第十四話 お仕事じゃなかった
次の村ではね、
遊ばせてくれたよ
お出迎えも、ご挨拶もなし
おかげで聖女様云々も聞かなくてすんだ!
よっしゃ!
聖女じゃないしね!
折ってるだけだから
なんだったら、
アルとかセドが、折ればいいんじゃない?
魔力あるんだし……
紙もらえなくなるの嫌だから
言わないけどさ
ここは、子どもが多かった
15人くらい?
そもそも、今までで、
いちばん大きい集落なんだよね
かなり小さな町?みたいな
1人、アルのこと田舎者って罵ったんだよね
いや、五十歩百歩だから!
その子、他の子にも、
なんか嫌なあたりかたするんだよね…
寂しいのかな……
転生前までだったら、
ついつい寄り添って、
根っこを見ようとしたけど
今の私は、人見知りなのだ!
知ったこっちゃない!!!
……知らないったら、知らない
嫌いじゃないけど、好きじゃない
それだけ
・・・・
ご飯を食べて
ゆりを折ったら、ちゃんと光った
お仕事完了
楽しかったのは、楽しかった
折り紙だって、よろこんでくれたし
うん……
でも、なんか腑に落ちないんだよね
心配そうなヤッコと目が合った気がした
ヤッコ、目がないけど、
時々、目が合う気がするんだよね
アルは、子ども達から離れて外を見てる
なんか……嫌な感じ……
セドの仮説
ちょっとだけ、なにかが違ってる気がする
◇
翌朝、ちゃんと実ってた
よかった
うん、よかったんだよね
みんな、喜んでるし
飢えるのは辛いもんね
・・・・
確認に行ったセドが暗い顔で戻ってきた
「チョコ様、
以前と異なる点がなかったでしょうか?
子どもたちと遊び、ご飯を食べ
ゆりを折っていただく
ゆりを折る手順が
全く同じことも確認しております
同じ状況のはずなのですが・・・」
なにがあったんだろう?
アルが耳元で囁く
「ところどころ、枯れたまんまなんだよ
それに、村の端まで届いてないんだ」
……そんなこといわれても
なにもしてないよ?
ちゃんとお仕事したもん!
・・・・
・・・・
・・・・
お仕事……じゃなかったかも
楽しかったんだよね
うれしかったんだよね
しあわせだったんだ…
おばあちゃんに
アルに
ルルに
ロン、トト、リリに
笑ってて欲しかったんだ…
お仕事じゃなかった
ヤッコが、じっと見てる
ヤッコには、わかったんだね
多分、アルも少しだけ気がついてる
でも、言わない
セドは、見えてない
涙があふれてきた
やっぱり、こっちの私は泣き虫だ
◇
こういう時は……
鶴を折る
頭と心を整える
目を瞑っていても折れる鶴
でも、しっかりと、丁寧に
気持ちを包むように、
心を込めて、鶴を折る
鶴は富士に帰るって誰かに教わった
人々の思いを乗せて
霊峰富士に届けてくれるって
お願い
お仕事だからって、手を抜いたわけじゃない
誰かに不幸になってほしいわけでもない
ただ、ちょっと違っていただけ
鶴を持つ手にヤッコが寄り添う
いつの間にかアルもいて
アルも手を添えてくれた
・・・・
・・・・
・・・・
鶴が光った!
一気に光が外に向かって走る
セドが慌てて外に出る
村中が光っている
隅々まで、しっかりと
・・・・光ったから……わたしの勝ち……と
思ったところで気絶したらしい




