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ある日まったく関係ない俺が突然貞○的な怨霊に殺されたので、俺も幽霊になってリベンジやってみます!  作者: 小野兄子


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ラウンド3『義憤と鬱憤』

【前回まで】


瑛人えいとたち怨みを持つ者たちが前川と言う死の役人から講習を受ける。

そんな中、瑛人だけは少し変わった質問を前川にぶつける。

怨霊おんりょうをぶっ殺したら俺も怨霊になりますか?」


この瑛人の質問にはさすがの前川も前代未聞のため、過去の事例をパラパラと資料をめくって探すが見当たらない。


「いやぁ…参ったな…ははは…え?間宮瑛人さんでしたよね?怨霊に殺されたんですか?」


「はい…」


「それで、復讐をしたい、と?」


「…えぇ」


前川が頭を掻きながら笑う。


「怨霊に殺された人はごく稀にいますけど、こんなこと言われたらことは初めてですね、わははは」


「たしか、いまの状態で人間に手を出せば怨霊になる。けど、怨霊であれば人間ではないですよね?」


「…たしかに。それはその通りです。しかし、あくまで瑛人さんは怨霊ではなく『死人』…怨霊は更にその上を行く呪いを持っています」


「呪い?」


「はい、まず生身の人間でその呪いを防げる人はほぼいません。それは死人にも通用すると言う意味です」


「バスの運転手にも聞いたんだけど、怨霊に俺のパンチは当たるか?」


「それは当たります。確実に…死人も怨霊も人間ではないので同じ条件ですから、身体が触れれば感知しますし、殴られれば痛いです」


「それで充分です」


「個人的にはおすすめはしませんけどね…」


前川は積極的には勧めないようだが、瑛人の耳には入らなかった。


(あの時……)


━━━━━━━━━━━━━━━


『え゛げがばい゛ゔぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛が』


女の怨霊が瑛人を襲うが、瑛人は単純に出来ており、即クリンチをして抱きつき、ブローを脇腹に当てようとしたが、すり抜けてしまった。


この時点でもはや瑛人に勝ち目はなかった。

ただ絶望の中、瑛人は別のことを考えた。


(……絶対にお前は殺す)


これが、瑛人が人間としての最後の考えだった。


━━━━━━━━━━━━━━━


隣の女性が手を挙げる。


「怨霊になった場合、この霊界ではその管理や登録、確認などはされていますか?」


清水冬子しみずとうこさんですね?はい、それはしていますよ。しかし我々の管轄外ですので干渉はしません。あくまで成仏した時だけ皆さまと同じように手続きするだけです」


「ありがとうございます。では、瑛人さんにそれを教えることは出来ますか?」


「清水さん…」


瑛人は清水の咄嗟とっさの起点に感動した。

前川はこれも頭をポリポリと掻き困っていた。


「うーん…本来はダメなんですけどね…殺されてしまった死者には最大限寄り添うのがモットーですからね、うちは…」


前川は前例がぶつかった際の優先順位に悩む。

実に役人らしい男である。


即答が多い前川だったが、


「これは持ち帰りさせて欲しい」


と、その日の講習はやや尻切れトンボのような終わり方で締まった。





終わったあと瑛人は清水に礼を言い、自然と講習の感想になった。


「清水さんはどうする?」


「私は…ちょっと悩みますね…生まれ変わったら美女に転生してもらうのもありかなって」


清水がおどけて笑うが、瑛人は清水の顔の原型がわからないため肯定も否定も出来なかった。

そのため、少し話を変えた。


「あのさ…清水さんはなんで死んじゃったの?」


と、瑛人が聞くとかなり凄惨せいさんだった。


「私は…いじめに遭ってて…硫酸をかけられて…」


「硫酸って…もしかして昼間にニュースでやってた北新高校のあれ!?」


「あ、ニュースになったんですね?へぇ、そうなんだ…」


どこか冗談のように、そしてテンポよく進むこの展開に、どこか絵空事のように感じていた。


だが、改めて自分は死んだのだと清水を見て実感した。


「実はね…今日がお母さんの誕生日で…それなのに…その日に私が死んだから…お母さん…もう…」


清水が泣き出した。


おそらく、その言葉の続きは"2度と清水の母は自分の誕生日を祝えない"と言うことなんだろう、

瑛人はあまりにも身勝手で残酷な話に内側から怒りが湧いてきた。


(自分の死より、親を想う気持ちが優先されるこんな優しい子がなぜ殺されなきゃいけないんだ…)


たしかそのニュースで警察は、犯人は校内の可能性があるとしているが、まだ捕まっていなかった。


瑛人は立ち上がった。


「なぁ?俺は俺で目的を成し遂げたい。だけど…」


「その前に、清水さんが良ければ…俺が犯人に復讐してやる!」


「えっ…?」


「どこまで相手に復讐したらやばいか?どこまでが許容か?前川さんに聞いてやろうよ?」


「今どうなってるかわからないけど、俺が生きてる間では犯人逮捕まではいってなかった」


「あの人たち…捕まってないんだ………」


「多分ね。だから俺たちで脅して自首させるんだよ!それがせめてもの…清水さんのお母さんに対する…なんて言うか…」


「……瑛人さん」



「鬱憤を晴らす…とかだろ、言いたいのは?」



後ろから瑛人の言葉を補足する声が聞こえて振り返ると、竹中だった。


「ごめん、盗み聞きするつもりはなかったけど…聞いちゃった」


「竹中!?」


「成仏するにも49日後だって言うからさ…それまで暇なんだ」


「手伝わせてくれないか?清水さんだっけ?」


「もちろん、間宮の化け物探しも」


幽霊としての復讐第1号は、清水のいじめ相手となった。



たくさんのPVありがとうございます!

これからスカッとすることが多くなりますので、もしよかったらブックマークをお願い出来れば幸いです。

また、内容が良ければいいねも励みになりますので、是非ともお願い致します。


【次回予告】


まずは清水の復讐の作戦を考える瑛人と清水、そしてバスで知り合った竹中。

3人が立てた作戦とは!?


次回は7月16日 11:00頃予定

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