話の続き8
「確かにいつも仕事してますけど、こんな時間から喫茶店でコーヒーを飲めるって何の仕事なんですかね」
私は原田さんを見ながら言う。私の記憶では、店長と喋っているときは、笑っていて、料理を食べているときは普通で、仕事をしているときは、どこか物憂げな表情をする人だった。
「映画の字幕を作る人らしいよ」
斉藤さんが興味なさげに言う。
さっきまで端っこでコーヒーを飲んでいた中年の男の人がレジに向かったので、私もレジに向かった。
男の人から伝票を受け取って、レジに打ち込んでいく。コーヒーが一つ。おかわりが一杯。
「六〇〇円になります」
「六〇〇円ね。福井くん今日休みなんだって?」
初老の男性客はそう言って財布の中から小銭を探す。
見覚えのある顔だ。常連客だろう。福井さんはお客さんに人気がある。暇になると、端っこの席に座って、私たちを呼んでお客さんのようにコーヒーを注文するのだ。そうやって、お客さんと会話することもある。自由なのだ。
「はい、京都に旅立っちゃったみたいで」
私はそういい、五〇〇円玉一枚と百円玉一枚をを受け取る。
「嬢ちゃんたちも大変だね。福井くん自由な人だからね、周りがね」
初老の男性はそう言って笑う。
私はレジにお金を入れてレシートを渡す。
「はい、今日はオムライスを作る羽目に」
そう言って原田さんの方を見やる。オムライスはほとんど食べ終えられている。
自分で作ったオムライスだから、なんだか嬉しい。
「それは大仕事だったね、福井くんに時給あげてもらいなよ」
「はい、そうします」
初老の男性客は軽口を言って、私も軽口で返す。
「ありがとうございました」
初老の男性は店を出て行った。
シーンの切れ目なので短め。
あと一週間もすれば書き貯めてる分がなくなる。そしたら毎日更新できるかな……




