第三十八話 ルルとオリガミ
今日は、ロイさんにおんぶ紐をお届けの日!
できたんだよね~、おんぶ紐!
セドがガン見してたのが、若干心配・・・
私がおんぶされるなんてことないよね!
抱っこが限界だから!
・・・・
台所で、ロイさんの帰りを待ってるの
ルルのパパと一緒に買い出しに行ったんだって
今日は、おばあちゃんがお芋のスープを作ってくれる日
この世界に来て、最初に食べたものだから時々食べたくなるんだぁ~
あの時より、具材も増えて、ずっとおいしいけどねw
お芋をむくのを手伝ったよ
この皮の量、すごっ!
全部、肥料にしちゃうんだって・・・もったいない
すこしもらって、細く切って油で揚げ焼きにしたら
もったいないフライドポテトのできあがり!
ん~~~~~~~、懐かしい味!
おいしいから、
わたしの勝ち!
◇
「大変だ!早く、誰か来てくれ!」と、ロイさんが大声で叫んだ!
町で、ルルのパパが馬車にひかれたんだって!
ここのお医者さんも、すぐに来て診てくれた
傷口を縫って、添え木もして、薬も出してくれた
セドが、治癒の術式紙を用意してくれた
すこしだけど、早く治るんだって
ルルが泣いてる、ルルのママは顔色が悪い
・・・泣いてる余裕もないんだろうな
別邸にいるから、生活はなんとかなるはず
セドに頼めば、なんとかしてくれると思う
でも、治るまで心配だよね
後遺症が残ったら・・・とか考えちゃうよね
怖いし、不安だし、心配だし・・・って
心も頭もぱんぱんになっちゃうよね
・・・・
ルルの隣に座った
いまは、これだけ
ヤッコも、ルルのそばに寄り添ってる
・・・・
あれから2日経った
別邸に日常が戻ってきた
ルルも、研究棟に戻ってきたって
お昼ご飯にも来たけど、元気ない
パパのケガ、思ったより深くて後遺症が残りそうなんだって
心配だよね・・・元気がなくてもしかたないんだけど
・・・・いやだな
ん~~~~
セドにルルと遊びたいってお願いした
ルルはお仕事あるから、なかなか遊べないんだよね
部屋に来たルル、やっぱり元気がない
「ルル、いらっしゃい!
こっちに座って」って、ベッドに座ってもらう
ふわふわは、気持ちいいから!
「鶴、折ってみる?」
「ツルですか?」
「うん、願いを届けてくれる鳥なんだって
本にね、千羽鶴って載ってて
早く元気になってねってお願いしながら折るんだって」
「センバヅルですか?」
「うん、鶴を1000羽、折るんだってw
すごいたくさんだよね
折ってみる? 少し難しいけど」
「はい!」
一緒に、鶴を折った
何枚も、何枚も、
最初の三角を折る時にね
お願い事を包むように折るといいんだ
たまに、そんなことを話したけど
それ以外は、ほとんど話さずに折った
100羽くらい折れたかなぁ~
針にひもを通して、鶴をつなげていく
ルルも、見よう見まねでつなげる
少しだけ、ルルの表情がやわらかくなった
折ってると、頭の中が空っぽになるから
心配事も、その時だけは消えてくれるから
ちょっと、楽になってくれるならいいな
「チョコ様、家に帰ったら
父と母と三人で折ります!
ありがとうございました。」と言って
鶴を持って帰っていった
ルルが少し元気になったから
わたしの勝ち!
◇
「チョコ様に教えていただいたの!」
お父さんのベッドの周りに、お母さんと一緒に座って
三人でツルを折った
最初の三角には、みんなで願い事を包んで
そして・・・一緒に折っていく
一緒に仕上げたら
なんだか、ふわっと、
家の中があったかくなった気がした
久しぶりに、みんなが笑顔になったの!
チョコ様、ありがとう!!
◇
ルルがチョコ様を訪ねてから、一か月、
ルルの父親は、すっかり元気を取り戻し、仕事に復帰した。
医者に確認したが、脚を軽く引きずるような後遺症が残ると聞いていたのに、
すっかり、元に戻っている・・・
研究棟で、ルルに何をしたのかを確認した。
家に帰ってから、みなでツルを折っていたそうだ。
父親は、ベッドにいる間は、一日折っていたとか・・・
チョコ様に、「最初に願いを包むように三角を折る」と習ったそうだ。
魔術・・・ではない、折ってもらったツルに魔力はなかった
なんなのだろう・・・
穏やかな気持ちになれたとは、言っていた。
そして、心配が少しずつなくなったと。
すっかり良くなったことは、よかった。
よかったのだが、この治り方、
チョコ様と関係がないといえるのだろうか、
どう、報告し
どう、記録すべきなのか
頭が痛い。
◇
大騒ぎで、すっかり忘れてたおんぶ紐
ロイさんにお届けできた!
さっそくね、使ってみたら、すごくよかったって!
あかちゃんママがよろこんでくれたから
わたしの勝ち!




