるか確認する」


こく。


「成功すれば、ほかの村でも試したい」


?????? 他の?


「そのために、我々と一緒に来てもらいたい」


・・・・


ぶるぶる


・・・・


いや!お前と行きたくない

絶対、怒鳴るし、ご飯抜きとか言いそうなキャラ


行かない!


「もちろん馬車も、護衛も用意する

 食事や宿もこちらで用意する」


じー


食事・・・

でも、やっぱり、食事抜きって言いそう!


「今、迷っただろ」とアル


違う! うるさい!


ぶんぶん!


「絶対迷った」 


迷ってない! 

おばあちゃんのごはんがいい!



「なぜだ、我らに随行できるなど

 光栄の極みだ!」


偉そうな人が言った。


・・・・


その「我ら」が嫌っ・・・って言ったら

怒るよね~


おばあちゃんを見た


「知らないところへ行くのが怖いのかい?」


こく


「知らない人ばかりなのも・・・嫌?」


こくこく


「ここにいたいのかい?」


こく


さすが、おばあちゃん! 全部伝わった


「では・・・」


魔術師が考えながら言った。


「知っている人が一緒なら、どうですか?」


・・・・


おばあちゃん?

でも、おばあちゃんを連れ回すのは違う


部屋の中を見渡してみる


アル? 目が合った


じー


「……なんだよ」


じー


「おい」


アルを、指さす


「俺!?」


こく


「なんでだよ!」


一昨日から見てるけど

アルは、ちゃんと人の痛みを知ってる

なんだかんだ、やさしい人だ

それに、この村、アルにやさしくないんだよね


「この少年が一緒なら、行けますか?」と魔術師。


こく


「勝手に決めんな!」 アルだけが反対している


魔術師がアルを見る


「しかし、君も八歳ですね」


「だから?」


「子どもが子どもの保護者というわけにはいきませんね」


「俺、行くって言ってないからな!」


「大人の同行者が必要と思われます。

 誰かいますか?」


魔術師と目が合った


「…………」


「…………」


ふいっ


「なぜ目を逸らすのですか」


まだ、知らない人だから?


・・・


それにしても、今日はちょっとまだ眠い

おばあちゃんにもたれかかってると

あったかくていい気持ち・・・



うとうとしている間に

アルと魔術師さんが外に出ていったみたい

で・・・結局

大人たちがアルを説得した…と!


やった!


アルと目が合ったから

両手を合わせて、にこっ!


ありがとう!


「喋れよ!」とアルが叫んだw



寝てたけど

大人の協力で・・・・ 私の勝ち!



アルの同行が決まって

魔術師の同行も、いつの間にか決まっていた


「私も同行します。

 今回の現象は、魔術的な調査が必要です。

 また、術式紙の管理者も必要です。」


こく。


紙・・・

管理される

仕方ないか・・・


「勝手に触らないでください」


こく


「勝手に折らないでください」


こく


「折りたい場合は、まず私に言ってください」


・・・・


なんか、嫌っ!


「チョコさん?」


・・・・


「この間は、なんですか」


知らない!



大人たちが帰ったあと、

家の前で隣に座ったアルが


「お前のためじゃないからな」


こく。


「俺が行くって決めたんだからな」


・・・


「聞いてんのか?」


こく


「じゃあなんか言え!」


・・・ なにを言う?


あ・・・


「アル?」


「なんだよ」


「紙飛行機する?」


・・・・


アルはしばらく私を睨んだ。


「する」


魔術師が置いて行った、普通の紙を二枚


2人で折った


アルの、ちょっとずれてる

飛行機は、ズレてると回っちゃうんだよなぁ~

まっすぐ飛ばしたいかな?


「そこ、もうちょっとだけ、そろえるとよく飛ぶよ」


「急に喋んな!」


だって・・・

飛ばしたいでしょ?


ぷんぷんしながら、アルが折り直す。

今度はきれい。


「うん」


「なんなんだよ、お前……

 折る時だけ、よくしゃべるよな」


二人で飛ばして遊んだ

近所の子供たちが、遠くからみてる


明日から

なんだか面倒なことになりそうだけど


アルがいる

おばあちゃんもいる

帰ってよさそうな場所もできた


異世界転生3日目にしては

なかなかいいスタートじゃない?

キラキラしてないし、チートもなさそうだけど

まぁ、食べて寝て、折れるから、よし!


それに、あの魔術師さん

セドリックさんっていうらしいけど

質問には頷くだけでいいって言ってたし

折り紙にはまりそうだし

ひとまず嫌じゃないな


「チョコ! 取って!」


紙飛行機が足元に落ちる

拾った

でも、走らない!


昨日、転んだから


私は学習できる!!  たぶん・・・



明日、術式紙で、もう一度百合を折るらしい

今度は、ちゃんと折っていい紙を渡してくれるみたい


・・・・


ちょっと楽しみ


・・・いや、 めっちゃ楽しみ!!


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