第14話 勝利の行方
「やっぱりイケメーン!」
「王子様!」
観客席からは歓声が上がったが、颯介は髪をかきあげて余裕の笑み。
思わぬ盛り上がりに瑠華も喜びを隠せない。
「次はカエルくんです。どんなクールな男の子が登場するのでしょうか!」
凌がカエルくんのマスクを外すと予想外の坊主頭が現れた。
観客席が「えっ……?」と一瞬静まる。
颯介を真似て髪をかき上げようとした凌。
髪がないのに気づく。
「……あれ? 髪の毛が取れちまったかな」
慌ててマスクの中を覗き込む凌に観客の笑い声が被さった。
颯介までも苦笑いしている。
「お前、昨日丸坊主にされてただろ!」
真顔の凌が答える。
「あ、そうだ。バスケット部が負けたんで丸坊主にされたんだ」
観客席からは「マジかよ」という声。
凌は真顔のままで続ける。
「幽霊部員の僕まで丸坊主って、ひどくないですか?」
観客席は「ははははは!」と大爆笑。
「でも、次に負けたら剃らなくちゃならないんで……さすがにスキンヘッドはキツイっす!」
笑い声とともに観客席からは何故かパラパラと拍手が聞こえてきた。
「丸坊主を自虐ネタに変えるなんて。やっぱりリョウくん、成長してる!」
観客席では優花が感心していた。
いよいよ結果発表の時が来たことを瑠華が告げる。
「それでは……詩織さんにお一人を選んでもらいましょう」
凌は手を合わせて祈る。
颯介の方は腕を組んで余裕の笑み。
詩織がマドンナ席から立ち上がった。
「優勝は陽南高校の、一ノ瀬颯介くん!」
颯介にスポットライトが浴びせられる。
観客たちからは「キャー!」という声が。
凌は舞台の上でうなだれていた。
颯介が微笑みながら凌の肩を叩く。
「You did good, man. Not bad at all!(お前、よくやったよ。悪くなかったぞ、全然!)」
凌は照れくさそうに「T-Thanks…(あ、ありがとう)」というのが精一杯だった。
司会の瑠華も凌を賞賛する。
「でも北村 凌くんの活躍も見事でした!」
観客席からは暖かい拍手が聞こえてくる。
玲奈たち3人も拍手で凌を讃えた。
壇上で瑠華が颯介にマイクを向ける。
「颯介くん、素晴らしい勝利でした。今のお気持ちは?」
颯介、爽やかな笑顔で答える。
「凌くんはクラスメートなんだけど、ここまでやるとは思わなかったです。正直、彼を見直しました」
客席からは「おおおお!」という声が上がった。
次は凌がマイクを向けられた。
「では、凌くん。敗北してしまいましたが、今のお気持ちは?」
凌、肩をすくめて笑いながら答える。
「いやあ、完敗です。やっぱイケメンは……言うこともイケメンですね」
観客たちは「ははは!」と笑っている。
「実は彼、今日は王子様キャラなんだけど……普段はヤンキーっぽくて、ちょっと怖いんですよ」
客席からは「ええ?」「マジか!」という声が。
「でも、彼がアメリカ帰りだということを今日初めて知って……なるほど、本物のヤンキーだったのかと納得しました」
再び客席から「あはははは!」「やっぱり凌くん面白い!」の声がかかった。
さらに「凌くん、カッコよかったよー!」の声も。
優花が感心したように言う。
「やったね、リョウくん!」
美月と玲奈も同調する。
「まあ、悪くなかったかな」
「あのリョウがここまでやるとはね……」




