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異世界折り紙物語  作者: Chieko


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第三十二話 オリガミ、いっぱい!

「陛下にご報告でございます。」


「ふむ・・・」


「このところ、聖女チョコ様は気分が落ち気味でございました。

 医師の診断も受けましたが、体調の問題ではなく、

 見守っておりました。


 そんな中、昨日夕飯を届けましたところ、

 チョコ様が見慣れぬ書物を見て、紙を折っておりました。


 確認させていただいたところ、

 チョコ様がネックレスを握ると、お姿が消え

 しばらくすると、違うオリガミの書物をもって戻られました。」


「それは、どういうことだ?!」


「チョコ様にも、わからぬことのようです。」


「して、その書物は、いかほどある?」


「わかりませぬ。

 聖女の奇跡としか申し上げられません。」


「その書物は、貸していただけるのか?」


「チョコ様は『絶対ダメ』と。」


・・・・・・・


「そ、そうか・・・

 記録に残し、引き続き見守りを頼む。

 変わったことがあったら、すぐに報告を。」


「承知しました。」


ひとまず、気まずい報告が終わった。

あれ以降、チョコ様は、頻繁に消え、

嬉々として異なる書物を持って現れる。


途方に暮れるサナとリリを後目に、

書物を見ながら、新しいオリガミを折っていらっしゃる。

それは、初めて見るものというより、

知っているものを、確認しつつ折っている様子だ。


チョコ様は、どこからいらしたのだろう。

あのような幼子の様子をしてらっしゃるのに、

たまに大人のような様子もお見せになる。


ベッドで使える机やダキマクラなる物も

貴族の間で流行し、隣国まで行商が届けているとか。

オリガミだけでなく、商業まで活発にしてくださって

チョコ様は、神からの御使い・・・なのだろう。


やはり、表に出ていただくわけにはいかぬ。

このまま、別邸で静かに暮らしていただこう。


◇


「サナ様・・・私、もう限界です

 チョコ様は、やさしく教えてくださるのですが、

 数が・・・」


「リリ、・・・わかります。

 これは、セドリック様に見ていただかないと」


・・・・


これは、どういう状況だ?

チョコ様のお部屋が見たこともないオリガミであふれている。


サナとリリは、はじめは覚えてスリーディーオリズにしていたそうだが、

チョコ様の勢いがすごすぎて、もう追いつけないという。

ここまでになっているとは、知らなかった。


チョコ様は、書物に描かれている図を見て、

オリガミを折っていらっしゃるのだが、

サナとリリには、その図が難しいそうだ。


チョコ様が元気になられたことは、なによりなのだ。

新しいオリガミが増えることも、許容範囲内ではあるが

それを記録することが難しいとなると困ってしまうのだ。


トトを呼んでみるか・・・

トトは、オリガミを俯瞰して見る力があると報告を受けている。

チョコ様に負担をかけずに、なにかを変えられるかもしれぬ。


いつの間にかそばにいたヤッコ殿が

ペコリ・・・とお辞儀をしてくれた。


この胃の痛さを理解してくれるのはヤッコ殿だけかもしれぬ。


◇


早速、翌日、トトをチョコ様の部屋へ呼んだ。


目を丸くしながらも、

「チョコ様、少し片付けますね。」とオリガミを種類訳していく。


「チョコ様、その書物、僕にも見せていただけますか?」と

チョコ様に手を差し出す。


チョコ様も、友達に本を貸すように手渡している。


しばらく本を見ていたトトは、


「チョコ様、この部分は、こちらのオリガミと同じでしょうか?」


「基本形だから、いっぱい使う」


「なるほど、では、こちらもキホンケイでしょうか?」


「それは、風船の基本形」


「フウセンノキホンケイ・・・

 キホンケイは、いくつもあるのですね。」


コクン


「この書物にキホンケイは描かれていますか?」


少し悩んだチョコ様が、ネックレスに手をかけて消える。

そして、違う書籍を持って現れた。


「こっち、ここからここまで、基本形」


「ありがとうございます!チョコ様!」


・・・・


「セドリック様、見せていただいたキホンケイによると

 このキホンケイから折るオリガミが多いようです。

 このキホンケイを写させていただけば、

 そこから先の記述だけで記録が済みます。

 少しは、楽になるのではないでしょうか。」


「それで、頼む」


「ただ・・・、この書物によると

 キホンケイだけでも、かなりの数があるようです。」


「・・・頼む」


トトは、チョコ様と話しながら、キホンケイの記録を始めた。

チョコ様も楽しそうだ。

オリガミが、心底お好きなのだ。


・・・・


セドが微妙に凹んでる

本かしてあげなかったからかな?

だって、セドったら

研究モード入ると返してくれなさそうなんだもん


まぁ、トトが楽しそうだから

わたしの勝ち!

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