第二十四話 研究棟は大忙し
チョコに会ってから、いろんなことが変わった
変なやつだった
紙を見る目は怖いくらいキラキラしてたし
渡したら折るし
ヒコウキ飛ばすし
泣くし・・・
でも、村から出るきっかけをくれた
いくつかの村をまわってて
いまの俺だけを見てくれる人たちに会えた
すごく、肩の力が抜けた
いま、研究棟では仲間ができた!
大人の魔術師たちだけどw
ヒコウキを教えたのが始まりだ
「ここを、このようにカーブさせることで安定するのでは?
あっ、なるほど、そういう方法があったのですな!」
「なんと、紙を横にして折るのですか?!
まったく、異なる形状になりますな。
これですと、浮かぶ時間が増えるのでは・・・
さっそく検証してみましょう」
トトたちの村でも、似たようなことをしたwww
大人なのに、子どもみたいなんだ
術式紙もたくさんある
「ヒコウキは、まず風の術式紙で折りましょう」
「いや、水でもやってみたい」
「いやいや、火の術式紙なら攻撃に使えるのでは?」
結局、風から始めたけど
術式紙は、飛ばしちゃダメだった。
ヒコウキみたいに押し出すように投げたら
壁に刺さったwww
みんなで、驚いて
みんなで、笑った!
何度も、失敗した
でも、誰もガッカリしないんだ!
なるほどなるほどって、メモを取ったら
もう次の実験www
「アル、ヒコウキを手のひらに乗せて
魔力流してみてください。
君が一番魔力あるから、頼む!」
ちょっとだけ、泣きそうになった
魔力あることが否定されない世界だ。
セドが、世界は広いって言ってたけど
きっと、セドは知ってたんだ・・・
もっと、もっと魔力をコントロールできるようになる
もっと、もっとオリガミを使えるようになる
そして、絶対にチョコを守る
あいつ、オリガミ以外、ダメダメだからな
それに、セドにも恩返しするんだ
世界は広いって教えてくれたから
うん!まずは実験だ!
チョコが折ってた箱には、空間魔法が合うと思うんだ
折り方を習ってこないとな
荷物が大量に入ったら、旅も楽になるしな
あと、ニョロニョロ・・・
あれは土魔法かな、勝手に動いても困るから
大きめの箱の中で逃げないように実験しないと
・・・・
ユニットは、毎日必ず折ってる
ヤッコの飯もいるしなw
ユニットの組み上げも、できるようになった!
30枚は苦戦したけど、もう大丈夫
12枚組、30枚組は持ってると
魔力を追加できるらしい
俺は、有り余ってるからわからないんだけど
魔術師たちが、ユニットを持つと
魔力が上がるってよろこんでた!
それもあって、毎日30枚は折ってるんだ
段々、きれいに折れるようになって
きれいに折れるとしっかり組めて
魔力の漏れがなくなるんだ
この間、チョコが全然ちがうユニットを折ってた
クスダマとか呼んでたけど
あれで折るとどうなるのか・・・
今から楽しみなんだよなぁ~
今度、教えてもらうんだ!
◇
毎日毎日、術式紙をつくり
依頼された魔法陣を描くだけだった
魔術師など、そんな仕事だと納得していた
いい仕事だ。
毎日、同じ時間に帰ることができるし
コツコツ真面目にこなしていれば、給料もいい
そんなものだと思ってた
この研究棟に入るまでは・・・
聖女様の奇跡の検証とだけ聞いていた
オリガミを術式紙で折るだけだと
アルベルトが来て、なにかが変わった
アルベルトは、オリガミを教えてくれる
教えてくれるのだが、そもそも上手くいかないのだ
でも・・・
アルベルトは、それを否定しない
間違ったところから、
こうしたらおもしろいかもとアイデアを出す
アルベルトによると、オリガミとはそういうものらしい
聖女チョコ様が、そう言っていたと
術式紙とオリガミを合わせるのも、おもしろい
ヒコウキと風
飛ばして、壁が壊れる
頭の中に始末書という言葉が浮かんだが
アルベルトの笑い声がそれを流した
みんなで、力加減を変えて飛ばしたせいで
壁は穴だらけになった
結果、手のひらの上にヒコウキをのせて
「飛べ」というだけでよいとわかった
多分、アルベルトがいなければ
初めにそれを確認したと思うけれど
楽しかったから、いいか・・・と思う自分に驚いた
実験メモは膨大になっている
まとめなければと思うけれど
毎日、とても楽しくて
文書仕事に手が付かない
この間、王宮に呼ばれて叱責された
しばらくは、文書仕事をしなくては・・・
皆で手分けして、さっさと終わらせようと話した
アルベルト・・・アルが来て
世界が色づいた気がする
残業が増えたが、気にならない
妻にはちょっと呆れられているが
でも、オリガミを教えて許してもらっている




