話の続き23
ブツ切り防止のため、前回投稿内容の最後数行を前書きに書いておきます。
本文だと水増しっぽいし、おかしいですもんね。
前回投稿内容
↓
「ちょ、声が大きいってば。窓側の席。パソコンいじってる人」
私は動揺しながら位置と特徴を伝える。横目でチラッと原田さんを見た。少し難しそうな顔をしながら、キーボードをたたいている。
「ほうほう」
佳奈と芙美は二人で何やら目配せをした後、「やるじゃん」といった。
それ食べたらほんとに帰ってよねと念を押して、私は今入店されたお客様に水を運びに行く。
それからしばらく私は接客に追われていた。それほど多くの客が来たわけではないけど、絶え間なく来る客にお水を出したり、注文を取ったり、レジでお釣りを渡したりしていた。
その間、何度か二人の方を見たけど、佳奈も芙美も、私のことなんかちっとも見ないで、原田さんの方ばかり見て、何やらおしゃべりをしていた。せっかく私が働いでいるんだから、私のこの勇姿を見なさいよ、と思わなくもなかったけど、喫茶店のウェイターに見せ場なんかないので、それならそれでいいかと思った。
午後7時を過ぎて、閉店間際になった。福井さんが厨房からカウンターの方に回って、そこに座った。うーん、と伸びを一つしてから、一度机に突っ伏して、それから顔だけあげて、「コーヒーひとつ」と言った。
私はかしこまりましたーと言ってコーヒーを淹れに行く。
「原田くんもコーヒーどうですか? サービスしますよ」
福井さんは原田さんにそう言った。
「じゃあいただきます。どうも」
「最近、お仕事の方はどうなんですか?」
福井さんは遠慮なくそう聞いた。
「そうですね、結構回ってきますよ。まあB級、C級映画ばかりですけど」
「A級映画は回ってこないんですかー?」
私はカウンターの奥から、そう聞く。三つならんだ白いカップにコーヒーを注いでいく。コーヒーのあの香りがする。コーヒーは凄い。あの香りを嗅いだだけで、少し心が穏やかになる。
「うん、有名な映画は僕よりももっとベテランの人が訳されるね」
「へーそうなんですか」
私は淹れ終えたコーヒーを福井さんにお出しして、それから原田さんにも出しに行って、私は原田さんのテーブルの向かいに座る。
「ありがと」
原田さんはそう言ってコーヒーをすすった。
「眉間にしわ。おじいちゃんになっちゃいますよ」
原田さんが難しそうな顔をしながらコーヒーをすするので、私はそう言った。
「考えがまとまらなくってね」
「花の女子高生とお喋りしたら、少しはリフレッシュできるかも」
私は冗談めかしてそう言った。
「花の女子高生って?」
原田さんは察し悪くそう聞きなおす。
「私です」
「あー」
ようやく意味を理解して、原田さんは小さく笑った。




