第3話 外見改造計画
セレクトショップにて。
「リョウくん、服はシンプルが一番だよ」
そう優花に言われた凌は鏡の前でジャケットを羽織る。
「え、これだけ?」
「うん。男の人のコーデって、清潔感があれば十分」
優花が凌の襟元を直す。
「サイズが大きすぎるとだらしなく見えるし、小さすぎると気取って見えるからね。ちょうどいいサイズ感が大事なの」
「そ、そうなんだ……」
「じゃあ、次は髪型。男性のカッコよさの6割は髪型で決まるから」
美容室にて。
「はい、ではサイドを少し短くしますねー」
そう美容師に言われる。
あれ?
意外と悪くないかも。
凌は鏡に映る自分を見て驚いた。
「これ……オレ?」
優花が笑いながら答える。
「案外、悪くないでしょ?」
美容師が声をかけてくる。
「ワックスつけますね」
そうこうしているうちにセットが終わった。
「……これ、アリかも」
美容室に行くまで想像もしなかった感想だ。
鏡を見ていると優花に声をかけられた。
「リョウくん」
「ん?」
「似合ってるよ。」
「……マジで?」
凌も誉められて嬉しくないはずはなかった。
翌朝のこと。
凌は教室の扉を開けた。
クラスメートたちが一斉に驚く。
「えっ、凌?」
「やばっ、なんかカッコよくね」
教室中がざわつく。
「……えっと」
凌は戸惑いを隠せない。
そそくさと自分の席に向かった。
すると後ろから「ポンッ」と肩を叩かれる。
クラスメートの颯介だった。
「へぇ……どういう心境の変化?」
颯介に髪を引っ張られた。
「痛てっ、やめろよ!」
「ふーん、イメチェン?」
凌は苦笑しながら答える。
「浮気がバレたんだよ」
颯介が驚いた顔になる。
「はあ?」
「だからさ、誠意を見せるために変わろうかと……」
「彼女もいないのに、どうやって浮気するんだ?」
クラス中、大爆笑になった。




