第三十九話 おいしいユニット
子どもたちが、研究棟に来た。
おびえている目をしている。
なにされるか、わかんないからな。
もともと、魔術師たちは、見た目がこわいから
俺とロン、トト、リリで対応することにしていた。
「やぁ、俺、アル!、ロンとトト、そしてリリだ。
魔力を減らして、暮らしやすくなるように手伝うよ」
「・・・・」
「まぁ、これを持ってみて」と12枚組のユニットを渡す。
「・・・・」
なにさせられてるんだって思ってるw
そりゃそうだ
俺も、あんな顔してたのかなぁ~
「なぁ、少し楽になってきたんじゃないか?」
全員が、首を縦に振る。
「こわいことはない。紙を折ったりするだけだ。
できそうか?」
「わ・・・わかった」
魔術師たちも紹介した・・・
ちょっと怖がってたけど、しばらくしたら慣れてきた
みんな、魔術のことを話すときは、子どもと一緒だからなw
さぁ、ここから実験だ。
怖いままだと、うまくいくものも、うまくいかないからな。
◇
「セドリック様、ご報告です。
新たに集められた子どもたちも、
12枚組で魔力吸収が確認できました。
また、ユニットを折ることでも吸収されますし、
ユニットの完成度が高いと吸収率があがります。
なお、魔力が満ちた6枚組を魔力の少ない者に与えたところ
問題なく、術式紙を発動できました。
12枚組は、発動後に魔力が残ります。
ユニットに関する仮説は、実証されたとしてよいかと。」
「わかった、陛下に伝える。」
・・・・
「陛下、ユニットに関する仮説が実証されました。
魔力過多の子どもの魔力は、吸収・保管でき
保管した魔力は、術式紙の発動などに利用できます。」
「ふむ・・・、どうするか。」
「人の命の問題ですので、ユリと同様に
陛下から、国民に広めていただければと。」
「ふむ・・・」
「また、赤子の件ですが、魔力のないものに、
普通の紙で、ユニットを折らせて持たせても、
同じ吸収・保管が確認できました。
赤子の親が折ってもよいということになります。」
「みな、どう思う?」
「国営商店で、買い取り、魔力量を調整し
術式紙発動可能程度のものを販売するのはいかがでしょうか。
買い取ってもらえるとなれば、
魔力の多い子を打ち捨てることも減るのではないでしょうか。」
「しかし、そのために、魔力を搾取するものが現れるのではないか。」
「そこは、売った者と量を記録し、
状況によっては、魔術師に確認に向かわせるのがよいのではないか?
あまりに多い魔力であれば、こちらで育てた方が安全かもしれぬし、
搾取防止にもなる。」
「術式紙の発動用だと、6枚組になるかと思います。」
また、使用した6枚組も回収し、折れない者向けに販売するのはいかがでしょうか。
12枚組より量は減りますが、魔力吸収することは確認できております。」
「ふむ、では、この内容を書面でまとめるように。
不備がなければ、お触れをだそう。」
◇
「リリ~、これセドが欲しがってたの」と
花のくす玉の「魅惑」を渡した。
ちょっと、トゲトゲなんだけど、中心は広めのお花。
外花冠が2枚としべが1枚の三枚で1輪分。
それを13個で丸く仕立てた作品。
「わぁ~、きれい、セドリック様よろこびますね!」
てへっ・・・ほめられちゃった!
「あとね、これもあるんだ!」
こっちは、「和の扉」
2枚組で1輪、12個組!
千代紙で折ると最高に美しいんだけど、ないから青と白で
ふふ、こっちは房もつけてみた
「まぁ、こちらもかわいい!」
「チョコ様、折り方を教えてください!」
「いいよ~」
久保満里子先生の花のくす玉は
基本の形がシンプルなものが多くて
重ねるから、豪華になるんだよね!
パーツを覚えるたびに、自分のお花もできるようになって
めっちゃ楽しいんだよね~
「これ、ルルも好きかも~」
「そうですね、好きだと思います!」
だよね~
今度、ルルにも教えてあげたいなぁ~
なんて、話してる横で
ヤッコがおやつの二枚組に抱き着いてるw
かわいい~
いまだに、目が合うと、ペコリってしてくれるんだよね!
ペコリ
花のくす玉、リリと折ったから
わたしの勝ち!
◇
ユニットについてのお触れが出てすぐに、
国営商店は大変なことになった。
特に、孤児院からの持ち込みが多かった。
魔力過多の子は、何が起きるかわからないから
捨てられてしまうことも多いのだろう。
今回の、ユニットの買い取り・販売は、孤児院の運営にも役立ったようだ。
もちろん、親からの持ち込みも多い。
ひっそりと貴族の使用人が売りに来ていることも確認できている。
ユニットについては、魔術会議で発表することが決まっている。
魔力を蓄える方法について、他国に開示する是非については賛否両論あったが、
秘匿したことが露見した時のリスクや人命救助の観点から開示が決まった。
・・・まずは、一段落か・・・




