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ある日まったく関係ない俺が突然貞○的な怨霊に殺されたので、俺も幽霊になってリベンジやってみます!  作者: 小野兄子


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ラウンド2 『怨霊の資格』

【前回まで】


幸せの絶頂の中、謎の怨霊に殺された瑛人。

殺られたら殺り返す、と密かに誓うのだった。

そんな瑛人たち死人を乗せたバスが霊界に到着する。

霊界に到着し、バスを降りると殺風景な田舎の役所のようだった。


(幽白のコエンマがいるような雰囲気だと思ったんだけどな…)


竹中と並んで建物の中に入ると立て札が置いてある。


『←成仏したい方 | 怨霊になりたい方→』


と、内容にツッコミたい気持ちも忘れるほど病んだ文字で書かれていた。


瑛人と竹中が顔を見合わせていたが2人はどの部屋に行くか決めている。


「本当に短い間だったけど、ありがとう」


「間宮、勝てよ?」


そう言って2人は別の道に別れた。





さすが望んで怨霊に志願したと言っても過言ではないほど、居並ぶ者たちは誰かしらに怨みを持ってそうな負の雰囲気が漂う。


瑛人はポツンと空いている正面真ん中にドカっと座った。


瑛人が座った後に、黒髪が美しい女性が一つ飛ばした席に座る。


(こんな子でも誰かに恨みがあるのか…)


と、少し横を見ると、その女も瑛人を見た。



顔の半分がほぼなく、かなり傷ついている。



「こんにちわ…こんばんわ?まぁ、はじめまして…」


と、声をかけられる。


瑛人は一瞬ギョッとするも、それが失礼にあたると思いなるべく普段通りに接しようと心がけた。


「はじめまして…なんか、受験した時みたいな雰囲気だね?」


「ふふ…たしかに。懐かしいかもですね…」


と、意外にも笑ってくれ、それがかえって気味は悪く感じるが瑛人はごく当たり障りない話を二、三した。


「ねぇ、なんか始まるのかな?」


「たしか、バスの運転手さんが『講習がある』って…」


(そっちの運転手は、うちのと違ってサービス精神がまだあるな…)


と、バスの運転手によっては対応が違うんだなと感じた。


「なんか他には言ってた?」


「今日死んだ人が全員集まったら始まるけど、私の乗ったバスが最終便だから、もうそろそろなんじゃないかな?」


女の言う通り、講師が慌てて講習所のドアから入ってきた。


「いやぁ、遅くなってすみません!今日は火災事件があったようでてんてこまいで…あはは」


「改めて、『怨霊研修』を担当する前川と申します!よろしくお願い致します!」


と、礼儀正しくお辞儀をして早速わけもわからないまま説明をはじめた。


「まず、皆さんは誰かに怨みがあるってことですよね?いいと思いますよ、私は肯定します!」



「そりゃ当たり前にあるべき明日が壊されたんです。しかも法律はあくまで理性的に対して、殺された方としては理性的に絶対なれませんから、怨みに対して報いがトレードオフにすらなっていませんしね」



「ただし、これからお話することはとても大事なのでまずは冷静に聞いてくださいね?」


と前川は説明する。


「まず、想像しやすいように怨霊とわかりやすく説明しましたが、皆さんは『まだ』本当の意味で怨霊ではありません。その意味から説明します」


黒板に前川が書く。


「人間の世界では死後49日とありますが、我々の仏教で49日までは中陰、わかりやすく言うと『まだ前世の記憶がある死人』です」


「そして49日経つと成仏され、全く新しい人間に転生します」


(……)


「ただし、49日経っても成仏を拒否すれば『怨霊』になり、よく映画や漫画にもあるような貞○みたいな幽霊になります」


この言葉にようやく講習所ざわつく。


「怨霊になると生前の記憶がなくなり、なぜ人を怨みを持っていたかも忘れ、ただ彷徨い、そして誰かれ構わずと襲うだけの霊魂になるんですよねぇ」


(……)


「まだ、あと49日、正確には48日あります!是非とも本当に『怨霊』になりたいか?成仏までになにかやり残したことはないか?そんなことを考える時間はあります…とだけ言っておきます」


その後、前川から色々と注意点があったが要約すると以下だった。


①人に殺された場合は好きな転生先が選べる


②現在でも報復は出来るが、報復すると程度によってはその時点で怨霊になる


③怨霊になると2度と成仏はできないが、霊媒師による成仏は可能。しかし、霊媒師はインチキな者が多く成仏は基本は不可能


④仮に怨霊が成仏しても人にあだした分だけその報いとして、業火に焼かれ苦痛を与えられ続ける


おおまかにはこんな程度だった。


その後いくつか質問が出た。

一番多かったのが、


「とても日本的要素が高いが海外では?」


と、あった。この点前川の答えは単純だった。


「宗旨による」


つまり、信仰宗教によるとされ、ここに集まったのは無宗教の人たちで、日本が各国より最多であるかため、一般的な仏教を基礎要素としていたらしい。


次に多かったのが、


「転生先が自由に選べるとあるが、具体的には?」


だった。


前川は前置きとして、「これは不慮な死者に対する特例である」とされた。

つまりは、せめて来世こそ幸せにしたいという慈悲のあらわれと言う。


「その上で、人間がそれ以外か、特殊な才能や、ルックスなど色んなものが多少制限はあるもののカスタマイズは可能」


と、言う。

これには会場がどよめいた。


なお、まだ乳児など知的水準に達しない者は基本また母の母体に戻れるとも、もしくは最大限の幸福が築けるよう配慮されるらしい。


沈痛の中、瑛人には知りたい質問があった。



「怨霊をぶっ殺したら俺も怨霊になりますか?」


会場は別の意味でのどよめきがあがった。

【次回予告】


前川の説明に瑛人が出した答えは?


次回7月15日 11:00頃予定

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