第三十話 私の本
それからは、健康的に
朝は畑
午後は制作
しかも、セドの監視付き…が始まった
頼まれた15個、全部納品完了!
なにがいいって
王様相手じゃないから
お部屋で護衛さんに渡したら終わりw
らく~~~~~~
いっぱい折るところは
リリとサナ、ルルも手伝ってくれたし
楽しかった~
・・・・・ でもね
でもね!
でもね!
本が見たい!
頭の中にはあるの!
あの作品、この作品って!
折り方もぼんやりわかるんだけど
ぼんやりなの!
あぁ~~~~わたしの、バカ!
なんで、覚えてないかなぁ~
はぁ~~~~~~~
もっといいもの作れたはず、
本があれば・・・・
異世界だから、著作権も気にしなくていいよね
いや、尊敬もしてるし、敬意も持ってるけど
でも・・・・
昔、どこかで目にした言葉が残ってる
詠み人知らずになって
伝承作品と呼ばれるようになった時
初めて折り紙作家と名乗れる…という言葉
こういう考え方が、好きなんだよね~
現代社会的ではないけどね
でも、異世界だからw
本~~~~~~
カンバ~~~~~~~ック!
あぁ~
鶴の華の未解読展開図も
今なら、ずっと研究できる!
・・・・・・・・ 凹む ・・・・・・・・
ダメだ、寝よう!
◇
チョコ様が、誰ともお話にならないと報告があった。
お部屋をのぞくと、
布団にくるまっているチョコ様と、
そばに寄り添うヤッコ殿。
リリとサナも困り顔だ。
部屋を離れて、
スリーディーオリズの作業をするように指示した。
また、研究棟に使いを出して、
アルたちを呼び寄せたが、
それも効果がなかった。
ミド殿にも来てもらったし、
おやつや新しい紙も用意したが、
どれにもなびかない。
こんなことは初めてだ。
さすがのアルも頭を抱えた。
しかし、今までがおかしかったのかもしれない。
年端もいかぬ子に飢饉を救わせ、
王都に幽閉し、
作品を大量に作らせ…
気を病まない方がおかしいのだ。
医者によれば、体には問題ないとのこと、
少し、静かに、そっとしておくようにと言われた。
扉の外、窓の外の護衛以外は、
しばらく部屋には立ち入らないこととなった。
食事は取ってくださるのだから、
しばらくは見守ろう。
◇
そういえば、最近誰も来なくなった
頭の中を整理するにはちょうどいいかな
鶴の華の展開図
思い出せるだけ書き留めておこうかな
手が覚えてるのは、描きおこせるんだけど
頭だけで覚えてるのはダメだなぁ~
やっぱり、たくさん折らないと!
転生前の自分、もっと折って・・・・って、
いま言ってもね、はぁ~
・・・・・
ベッドで腹ばいになって展開図を描く
覚えてるのが、20枚くらいか~
正方形を描いて、その中に
鶴の位置と周りの折り線も描く
折ってみて、開いて
なんてやっていたら
?
こんなのつけてたっけ?
いつの間にか、ネックレスをつけてたみたい
ぶらんぶらんして邪魔!
サナがつけてくれたのかな?
そんなこと言われてたっけ?
ん~~
思い出せない!
なくさなきゃいいよね?
外したらダメって
多分言われてない・・・きっと・・・
ん~、どうなってるのかな
どうやって外すんだろう?
結構なピッタリサイズだし、金具がない?!
どうするのこれ?
この本みたいなチャーム握ったら外れるとか?
ギュッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここ…どこ?
本が……
本がある!
えっ、なに?夢?
私の本!
私の資料!!!
あっ、涙出てきちゃった!
やっと逢えたね
やっと逢えたね
夢でもいいよ!
もう、何売ってるのかわかんない
古本屋さんみたいな状態でも許す!
ちゃんと片付けてあげるから
スーパーの雑誌棚まで整理したくなる
本だけ片付けたい病の私に任せて!
まずは、数が少ないキングファイルから
鶴の華、論文、儀礼折り、アクセサリー
花のくす玉、折り紙についてたオマケ折り図
私が作った折り図……で分けて
あと本は、著作者別に
それから、大雑把に種類別に
昭和時代、クリスマス、ユニット、花
動物、キャラクター、鶴、海外の折り紙の本
あとは、フラワーアレンジメントと千代紙細工
古紙のリサイクル関係、ペーパークラフト
そして、紙の作り方とかの本……に分ける
ん~、だいぶきれいにまとまった!
あぁ~、しあわせ
背表紙見るだけで、満たされる!
そういえば、転生前も
本棚の前でしあわせになってたら
息子君に白い目で見られたっけw
「いや、しあわせそうだね」って(汗)
同じ、しあわせをまた味わえるなんて!
夢でもうれしい!
鶴の華の片羽つき、ちょうどいま描いてたんだよね
キングファイルをつかんだ途端
グルんと世界が揺れて部屋に戻った
手には
手には
キングファイル!
鶴の華 片羽つき!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
キングファイルの下で、ヤッコがバタバタしてる
現実?!




