助け
どうしてこうも牢獄の中は寒いのか。
凍え死んでしまいそう…
食欲もない、眠れない、生きている心地がしない。
それならいっそのこと死んでしまいたい。
でも、私はレオン様が来ることを信じているから。
ここで死ぬわけにはいかない。
そんな時だった。大きな爆発音のような音が聞こえたのは。
「一体…何の音…?外で何が起こってるの…?」
もしかして…レオン様…?
助けが来たのね…
でも、本当にレオン様かは分からない。
もしかするとリュークの気持ちが変わり私をこのまま殺すつもりなのかも…
(油断は出来ない…)
それにしても、リュークに叩かれた頬がまだヒリヒリとして痛い。レオン様にバレたら大変なことになりそう…
爆発音が聞こえて少し時間が経った頃、牢獄へ近づいて来る足音が聞こえてくる。だけど、今までと違うのは、その音がヒールの音ではないこと。
レオン様…
そう願いながらも油断は出来ない私はリュークに髪を引きずり下ろされたときから変わらず床に座ったまま端の方で身を丸くした。
牢獄の扉を開ける人影。
見ればすぐに分かった。
それが誰なのかなんて。
「レオン…様…!」
「ユリア…!!」
レオン様を見た瞬間、涙がどんどん溢れて流れ落ちる。私は立ち上がってレオン様のところに行きたいのに体が言うことを聞かない…だから私はただただレオン様の方へ両手を伸ばすことしかできなかった。
そんな私にレオン様は勢いよく抱きしめる。
この腕の中…久しぶりに感じる…
「遅くなって…すまない…」
「信じていました…」
震えているレオン様。
時折聞こえる鼻を啜る音。
もしかして…
「レオン様…泣いてらっしゃるのですか…?」
力が入る腕に私は幸せを感じる。
「うるさい…。やっと…会えたんだ…」
「レオン様が泣くと私も…泣いてしまいます…」
私の言葉にレオン様は頷く。
「今は沢山泣け…俺の腕の中ならいくらでも泣いて構わない…」
その言葉に私は涙が止まることがなかった。
「う……うぅ……レオン様…怖かった…」
「すまない…守れなくて…」
私は首を振ってレオン様と目を合わせる。
「レオン様は…私を助けてくれた…それだけで十分です…!」
「君は本当に…って、顔が赤くなっている…!もしかして、殴られたのか…?」
「い、いえ…これはその…」
レオン様は私の頬に手を添えながら聞く。
「嘘はなしだろ?」
…仕方ない…これは約束だから…
「リューク王子に叩かれました…まだ少し痛みがありますが…大丈夫です…。」
「ユリアは大丈夫でも、俺は大丈夫ではない。あの男を殺してやる。」
「あ…ダメですよ…!レオン様の綺麗な手がリューク王子に汚されるなどあってはいけませんから。」
私たちはお互いに見つめ合い静かに笑った。
そして優しく撫でられた頬、降ってくる沢山のキス。それが離れていた時間を埋めていくようだった。
「そうだ、ユリア。君のために来てくれた人がいるよ。」
「私のために…?」
その人が現れたとき、安心した。
「ユリア様…」
「アンナ…」
「ユリア様…!!」
私に飛びついてくるアンナ。
それはもう大泣きで…
「ご無事で良かったです…!!」
「アンナこそ、よく無事だったわね…。ありがとう…」
心配だった。
この牢獄で目が覚めてからずっと。
アンナが何もされていないか、無事生きているのか。ずっと…ずっと心配だった。
でも、安心した…
良かった…アンナが無事で…
「ユリア、アンナ。そろそろここを出よう。ここは壊さなくてはならないからな。」
「「はい…!」」
私はレオン様に支えられて立ち上がる。
久しぶりに歩くから足の感覚がない。
でも、レオン様もアンナも私に歩くスピードを合わせてくれる。
私たちが外に出ればすぐに爆破されその場には何も無くなった。
「さあ、帰ろうか。俺たちの屋敷へ。」
「…はい!」
私はレオン様と共に馬車に乗り、アンナはクリストフさんの乗る馬車へ乗った。
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