第16章:柔らかき覚醒
文法や構文に不備がございましたら、平にご容赦いただけますと幸いです。
認めざるを得ないが、天国というのはまったく悪くない場所だった。温かく、安心させるような心地よい香りが漂い、頭の下にある信じられないほどの柔らかい感触が実に素晴らしい。
まあ、遅かれ早かれこうなることは分かっていたが、それにしても……
「ハルキ……お願い、目を覚まして!」
おかしいな。聞き覚えのある声が聞こえる。
「ハルキ、頑張って、起きる時間よ! フー……フー……」
ああ、顔に優しく心地よい風を感じる……
「小僧、起きんと髪の毛を丸焦げにするぞ!」
一体全体何なんだ……。
俺はハッと目を開けた。そして現実が怒涛のように押し寄せてきた。天国などでは断じてなかった。俺たちはダンジョンの外にいて、草の上に横たわっていたのだ。セラは俺の頭を彼女の柔らかい太ももに乗せて膝枕をしてくれており、チョーローは俺に風を送ろうと尾の先で俺の顔を何度も叩いていた。
「ハルキ! よかった、目が覚めたのね! 気分はどう?」
「セラさん……俺……頭が割れそうだ。でも、あなた……生きているんだね!」
本能的に、二度考えることもなく、俺は向き直って彼女を強く抱きしめ、自分の顔を彼女に埋めた。セラは一瞬体をこわばらせたが、その後、無限の温かい優しさを込めて俺の髪を撫でながら、抱擁を返してくれた。
「でも、一体何があったんだ?」
俺は息を整えながら呟いた。
「覚えているのは、あなたが襲われていて……それから、頭に狂気的な激痛が走って……」
「我が教えてやろう、小僧!」
チョーローが俺の胸の上に飛び乗りながら呟いた。
「芋の袋みたいに気絶する前にだな、お前はあの忌々しい魔物どもを一人残らず粉砕する凄まじい黄金の魔法を放ったのだ! その後ノックアウトしたというわけだ。セラは血の出る傷を負いながらも、お前を背負ってあの地獄から引きずり出してくれた。そのすぐ後に、町から救助隊が駆けつけてきたのだ」
俺は周囲を見回した。数人の回復魔法使いが、俺たちから少し離れた場所に座っているガレンとリサナに応急手当を施しているところだった。
「私とあなたのことも治療してくれたのよ、ハルキ。とてもご親切な方々だったわ」
セラは微笑んだ。それから、彼女の視線は真剣で深いものへと変わった。
「ハルキ……あなたがいなかったら、私は死んでいたわ。二度も私の命を救ってくれた。あなたには計り知れないほど大きな恩があるわ」
「セラさん、恩があるのは俺の方だよ」
俺は彼女の目を真っ直ぐ見つめて答えた。
「あなたと出会ってから……すべてが輝いて見えるようになったんだ」
甘ったるいセリフだとは分かっていた。だが、純粋で紛れもない事実だった。
セラは今度は照れることなく、俺が今まで見た中でも最も眩しく誠実な笑顔を浮かべてくれた。
「ありがとう、ハルキ」
「よしよし、お二人さん! イチャイチャするのは後にしろ!」
チョーローが目を細めながら割り込んできた。
「一体どうやってあんな高位の攻撃魔法を放ったのか説明してくれんか!?」
「正直、私もしつこく気になっているわ」
セラも首を傾げながら認めた。
「正直に言っていいか? 俺にもさっぱり分からないんだ」
俺はこめかみを押さえながらため息をついた。
「セラさんを失う恐怖で……痛っ! あの瞬間の記憶を掘り起こそうとすると頭が痛すぎる。なあ、みんな。もう気にしないことにしないか? どうやら『器用貧乏』はクソスキルなんかじゃなく、秘められた力を持つアビリティみたいだしさ」
「そうだな。王都に着いたらもっと情報を集めるとしよう」
チョーローが頷いた。
「そして当面は、この話は俺たち三人だけの秘密にしておくんだ」
俺は苦労しながら立ち上がった。ガレンとリサナの手当が終わりかけているのに気づき、俺は二人の元へ歩み出た。この一件にきっぱりと決着をつける時だった。セラは行き過ぎないようにと、軽く手を振って合図を送ってくれた。
「それで、ガレン?」
俺は腕を組みながら尋ねた。
「お礼の一言くらいあってもいいんじゃないか?」
ガレンは目を丸くし、それから泥の上に視線を落として拳を強く握りしめた。
「……たまたま運が良かっただけだ。俺一人でも十分手堅く対処できた!」
「ちょっと黙ってよ、ガレン!」
リサナが突然怒鳴り散らし、それから魅惑的な笑顔を俺に向けてきた。
「ハルキ……すっごく素敵だったわ! ねえ……私、あなたのパーティーに入ろうかしら。だって、あんなババアより私の方がずっといいでしょ?」
「『あんなババア』はお前たち全員の命を救ったばかりだぞ」
俺は氷のように冷たい視線で彼女を射すくめた。
「断る、リサナ。俺は今のままで十分だ。お前たち二人とも、少しも変わっていないようだな。ガレン、俺がお前を救ったのはお袋さんに頼まれたからだ。そうでなければ、お前はあのダンジョンで野たれ死んでいた」
俺は二人を二度と振り返ることなく、立ち去ろうと背を向けた。
「待てよ、ハルキ!」
怒りと嫉妬で声を震わせながら、ガレンが後ろから叫んだ。
「お前と母さんは……つまり……母さんと何かしたんじゃないだろうな!?」
そんな滑稽な質問は、返答する価値すらなかった。
俺は自分たちの即席のキャンプへと戻った。夕焼けの光の下で、チョーローと楽しそうに笑い合っているセラを見つめると、胸の中央で突然ドキンと大きな音が跳ねた。心臓が猛烈に高鳴り始めた。
もしかすると……彼女に対する俺の感情は、単なる親愛の情にとどまらないのかもしれない。
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