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異世界折り紙物語  作者: Chieko


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第十五話 ご飯がおいしい

チョコ様が光ったあと

村、全てに豊穣が行き渡った

一瞬でだ


しかし、チョコ様は倒れ

一日経っても、まだ目覚めぬ


「チョコ、死なないよな」


「呼吸は、正常です」


・・・・


アルから、なにが起きたのかは聞いた

チョコ様に渡していた普通の紙で

鳥を折られたのだとか

チョコ様が泣いていたから

アルが手を添えた

ヤッコも寄り添った

そして光った


・・・・


なぜ、泣いていたのだ

私は、なにをした

なにを見逃したのだ


奇跡の正体を明かすべく

奇跡の再現を正確に起こすために

チョコ様の一挙手一投足まで

見てきたはずではないか


「なにを見逃したのだ」


「見てたんじゃねえの、ずっと

気づかなかっただけだろ」


「気づかなかっただけ……とは?」


「知らねえよ!自分で考えろよ!」


実験材料扱いしてるから

見てるのに見えないんだよ!

教えてなんてやらない

自分で気がつけ!


・・・・


見てきたものは、ここにある。

この山のような書類に全て記した。

発動条件と思われるものは全て。


何を折ったのか。

どの紙を使用したのか。

どのように折るのか、その詳細も。

どのような現象が起きたのか。

食事、睡眠、行動…

可能な限り記録した。


最初の村で、豊穣の奇跡が起きた。

食事→ゆり→睡眠


次の村では、発動が不調に終わり

改めて、同じ状況を再現した。

食事の内容も揃えた。

硬いパン、芋のスープ。

量も変えなかった。


その後、

子どもとの交流が必要だとわかり

子どもを集め、遊ばせ、同じ食事をさせ

そして、ゆりを折らせた。


…………。


私は、

何をしていた?


チョコ様は、術式ではない。

実験条件でもない。


まだ、

五、六歳ほどの子どもなのだ。


ほとんど話さず

引っ込み思案で

時々、得意気に笑ってて

よく泣いて、寝る

紙が好きで

楽しそうに他の子と折り紙をする

しあわせそうな子どものはずだ。


なにをした。

昨日のチョコ様はどうだった……


ほとんど話さなかった。

いや、いつもの事だが

それにも増して、口を閉じていた。

笑っているのに笑っていなかった。

明らかにいつもとは違っていたのに。

見えていたのに見ていなかった。



子どもだ

奇跡を起こす道具ではない。


「すまない。

見えていたのに、見ていなかった。」


「わかったか?

昨日、チビどもと遊んでても

楽しそうじゃなかったんだよ、こいつ

難しいことはわかんねえけど

昨日は、折る時もしあわせそうじゃなかった

今までと、全然、違ったんだ」


真剣に、でもどこか楽しそうに

しあわせそうに紙を触る小さな手


この小さな手に、

どれだけのものを背負わせてしまったのか……


この子が宝なのだ

我々の事情から守らなければ


◇


「セド!動いた!」



……知らない天井

どこ???


アルとセド

そして、ヤッコが一斉にのぞきこんできた


「・・・ご飯?」


3人とも、一斉に崩れ落ちた


なんなんだ?


◇


どうやら、丸一日寝てたらしいw

村は、大豊作になったらしいし

よかった、よかった!


「チョコ様、なにを召し上がりたいですか?」


セド、熱ある?

転生した?


あっ、飢饉終わったから、選べるってこと?

ヤッタ!


えっとね~

んっとね~

あれだな!


「あまいの!」



飢饉終わって、甘いの食べれる

私の勝ち!


◇


しかし、今回の件

全てが覆ったに等しい


普通の紙で折った鳥が豊穣の奇跡を起こした

アルとヤッコの関与があったのか…


チョコ様が折ったものに

魔力がないことはわかっている


そして…

なぜ、チョコ様は倒れられたのか


……謎ばかりだ

それとも、見えていないだけなのか。


◇


果物に、ふかふかのパン

ミルクまである!

贅沢すぎじゃない?

大丈夫なのかな?


「お前、気づいてないの?」


???


「バカだな、領主様直々のご依頼だぞ

護衛だって、干し肉を食べてるんだ

お前だけ、

硬いパンと芋のスープだったんだよ」


え、え~~~~~

アルなにいってんの?!

もしかしてあれ?再現実験の一部!!!!

嘘でしょ!!


セド、許すまじ!


「怒った、怒ったwww

セド、俺は知らないぞ!」


・・・・

・・・・

・・・・


セドが、這う這うの体で謝って

たくさん、普通の紙をくれたから

しかたない、許す!


私の勝ち!


◇


ん~~~

ん~~~


アルの方を見る


「喋れよ!」


とはいってもね~


ん~~


「あれだろ、他の人にゆり折らせたいんだろ」


!!!!!

なんでわかった?!

読心術?!


「どういうことですか、アル」


「たぶんだけど、こいつじゃなくてもいいんだよ

こいつ、聖女って柄じゃないし

村のことをなんとかしたいと思う誰かが

術式紙でゆりを折ればいいんじゃねって

言いたいらしいよ」


「それ!」

思わず、声が出ちゃった!


やっぱ、アル読心術できるんだ!

魔力すご!


あ~~~

セド、固まったwww



…ということで

私の勝ち!

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