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あなたとならなのに  作者: 悪徳渋助
25/30

話の続き23

ブツ切り防止のため、前回投稿内容の最後数行を前書きに書いておきます。

本文だと水増しっぽいし、おかしいですもんね。


前回投稿内容

「ちょ、声が大きいってば。窓側の席。パソコンいじってる人」


 私は動揺しながら位置と特徴を伝える。横目でチラッと原田さんを見た。少し難しそうな顔をしながら、キーボードをたたいている。


「ほうほう」

 佳奈と芙美は二人で何やら目配せをした後、「やるじゃん」といった。


それ食べたらほんとに帰ってよねと念を押して、私は今入店されたお客様に水を運びに行く。

 それからしばらく私は接客に追われていた。それほど多くの客が来たわけではないけど、絶え間なく来る客にお水を出したり、注文を取ったり、レジでお釣りを渡したりしていた。

 

 その間、何度か二人の方を見たけど、佳奈も芙美も、私のことなんかちっとも見ないで、原田さんの方ばかり見て、何やらおしゃべりをしていた。せっかく私が働いでいるんだから、私のこの勇姿を見なさいよ、と思わなくもなかったけど、喫茶店のウェイターに見せ場なんかないので、それならそれでいいかと思った。

 

 午後7時を過ぎて、閉店間際になった。福井さんが厨房からカウンターの方に回って、そこに座った。うーん、と伸びを一つしてから、一度机に突っ伏して、それから顔だけあげて、「コーヒーひとつ」と言った。


 私はかしこまりましたーと言ってコーヒーを淹れに行く。


「原田くんもコーヒーどうですか? サービスしますよ」


福井さんは原田さんにそう言った。


「じゃあいただきます。どうも」


「最近、お仕事の方はどうなんですか?」


福井さんは遠慮なくそう聞いた。


「そうですね、結構回ってきますよ。まあB級、C級映画ばかりですけど」


「A級映画は回ってこないんですかー?」


 私はカウンターの奥から、そう聞く。三つならんだ白いカップにコーヒーを注いでいく。コーヒーのあの香りがする。コーヒーは凄い。あの香りを嗅いだだけで、少し心が穏やかになる。


「うん、有名な映画は僕よりももっとベテランの人が訳されるね」


「へーそうなんですか」


 私は淹れ終えたコーヒーを福井さんにお出しして、それから原田さんにも出しに行って、私は原田さんのテーブルの向かいに座る。


「ありがと」


原田さんはそう言ってコーヒーをすすった。


「眉間にしわ。おじいちゃんになっちゃいますよ」


原田さんが難しそうな顔をしながらコーヒーをすするので、私はそう言った。


「考えがまとまらなくってね」


「花の女子高生とお喋りしたら、少しはリフレッシュできるかも」


私は冗談めかしてそう言った。


「花の女子高生って?」


原田さんは察し悪くそう聞きなおす。


「私です」


「あー」

 

ようやく意味を理解して、原田さんは小さく笑った。

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